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247 日本で一番短い国道は寄り道要素満載だった。

突然ですが問題です。

日本に数ある国道の中で最も長いのは国道4号(東京から宇都宮、仙台経由青森)ですが、一番短い国道は何号線でどこを走っているでしょう?

何号線かは、サムネイルを観たらわかりますね。ではこの174号線はどこを走っているのか?

正解はこちら、神戸市です!

Google Mapにも「日本一短い国道」と書かれているとおり、国道2号線を起点にして南に延び、新港突堤臨港線と交差する場所が終点となります。総長187.1m。もう少し短ければ174mで国道番号と同じだったのに…と思ってしまいます。

国道の中には通称「港国道」と呼ばれるものがあります。旧一級国道から分岐して港に延びる国道を指すもので、現在全国に15存在します。港は貿易により外貨を稼ぐ国にとって重要な施設。そこにつながる道路は国が管理する、という明治時代の考え方の名残のようです。多くの港国道はその市内で完結するので総長は短いのが特徴で、そのトップを走るのはこの174号線なのです。

では、そんな国道174号線の旅に出発しましょう。短い旅の全編をノーカットでどうぞ。

2分足らずで終点に到着。どうです?あっという間でしょう?

この先にはフェリーターミナルがあって、高松や小豆島に行く船がここから出港しています。今もこの道は港につながる重要な役割を果たしているんですね。

ところでこの174号線、とても短い道路ながら古くから港町として栄えた神戸らしく沿道に見ごたえのある建物がたくさんあります。

① 神戸税関

日本を代表する港湾都市の玄関口にふさわしい重厚感溢れる佇まいの神戸税関。昭和初期に建てられた2代目の建物が阪神・淡路大震災で半壊したため1998年に改築されました。単に建て替えるのではなくもとの建物を保全する形で作り替え、シンボルである時計塔を含めて外観はほぼ元の姿を残したことが建築界から高い評価を受けています。

② デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)

1927年に旧神戸市立生糸検査所として建てられた当時としては画期的な近代的建造物。今は神戸市が買収してデザインやアートの発信基地として様々なイベントを行っており、セミナーやホールの貸し出しもしています。この日ホールでは着ぐるみのフェスをやっていて100体以上の着ぐるみが集結していました。

建物の中には生糸の生産器具を展示した施設も残ります。こういった生糸の検査場が港のすぐそばにあるというのも当時良質の生糸を輸出することが日本にとっていかに重要であったかを伺わせます。

読書やリモートワークに使えるクリエイティブラウンジ。家にいるときには生まれなかった新たな発想が浮かびそうですね。

③ 新港貿易会館

こちらも昭和初期に建築された新港貿易会館。それまでこの地域に点在していた港湾関係施設をここに集約するために建てられました。税関もそうでしたが、角部分をアールにするのがこの時代の流行だったのでしょう。船室のような丸窓が特徴的です。文化庁の登録有形文化財に指定されています。

アリスの世界のようなカフェでコーヒーを。

さて、たくさん歩いたのでお腹がすきました(187mですが)。

新興貿易会館の角に屈まないと潜れない小さな扉があります。どうやらカフェのようです。

中に入ると、昭和レトロの建物とはがらりと印象が変わり、ヨーロッパのおとぎ話のような世界。52歳男子にはちょっと場違いな感もありましたがせっかく入ったのでここで寛ぐことにしましょう。

こちらはNOBU'Sという地元のインテリア会社が経営しているカフェなので内装にはかなりのこだわりがあるようです。

この部屋からさらに2つ扉を潜るとカフェにたどり着きます。なんか「注文の多い料理店」みたいだな…

店内はこんな感じ。アリスの世界に飛び込んだようです。入店したときは一人でしたが、このあと続々とお客さんが入店してきました。間口は小さいですが人気のカフェのようです。

アイスコーヒーとデザートのセットで880円。マロングラッセもおいしかったんですが、こちらはマロンパイが人気のようです。栗にこだわっているのかな?短い時間でしたが寛ぐことができました。

●Little Tree Cafe
  住所:兵庫県神戸市中央区新港町8−2 新港貿易会館 1F
  営業時間:10:00~18:00(月曜定休)

走っていけば数十秒で駆け抜けてしまえる国道174号。ですがゆっくり寄り道すれば港町神戸の歴史を感じることができる魅力あふれる道路でした。
神戸の中心、三宮から散歩がてら歩いてみてはいかがでしょうか。

サポートいただけたら小躍りして喜びます! 今後一層フットワーク軽く旅先に向かい、情報提供に努めたいと思います。 よろしくお願いいたします!