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154 南予の城下町・宇和島の朝を歩く

10月の三連休に四国を旅行した私。松山から「伊予灘ものがたり」に乗り大洲、さらにそこから卯之町に立ち寄り予讃線の終点、宇和島に到着しました。

30年前に来たときの駅はかなり寂しい印象を受けたのですが、今は南欧風の駅舎にホテルもできて南予地方の玄関として立派な顔に生まれ変わっています。

点で囲ったところが宇和島市。松山から西へ西へと向かっていたと思っていましたがかなり南にも移動していました。高知市よりも南にあり、室戸岬と同じ緯度というのは意外でした。南国ムードになるのも分かります。

日曜日の夕方に宇和島に到着したのですが、これから天気が悪くなるということとかなり歩いて疲労もたまっていたことから早めに休むことにして、翌朝列車に乗る前に市内を歩いてみることにしました。

猫がお出迎えの全国和霊神社の総本山


というわけでおはようございます。雨は上がりましたがまだ少しぐずつき気味の空の中到着したのは和霊神社。石造りの鳥居が立派な和霊信仰の本山です。

宇和島藩は伊達政宗の息子、秀宗により成立した藩ですが、その家老山家清兵衛(やんべせいべい)が秀宗に疎まれ、秀宗側の者のによる凶刃に倒れたあと伊予伊達家に不幸が続いたことからその怒りを鎮めるために神社を建立したのが始まりとされています。清兵衛は当時不毛の地だった宇和島の産業基盤を確立させて財政の立て直しを図る優秀な人物だったことから、和霊神社は産業の神として崇められるようになっています。
ちなみに仙台の七夕は開催日に雨が降る確率が非常に高いのですが、それも仙台では清兵衛の怨みといわれているそうです。

鳥居をくぐり間にある川に架かる神幸橋を渡ると神門が見えます。宇和島空襲でも残った平和のシンボルとも言われる橋です。


神門をくぐって拝殿へ…っと、その途中の階段前に猫がいますね。近寄っても逃げません。


手水所に登って水を飲んでいました。ここで飼われているのでしょうか。
勝手知ったる我が家のようです。


まだ朝早いということもあって、拝殿は静けさが漂います。コロナ禍で混乱する日本が一日でも早く目覚め回復してふたたび成長の道に向かうように願います。

ちょっとわかりにくい角度になってしまいましたが、牛鬼が祀られています。宇和島といえば牛鬼。高校野球のファンなら宇和島東高校の牛鬼打線で名前を聞いたことがある人も多いでしょう。和霊神社の例祭として7月下旬に牛鬼まつりが行われ、何体もの竹で組まれた胴体に赤や黒の布をかぶせた牛鬼たちが宇和島のまちを練り歩きます。


お参りを終えて神門に戻ります。あれ、さっきの猫。神門のド真ん前にいます。

お見送りしてくれるんでしょうか。


最後まで逃げず見送って?くれました。さながら社の主、山家清兵衛の化身か?と思ってしまいます。

伊予伊達家の居城、宇和島城へ

さて、神社を出ると市街地を抜けて宇和島城へと足を運びます。

宇和島城は町に近接する小高い丘の上にあります。

こちらの入り口から入って丘を登り城へと向かいます。市の文化財に指定されている桑折(こおり)氏武家長屋門です。かつてはもっと大きな門であったといいます。


宇和島城は伊達家の入場の前に藤堂高虎が天守を築城、その後に伊達家が大修理をして今の姿になっています。その頃の石垣が今も残されています。


結構な階段を登っていきます。脇を地元の高校生がトレーニングのためか駆け足で登っていきます。若いっていいですね…。


ようやく天守に到着。宇和島城の天守が目の前に現れます。17世紀に伊達宗利が修理して以降、もちろん幾たびかの回収はされていますが解体されず現在までその姿をとどめています。小さいながらも美しい白壁が印象的です。



時間が早くまだ天守は開いていませんでしたが、宇和島の町、そして宇和海を望むことができます。左手は九島。サイクリングやトレッキングを楽しめる風光明媚な島です。本土との間を抜けると豊後水道。大分方面に抜けていきます。かつてはここから侵入してくる外敵を監視してきたのでしょう。


そろそろ列車の時間が近づいてきました、さわやかな散歩を終えて駅に戻ることにします。

お城の傍はすぐアーケード。店員さんがあわただしく開店の準備をしていました。通路の真ん中に自転車が。大胆な駐輪してるな。マナー悪いな、と思ったらここでは通路の中央を駐輪場にしているのでした、これなら店の前に駐輪されて邪魔になることがない。新しい発想です。

ん?なんか落ちてる、と思ったらハチの巣でした( ゚Д゚))))

1時間半ほどの朝の宇和島散歩。曇天の中でしたが宇和島の歴史を知ることができるいい散歩になりました。宇和島を発つときには青空も戻ってきました。次に訪ねたときは先ほど触れた九島や、闘牛場も訪ねてみたいと思いました。




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