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世代間ギャップに苦しむ20代が読む3冊①

社会人4年目になり、何かと色々見たくないものが見えるようになり、考えたくないことを考える場面が増えたように思います。特に、「予想以上に世代と世代との考え方のギャップって大きいんだ!」というのが昨年一年の発見でした。自分たちの「当たり前」が通じず、また、他の人の「当たり前」が理解できない、みたいな場面が多かったような気がしています。

前の記事にも書きましたが、この「当たり前」という感覚は非常に危ない。自分の持ってる当たり前が「他の人にとって」当たり前じゃなかったり、あるいは「少し前の世の中では」当たり前じゃなかったり、というのは全然ありうる話。自分の中の「当たり前」を相対化したいと思い、ここ最近ごねごねと本を読み漁ってみています。

そのなかで出会った、覚えておきたい本を3冊備忘録。


まずは「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」という一冊。年末に読み始め、一晩で読み切るぐらい引き込まれてしまいました。

人前で褒めるくらいなら何も言わないでほしいと学生が願う背景には、2つの心理状態が関係していることがわかってきた。
1つ目は、自分に自信がないこととのギャップだ。(中略)
2つ目は、ほめられた直後に、それを聞いた他人の中の自分像が変化したり、自分という存在の印象が強くなったりするのを、ものすごく怖がる。

金間大介「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」

以前「なぜ今の若者は目立ちたがらないの?」と言われたことがあり、その時は「いや、逆になんでそんなに目立ちたいの?」と思ってしまっていました。ただ、こう言語化してくれるとすごくスッと落ちます。

SNS時代ではなおさら、目立つことはすっごくリスクが高い行為なのかもしれません。ただ、企業の中では「名前を知ってもらう」という意味で目立つことはいいことと「されています」。このギャップをどう埋めるのがいいのやら、あるいは、それは本当に確からしいのか、ごねごね考えてみたいなあなどと思っています。


「自分は特別なことは全然望まないです。毎日平穏に過ごせればそれで。普通で十分と思ってるんで。ほんと、欲ないですよね」という時の「普通」のことだ。冗談じゃない。いい加減に夢から覚めなさい。あなたの言う「平穏」や「普通」とは、今の日本で得られる最上級の待遇にある

金間大介「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」

これを一番僕は胸に留めておきたいです。まさにこの「普通でいい」と言う感覚は僕の感覚そのままだったので、すごく印象深いセクションでした。

この「普通」って不思議ですよね。なぜこのような感覚が身についてしまうのか興味深いなと思っています。SNSの影響で、「同世代のすごいインフルエンサー」と自分とを比較してしまって、「ああはなれないしならなくていいから、」と言う感覚なのかもしれませんね。


このように、確かに誰かの発言を笑う人はいる。ではあなたは、その笑いに続いたことはないと言えるか。(中略)表面的にはがんばる若者を応援するだろう。しかし、その大人にとっては何かがしっくりこない。(中略)目の前にいる若者は、自分とは違う方法で、自分とは違う結果を求めている。(中略)若者側は、そんな大人の姿勢こそ笑うべきなのだ。若者同士が圧を送り合ってどうする。

金間大介「先生、どうか皆の前で褒めないで下さい」

本当に元気付けられた一節でした。「若者同士が圧を送り合ってどうする」と言うところに、なんというか泣きそうになるぐらいの激励を感じました。

でもこう書かれるときっと僕たちも同じような感覚に陥るんだろうなと思うんです。つまり「今の若者は、僕とは違う方法で世界を作っていくんだろうな」と言う、少し悲しさも交えつつ応援したい気持ちができていくんだろうなと。


タイトルから感じる印象以上に、きちんと背中を押してくれるような一冊。それも、「とりあえず押しとこう」みたいな適当さではなく、きちんと良さと弱さを認めてくれた上での激励になっているのが、僕は本当に嬉しかったです。

是非是非。

2冊目・3冊目は別記事に起こそうと思います。

(1678文字)


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