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200mカヤックスプリント選手の上半身最大筋力•酸素摂取とパフォーマンス

初めての投稿ですね。

今回はこちらの論文を紹介します。

Pickett CW, Nosaka K, Zois J, Hopkins WG, Blazevich AJ. Maximal Upper-Body Strength and Oxygen Uptake Are Associated With Performance in High-Level 200-m Sprint Kayakers. J Strength Cond Res. 2018 Nov;32(11):3186-3192. 


ハイレベル200mスプリントカヤック選手におけるパフォーマンスと上半身の最大筋力および酸素摂取の関連


☆研究の目的
一般的に使われる筋力テスト(ベンチプレス、ベンチプル、懸垂、デッドリフト)および有酸素能力(カヤックエルゴメーターにおけるVO2max)と200mの水上のパフォーマンスの関連を調べること(試合期)。またこれらのトレーニングやテストはハイレベルなカヤック選手に有効なのかを調べる。

☆方法
被験者

22名のオーストラリアの男性カヤック選手(18~29歳)
①7名はエリート(シニアかU23で世界選手権、ワールドカップもしくはオリンピックなどの国際大会のファイナル経験者)

②7名はナショナルレベル(ジュニアかU23で国際大会経験、国内大会のシニアでAorB決勝到達程度)

③8名のクラブレベル(200mのタイムが40秒以上、国内大会でファイナルに上がれる下限程度)
に3グループに分けられた。

筋力テスト:
3RM(Repetition Muximum:最大反復回数、今回だと3回挙上できる最大の重さ)のベンチプレス、ベンチプル、懸垂、デッドリフト

200mカヤックレースパフォーマンス:
200mの水上タイムトライアル(❌最大努力、予選で確実に勝ち上がれるぐらい)

VO2maxテスト:
7×4minカヤックエルゴ漸増テスト
性別、競技レベル別に分かれた7つのステージを決められた仕事量で各4分間こなしその間の酸素摂取量を測定するテスト(男性、エリートジュニアだと100W→120→140→160→180→200→最大という各4分、多分この世の地獄)
※AIS(Australian Institute of Sport)で使われているテスト、今後別の記事作って紹介する     かも

☆結果
・ベンチプレス、ベンチプル、懸垂、VO2maxは200mタイムと強い負の相関(テスト結果が高いほど200mのタイムが低い=速い)。
・デッドリフトと200mタイムは相関無し(デッドリフトとその他のテストについても同じ)
・各筋力測定はそれぞれ強く相関、VO2maxとストレングステストは中程度の相関
・エリートとクラブレベルに分けたときベンチプレスと200mタイムは弱い相関しかない
・エリートレベル:平均 タイム36.99秒、ベンチプレス113kg、VO2max4.83L/min
・クラブレベル:平均 タイム41.85秒、ベンチプレス76kg、VO2max3.97L/min
etc...

☆結論
ベンチプレス、ベンチプル、けんすい、VO2maxは200mカヤックレースパフォーマンスに関係がある。これらのテストもカヤックのパフォーマンスを測るのに適切だろう。
デッドリフトと200mレースタイムは相関しなかった。
etc...

○感想
論文の翻訳としては正直不十分ですが要約としてはこんなものかなと。何か指摘などあればご連絡下さい。
読み込んでいくと他にも内容は色々あるのですが経験的には当たり前のことですね。
これはオーストラリアの研究でしたがエリート(最遅37.63秒)群で3RMベンチプレス平均113kg(1RMに換算すると120kgぐらい)ってどうなんでしょうね?
今のところ手元に日本人カヤック選手のベンチ1RMのデータが無いですが、もっとベンチ挙げてるのに遅いって選手多いんじゃないですかね。
そういう選手はVO2max(この研究のエリート群で平均4.83L/min)にも目を向けてみると良いかもしれないですね。
あとはデッドリフトが関係無いってのもカナディアン(片膝立ちで漕ぐカヤックとは別のカヌースプリント競技)だと変わるんですかね?
そういう研究も探してみたいですね。

発信慣れしてなくて拙い文章ですがここまで付き合って頂きありがとうございました。
ご意見ご感想がありますと次の情報発信のモチベーションになるのでぜひよろしくお願いします。

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