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読書感想文は、感想文なのか

読書感想文とは、本を読んで、感想を書いた文である。『面白かった。』は、感想である。しかし、これだけでは、読書感想文にはならない。

うまい読書感想文には、

  • なぜその本を読もうと思ったのか

  • 印象に残った部分について、どう感じたのか

  • 自分の生活との関連付けて、何を考えたのか

などが書かれている。これらのうち、『どう感じたのか』は、『感想』である。他は『感想』ではないように思うのだが、どうだろうか。

『感想』とは、何だろうか。調べてみた。あるところには『感じたこと、思ったこと』とあり、別のところには『感じたこと、考えたこと』とあった。

『感想』の『感』は、『感じたこと』で間違いなさそうだ。では、『想』は、『思ったこと』なのか、『考えたこと』なのか。『想ったこと』ではないのか。

『想』という字の意味を調べてみた。『おもう、思いめぐらす、心の中で考える』などとあった。

『思う』も『想う』も、同じ『おもう』である。文字がなかった時代には、一つの言葉だったのだろうか。意味の違いにはっきりと線を引くことは出来ず、連続している。だから、『思う』という意味があるのだろう。

一方で、『想う』には、『思う』にはない、『誰かのことを』という意味合いがあるように思う。誰かのことを、元気にしているだろうか、と思いめぐらせる。それは『考える』ということだろう。

『想』には、『思う』『考える』の両方の意味がありそうだ。

つまり、『感じたこと』『思ったこと』『考えたこと』の全てが、『感想』ということである。冒頭で挙げた、うまい読書感想文に書かれていることは、全て『感想』だといえる。

結論
読書感想文は、感想文である。そして、うまい読書感想文は、複数の感想を、うまく組み立てたものである。
ということだ。

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