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かんなと学ぶ演劇③

『上野動物園再々々襲撃』
〜脚本 平田オリザ氏について 後半〜
さて、今回は平田オリザさんについて学ぶ回の後半です!
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西洋からの移入から始まった日本の近代演劇。
それゆえに戯曲の創作までも西洋の理論に沿っているのはいかがなものか?という問題提起から平田オリザ氏の演劇論、「現代口語演劇理論」は始まりました。
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私個人の感覚でも、語学は文化。日本で演劇作品を作る際に西洋文化をそのままスライドしても、日本人のリアリティを映した戯曲にならないのは納得です。
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さらに平田オリザ作品では、大恋愛や殺人事件!のような人生の一大ハプニング的なことは起きず、静かな日常の時間が流れているのが特徴です😮🌟
オリザさんはそのような静かな時間を好んで演劇の題材にとりあげるそうな。
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その心は、以下の「現代口語演劇理論」に関する青年団のホームページからの引用で取り上げられています。
(http://www.seinendan.org/about/style)
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「人間が存在することは、本来が驚きに満ちたことであり、その存在自体が劇的です。人間の生活はそれ自体が本来、楽しく、優美で、滑稽で、間抜けで、複雑で豊かな様相を内包しています。私たちは、その複雑な要素を抽象化しながら舞台上に再構成し、その静かな生の時間を、直接的に舞台にのせようとする試みをつづけています。」
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実は上野動物園再々々襲撃の台本を初めて読んだ時、「え、日常じゃん」と思いました🤣

でも上記の文章を読んだ時は自分が恥ずかしくなりましたし、
日々の稽古の中で、演出家や共演者によってめくるめく繰り広げられるドラマに笑ったり泣いたりしている自分に気づき、
最初に読んだ時の台本の印象と今の印象との差が大きいことに驚いています。
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観ている皆様にも、今回の舞台を通して日常生活がいかに素晴らしく、尊いものかを感じていただけたら最高だなと思います✨

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