メスオオカミになりたい
私が心酔する心の師匠、メンターは「狼」だ。
オオカミを崇拝するきっかけになったのは「神なるオオカミ」(姜戎 著)という本だ。人生で5本の指に入るおもしろさだった。
観てはいないが映画化もされている。
日本にも黄砂が飛んでくるモンゴルの草原オオカミというのは、同じアジアに生きるものとして、心理的にも近しさを感じる。
この本では本編のあとに、「知的探索 ―オオカミ・トーテムについての講座と対話―」 として5章設けてある。
そのなかの、 中国の龍トーテムの起源は遊牧民族のオオカミ・トーテムではないか 、という考察がとても興味深い。その理由はいくつかあるが、 ひとつはその飛び方だ。
龍の起源とされているヘビやワニなどの爬虫類は体を横にくねらせる。 しかし龍は、縦にうねらせて飛ぶ。 これはオオカミがジャンプする動きと同じである、と。
龍には翼がない。 オオカミも翼がない。オオカミは翼がなくても飛べる、と信じられていた。 (西洋のドラゴンには翼がある)
カッコイイの双璧であるオオカミと龍が同じ起源だったらおもしろい。
オオカミの本でもう一冊面白かったのは、
「哲学者とオオカミ
愛・死・幸福についてのレッスン」
マーク・ローラーンズ
哲学者である著者が五百ドルでオオカミの仔を買い、11年間共に暮らす事で分かったことについての考察が語られている。学生より若くオオカミを連れて講義する、人間嫌いのイケメン大学教授の人生レッスン。人間とは何かという問いの、今までで一番納得できる答えがあった。オオカミって飼っていいの?という疑問にも答えている。
日常の中でなにか見失ったような気がするとき、私は骨も心も命も硬く、死んでも屈服しない、メスオオカミになった自分を夢想するのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?