マガジンのカバー画像

読書感想文

45
読んだ本の話
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

『過去を「巨視」して未来を考える』を読んで

『過去を「巨視」して未来を考える』を読んで

最近ハマっている落合陽一氏の本を読んでみた。

コロナ禍の2020年6月から2021年6月までに16回シリーズで放送されたNHK「ズームバック×オチアイ」という番組の内容を書籍化したものだ。
こんな番組が放映されていたことに全く気づかなかった。

コロナ禍の始まりを振り返ってみると、娘の大学の卒業式がなくなり、息子の大学の入学式がなくなり、そのまま全てオンライン授業になってせっかく入った大学に一歩

もっとみる
「廻り路」を読んで

「廻り路」を読んで

昨年11月の文学フリマで購入した本です。

本のつくりは内容とも響き合うものであるし、文庫本スタイル、紙質、とても良いと思いました。

文学フリマの前にどのブースを回ろうかと情報収集しているときに、この冒頭部分を目にして惹かれました。

読み始めて世界に没入していき、その時代感覚にも浸れて読後は静かな余韻を味わいました。

不器用なラブストーリー、想いが遂げられているのに伝え切れていない気持ち。

もっとみる
「人を動かす」を読んで

「人を動かす」を読んで

私が普段読むのは小説などの文芸書がメインで、自己啓発本やハウツー本の類いはほとんど読みません。
この本も、いかにもビジネス本といった風情で、今までだったら目に触れることも興味を持つこともなかったでしょう。
それが、たまたまnoteでどなたかのお勧めとして目に留まった時、何故か「これは読む本」とジャッジされたのです。

本屋に行ってみると、原書は1936年に初版発行という古い本でありながら改訂を重ね

もっとみる
鳩、鳩、鳩

鳩、鳩、鳩

昨年11月に文学フリマで購入したこちらの「鳩のおとむらい」は、全77作品すべてが鳩モチーフという、この本自体が鳩の群れみたいな圧を持つアンソロジーです。

私は鳥好きですが鳩好きというわけではなく、鳥好きなら鳩の群れもいけると思ったのですが、結構きついです。
他の鳥なら…例えばカラスとか猛禽とかシマエナガとかだったら、1冊丸ごといけると思いますが、鳩は…鳩ってなんなのでしょう。

頭から順に読んで

もっとみる