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コブ斜面 (140文字の小説)

「危ないよ」吹雪の中、果敢に飛び出すアキに声をかける。ほら、言わんこっちゃない。大きなコブに激突して転んだ。「戻りなよ」私の声は届かない。知ってる。それは風のせいじゃなくて、前方に天海先輩の背中があるから。アキは立ち上がってまた滑り始める。敵わない。小さくなる二人をただ見送った。


★「みんなのフォトギャラリー」を初めて利用してみます。写真を提供して下さったweartruth様、この機能を考えて下さった運営様、ありがとうございます。

★2月のハッシュタグ企画「#ウィンタースポーツ」を付けてみます。

★この小説は単品でも楽しめますが、昨年末に連載した「夏合宿」のスピンオフであることに気付いていただけると、より一層楽しめるのではないでしょうか。「夏合宿」最終回から1年半後の設定です。