トマト

夏合宿 #3 (シナリオ)

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合宿二日目の夜、6号室にて。ヒカリもヤヤもナッチもアキもパジャマ姿で部屋飲みをしている。

ヤヤ「では、明日の発表会の成功を祈って」
全員「カンパーイ」
ナッチ「私達、オープニングの花なんだって。どうする?」
アキ「アハハ、馬鹿だね、それって前座ってことだよ」
ヒカリ「次のバンドは何処だろ。気になるなぁ」
アキ「2年女子の、ユリさんがいるところらしい。ゼルダのコピー・バンド」

ナッチ「ユリさんって言えば、私、面白い話を聞いちゃったんだけど」
ヤヤ「なあに?」
ナッチ「あのね、天海先輩にホの字なんだって」
ヒカリ「エー」 ヤヤ「キャー」 アキ「ワーオ」
アキ「付き合ってるの?」
ナッチ「なのかな。ユリさんが天海先輩のお部屋に遊びに行ったりするらしいよ」
ヒカリ「遊びに行くからってできてるとは限らないでしょう」
アキ「ガハハ、ヒカリったら妬いてんの」
ヒカリ「ばか、そんなんじゃないよ」
ナッチ「そういえば、ヒカリちゃんは天海先輩に勧誘されてサークルに入ったんだよね」
ヤヤ「実はヒカリちゃんも好きなんじゃないの?素直になっちゃえば?」
ヒカリ「だからそんなんじゃないって」
アキ「でも仲はいいよね。6月のライブでは天海さんのバンドでコーラスしてたし、ヒカリがコンテスト出た時は天海さんも応援に来てたし」
ヒカリ「よく見てるねぇ、ただの飲んべぇかと思えば」
アキ「うっせー」

ヤヤ「そういえば、アキはどうしてこのサークルに入ったの?アキ、他大だったよね」
ナッチ「それ、私も聞きたかったんだぁ」
ヒカリ「私も聞きたい」
アキ「ちっ、つまんない話だけど、聞く?」
全員「聞くー」
アキ「好きな男を追いかけてきたんだよ」
全員「へ?」
ナッチ「誰?」
ヤヤ「もしかして…天海先輩?」
アキ「キャハハ、ここで『そう、私も』とか言ったら少女漫画だろ。違うよ。浅野さんだよ」
ナッチ「浅野さんって誰?」
ヤヤ「私も知らない」
アキ「忙しくてあんまりサークルには顔を出さないからね。今回も来てないよ」
ヒカリ「もしかして、モップでヘルプしてる人?」
アキ「あたり」

ヤヤ「何、それ。お掃除のオジサンとか?」
アキ「ヒー、受ける―。」
ヒカリ「モップは結構人気あるパンクバンドなのよ。そこでシンセの音を作ってるすごい人がいるって、天海先輩達が話してたの聞いたことがある。このサークルで一番出世してる人だって。へぇ、アキの彼氏なんだ」
アキ「彼氏じゃないよ。近所のお兄ちゃん。こっちはラブだけどね」
全員「ふうん」「ふうん」「ふうん」
アキ「何よ」
ナッチ「アキちゃんって、意外とかわいいとこあるんだなぁって思って」
ヤヤ「うん、かわいい」
ヒカリ「かわいい、かわいい」
アキ「ゲッ。気持ち悪ぃー」

(つづく)

★★★ ★★★ ★★★
いつまでも名無しだと可哀想なので、とりあえず仮のタイトルを付けました。後日変更するかもしれません。それから、このストーリーにはモデルがいますが、ノンフィクションではありません。

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