見出し画像

【ライブレポート】上坂すみれさんのライブツアー「SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説」千秋楽公演 ~我々同志は生涯「上坂すみれ」を忘れず旗のもとへ集うだろう~

 5月4日、上坂すみれ(すみぺ)さんのライブツアー「SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説」の千秋楽公演が昭和女子大学 人見記念講堂にて開催された。前回大阪公演からわずか3日、前日「声優と夜あそび」出演というハードスケジュールの中での公演となったが、すみぺはほぼ満員の会場の中持てるポテンシャルを最大限に発揮。ライブは最高潮の盛り上がりを見せ幕を閉じた。今回も前3会場と同様これぞ「上坂すみれ」と言ってよい原点回帰のサブカル的な音楽世界と直近の現代的な楽曲を織り交ぜた構成で、「アーティスト」として唯一無二の存在感を古くからの、そして新参の同志に見せつけてくれた。
 また強く印象が残った場面として、今回も大阪に続きすみぺの「毒」と「ひたむきな真面目さ」が両極端に現れるシーンがあった。所々で強烈なバンドメンバーや同志への弄りを行いつつも、アンコールのMCでは同志にむけた感謝の思いを吐露し涙する。特に「私を忘れないでほしい」という言葉は多くの同志の心を打ち発奮させたのか、最後の2曲はそれまで以上に旗とペンライトを振って応えており改めて同志とすみぺの絆を感じることができた。

 本記事では東京公演の内容をセットリストやMC、幕間などを含んだ形でレポートする。先の三公演(大阪公演未完成)はそれぞれのレポートを参照頂きたい。(©️きゃんでー(@candymisasa)

愛知公演レポート

千葉公演レポート

1.開演前の会場と同志たちの様子

 千秋楽の会場は「昭和女子大学 人見記念講堂」。昭和女子大学キャンパス内にある創立者の人見圓吉から名前を取った多目的ホールで、東京都内有数の優れた音響のホールとして知られる。場所は世田谷区太子堂で最寄り駅は三軒茶屋、すみぺが「三茶」と略すのが嫌いとかねてから公言している「おしゃれな」地域である。会場は女子大キャンパス内という事もあり、通門にもチケットが必要。当日は留学生向けワクチン接種なども同時に行われていたことということもあり、入り口前が結構騒がしい。一方で同志はいつも通り擬態しているので一部を除いてなかなかそれと判断がつきにくいのはいつもの光景である。さて、開場時間を過ぎるとホール入口前に多くの同志が集まって来る。筆者も同志のコミュニティの中で久々に会う方、初めて挨拶する方などが入り乱れてあっという間に時間は過ぎていく。さて、いつも通り検温、持ち物チェックを行い会場内に入ると、今回は収容人数も過去3公演の倍近くある上コロナによる間引きもほとんどなくなったことから活気に溢れており、非常に懐かしい光景が蘇る。会場入って右側がグッズの物販だが、本日も開場後も長い行列ができるほど好調で、前回に続き旗は売り切れ。FC(すみぺれんぽう)の同志は事前入手している方が多いはずなので、一般の方が相当数いると言うことだろう。また左手奥にはFC受付。すみぺがサインを書き込んで行ったれんぽうの旗は今回で完成。内容は写真を確認頂きたい。

FCコーナーの旗サイン。4会場分のサインが揃い多くの人が撮影に訪れていた。
グッズ物販周辺。かなり人が多い。旗は売切。
CDとVRの物販。一階左奥と少しわかりにくいところにあったためかこちらは結構空いていた

 ホール内は1Fの後方25列くらいまでがFC席、それより後方が一般席のようだ。今日は2階席もほぼ埋まっている。相変わらずFC会員は筆者含め真っ赤で非常に目立つ「いにしえのハチマキ」を皆が揃って装着しておりわかりやすい。一方ステージ側も今までと変わらずFC版「悪魔城ドラキュラ」のイメージが強い作りになっている。ステージの左右にはOP画面で出てくる城のオブジェ(ただし色はFC版等と異なり純白)が置かれ、中央には玉座に向かう階段に敷かれたレッドカーペット、バックスクリーンに窓のオブジェという構造になっている。前回と同じくレッドカーペットの階段上の奥には「鉄柵の門」がみえる。その周辺に左からキーボード、ギター、ベース、ドラムと前回と同じ配置で各楽器が並んでいるが、会場が大きいことから今までに比べてかなり余裕のある配置となっている。本日は配信用のカメラが入っている事もありその分スタッフの動きも慌ただしい。そして過去3回の公演で登場していた「お立ち台」は今回も上手、下手に設置されている。
 さて、今回もれんぽうねこくんことキングレコード諏訪Pの声で計3回の前説が入り、同志は拍手で迎える。いつもなら2回で終了だがすみぺの準備にやや時間がかかっている模様で、開演予定時間直前の16:59にその旨を伝える2回目の前説が「普通に」行われた。しばらく待機した後、17:04から3度目の登場。いつもより少しテンションが高いためかやや舌が回っていないものの、すみぺのイタズラによる被害は何をされたかよくわからない「いてっ」という声が一回だけと今までに比べるとかなりマシである(イタズラ一覧は下記参照)。「ありがとうございました!」で締めると同志は拍手で応える。

 17:09にステージ天井に並んだ8つの照明が青く光り、会場が暗くなる。バンドメンバーが配置位置につきしばらく経つと、ステージ中心の赤いライトも点灯する。そして今回もハイヒールの足音らしき「カッカッ」と言う音が響き渡り、同志たちは赤いサイリウムを点灯し始める。そして「ギィィ…」と扉が開く音が流れ「いよいよ「超・革命伝説」千秋楽公演の開幕である。

2.楽曲&MC、幕間

01.「予感」

 千葉OPは「予感 Extra Stage」、愛知は「予感03」、大阪は「予感02」とアルバム逆順のカウントダウンで変わってきたオープニング曲。ラストはもちろん原点となるファーストアルバム「革命的ブロードウェイ主義者同盟」一曲目のオープニングテーマである。今回もサンプリング部分以外はバンド演奏で、原曲よりかなりキレがいい。照明は前3公演と少し変わり、赤とピンクの光が入り乱れる。バンドメンバーも今回は白ではなく赤いスポットライトが照らし、所々に明確な影を作る白いフラッシュ光が入る。そして赤いスポットライトが舞いギターソロへ。ユウタマンさんの奏でるディストーションの音色は今日も素晴らしい。演奏終了時には今までの公演と同様の青い照明に。拍手が起こりいよいよ階段上の暗闇からすみぺが登場し位置に着く。同志たちはじっと1曲目に集中する。

02.「七つの海よりキミの海」

 今までと同じく風が吹く音が流れた後、同志には聞き慣れたベースのリズムが鳴り始める。1曲目は今までと同じくデビューシングルであり、ラスト曲やアンコールでお馴染み「七つの海よりキミの海」である。すみぺはステージの階段上方から低い声で「よく来たな…。私が上坂すみれだよぅ!この私を倒せるものなら倒してみろや!」と悪魔城のボスっぽい口上を述べてから歌唱に入る。イントロが異様に長いことで有名な曲だが、今日も口上にあわせた形で少し短め。照明は最初のパートは青回転、「むろみー」の部分でフラッシュ、サビの歌唱は青、所々にフラッシュを織り交ぜた形。更に模様付きのスポットライトが会場中を駆け回り、今までと比較してもかなり複雑かつ豪華な構成となっている。
 最初の衣装は今までとほぼ同じ格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズの登場キャラクター「モリガン・アーンスランド」をモチーフとしたと思われるヴァンパイア的衣装(下記インスタ参照)。もちろん佐野さんのデザインなのでサキュバスっぽさと言うよりも毛深さしかない。またステージは曲のイメージに合わせて青色メインの照明で照らされていてヴァンパイヤなのに爽やかさを感じる。また靴は黒いハイヒールで、右足だけガーターベルト。佐野さんのこだわりである。
 この曲は「コール&レスポンス」が見どころの一つであるが、今回のツアーでは同志が本来コールする部分を録音で再現し、同志がそれに合わせてサイリウムを振る光景も慣れてきた感じがある。すみぺはガンガン腕を突き上げて更に強く振るよう同志を煽り、同志はこれに応えようと力の限りサイリウムを振り回す。激しく盛り上がって一曲目が終了。

03.我が旗の元へ集いたまえ

 2曲目も今までと同じくこの旗曲である。もはや慣れてきた感じもあるがイントロのユウタマンさんらしいオーバードライブの音色が心地よい。前回と同じくステージ上方から「革ブロ旗」が降りてきたことから同志の多くは片手を旗に持ち替える。ステージ上の照明は赤→青→白フラッシュ(サビ)と変化していくのと同時にこちらも映像対応か、全消灯⇄昼白色の組み合わせがしばしば差し入れられる。サビ部分では背景が変化し、更にホール内をマーブル状のスポットライトが飛び回る。ラスサビは昼白色の照明。これまでの3公演で使って来なかった色なので印象がかなり変わって見える。すみぺは安定した音程でラストは色めかしく曲を締める。

04.「げんし、女子は、たいようだった。」

 旗は上に格納され、続いて聞き馴染みのあるストリングスのイントロが流れすみぺにスポットライトが当たる。続いても今までと同じセットリスト、「PC2021」のオーラス曲である。曲の進行と共に照明は青メインに。すみぺは下手側へ移動しサビへ。かなり楽しそうに動いているように感じる。この曲お馴染みのコールは録音とサイリウムで再現され、すみぺは間奏で下手から中央→上手に動いていく。すみぺはとにかく笑顔。この曲は余裕があるのか一Qさんもかなりの笑顔でドラムを叩いている。間奏のギターソロで再度すみぺは中央に移動。両手を振り観客のサイリウム振りに応える。大サビの照明はすみぺにいつもより多数のスポットライトが集中。最後は腕をぐるぐる回してドラムロール&ジャンプで元気よくこの曲を締めくくった。

MC ①

「は~~~~~い!」とすみぺが手をブンブン振りながらいつもの口調でトークに入る。そして「きちゃったぞいぞいぞいぞいぞいぞいぞいぞいぞい、SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説!ツアーファイナル、東京です!」と挨拶。続いて「まじ〜あれ?混んでる混んでるなあ?今日は一杯入っているのでクソ狭、苛立ちですねー。トラブってその隣の奴は忘れねえって観察して帰ってシャンプーしながら『あいつ許さない』ような…、でもここ(の現場は)そんな人は少ないんですよね」と、同志を褒めつつ「今までハーフキャパとか間引きが多かったから…え?感想?語彙力なし。終わり!」とツンデレながら人が増えたことを喜ぶ。続いて今回お馴染みレギュレーションへのツッコミ「声出し、迷惑NG、跳躍OK、反応『超』OK!」と言いつつプロンプターを見て「『笑って』って書いてますね。」とネタばらし。同志が反応して笑うと「そこはもっと笑えよー!今から声出して笑えよー!(関西弁風)」とさらに笑いを誘いここまでくらいなら大丈夫ということを知らせてくれる。そして「作り笑いでも人体にはいい影響を及ぼすらしいよ。子供の時はよく笑っても大人になると平均どれくらい笑ってるか知ってますか?5秒あげます!」と問題を出してくる。ドラムの一ノ瀬久(一Qさん)さんがシンバルで5秒を刻んでから答え発表。「ティーン!3回、絶望的…」と言うことでもっと笑って楽しんで欲しいようだ。さて、ここで着ているモリガン調の肩衣装の腕の部分を触りながら肩を見せるべく「どこまで下げられるかな?私の肩を見て~。」とちょっとお色気な発言。さらに「ちょっとたかはし智秋さんの影響が出てる。」と言いながらVRカメラに「私の右肩、見てる?」などとお色気煽りをしていると、さすがにプロンプターへ諏訪さん(or佐野さん)の叫びの言葉「やめろ!」が表示された模様。そして今日のVRとビデオ収録の話を少しを挟み、巨大なカメラに「これ家庭用じゃないよね?」と弄ったりしていく。そうこうしてると時間が押したのか、「と言うことで最後まで盛り上がっていくぞーい!」と締めに入る。そして「じゃ、いっちゃうぞ。盛り上がりそうな曲を選んでおります!」と言い、側のドリンクを飲む。もちろん中身はお茶だが「この特製ハイボールが…」と言うと観客は爆笑。対して「笑えよって言ったらみんな笑うんかーい!可哀想な社会人…!」と突っ込みつつ次の曲へ。「次は『EASY LOVE』です!」

05.「EASY LOVE」

 続いては今までのセトリと同じく前回「PC2021」の一曲目、アップテンポなロックのイメージが強いこの曲。MCからの流れですみぺはかなり楽しそう。今回のツアーではこの曲以降全体的に照明はピンクがメインになるのだが、こちらもやはり映像化の関係か昼白色が差し込まれているが、基本はピンクから赤と緑の交差、そして白フラッシュ、ラストはピンクと言う流れである。サビの「EASY LOVE!」繰り返しはフレーズごとにピンクと白の照明が入れ替わるかなり凝った仕様で、サイリウムによるコール&レスポンスと合わせて光の乱舞が美しい。

06.「閻魔大王に訊いてごらん」

 ここは会場ごとの入れ替え曲。NFDの時と同じく山下洋輔さんアレンジの美しいシンセピアノのソロから始まるのはお馴染み「鬼灯の冷徹」テーマ。白色のスポットライトが上方中央からすみぺを照らし、バックの照明は赤メインで激しく点滅する。間奏ではユウタマンさんのギターソロ、HIROさんのベース捌き、共にかなり体をのけぞらせて激しい演奏。そしてサビはスポットライトも含めて全て真っ赤。赤いロックの世界はまさにこの曲にぴったりである。今回は一回だけだが、すみぺの歌唱は非常に安定しており他の曲と同様大きな成長を感じさせられる。

07.「パララックス・ビュー」

 ご存知すみぺ曲で最高難度と名高い大槻ケンヂ作品。過去三公演から引き続きセットリスト入りである。この曲一番の見どころはドラム。お馴染み一Qさんによる超人的な演奏。今回はそのリズムに照明の点滅がシンクロしている。この曲はとにかく照明が忙しく、白系の全体照明からすみぺだけを赤くスポットライトで照らすように変化していった。もはや貫禄のすみぺ 、リズム、声量は十分。続くラップ部分では照明がデジタル的にON-OFFを繰り返すような演出。続くユウタマンさんのギターソロは今回グリッサンドを追加してきており、よりダイナミックなイメージとなっている。 曲が終わると階段上からすみぺが退場。舞台は暗転、スクリーンが降りてきて幕間が始まる。

幕間映像①

 ここの内容は各公演同じ。今回の幕間は、まるで声優さんが朗読劇をやっているようなシーンからスタートする。映っているのは丸メガネをかけたすみぺ。ロウソクの火に照らされながら「昔々、おじいさんが…」という朗読劇が始まった。…と思いきや案の定とある活動の結果「懲役300年になった」とか「体の自由を奪われた」と言うおかしな内容になっていく。荒れ狂う景色の中、おじいさんは「自由を奪われようとも意志の火は消えることは無い」と言い残し目を瞑る。
 その意味不明な話のまま桃缶が出てきてスクリーンには「全日本革命物語桃レボリューション2022」と言う謎のタイトルが現れる。
 場面は切り替わり2022年。なんの説明もなくすみぺ演じるちょっと変な子「ももぺ」ちゃんが現れる。早速PCで調べ物をしているようだが「こう言う活動をすると捕まって、ここまでならまあギリギリグレー」「内ゲバって怖いなー」など全く発言が穏当ではない。いったい何を調べているのか。そしてジュースを飲むももぺちゃん。そんな時よく意味がわからないメール(注:縦読み「かくめいおこせ」と読める)が届く。「(゚Д゚)ハァ?」と顔文字のような表情をするももぺちゃんだが、「今すぐアクセス」の文字を釣られるようにクリックして異世界らしきところに飛ばされる。そして何やら鬼ヶ島のようなイラストの「護国寺アイランド」が現れる。
 ももぺちゃんが目覚めたのはこの護国寺アイランド「三嶋章夫(注:KAC本部長)」さんの机の上。訳のわからないももぺちゃんの前に鬼のツノを髪がヘッドこと水樹奈々さん(奈々様)がいきなり登場し、会場は大拍手。「ももぺちゃん、依頼を受けてくれてありがとう」と話しかけてくる。「ここは何ですか?」と聞くと「ここは護国寺アイランド。鬼みたいに働く人が集まる場所よ。いつもグータラなももぺちゃんに喝を入れてあげる」との事でやたら押しが強く、畳みかけるように「そんなももぺちゃんに挑戦して欲しいのは『ヘッドに挑め!』~」。これで革命魂を埋め込むとのことでそのまま冒険に出させようとする奈々様。慄いていったん階段に出たももぺちゃんは小さな犬のおもちゃを見つける。その犬は「助けてください。もうだめだワン」「積極的に女の子が来てくれるタイプのピンクい歌が聴きたい」と言ってくる。一大決心したももぺちゃんは「やってみる。エボリューショーン!」と叫び…(次の曲へ) 

08.「ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡」

 幕間映像は何のことやらだったが、最後のやりとりからこの曲が次に来るのは容易に想像がつくはず。階段上から登場したすみぺの衣装は今回も白を基調としたこの曲にぴったりのものにお着替え(下記インスタ参照)。歌はより艶っぽく、振り付けはオリジナルよりも多少穏やかな感じに変化。照明はもちろんピンク基調だが、こちらも映像対応のためかかなり白黒のコントラストが強い。また背景スクリーンの映像は雲に戻っている。間奏ですみぺは階段上から手を振りながら降りてきてラストのサビへと移っていく。なおこの衣装、真っ白で反射する素材を使っていてスポットライトの色がそのまま映るため、ピンクのスポットライトの場合は全体がピンクに、白色だと純白に、とイメージが照明だけで大きく変わる非常に魅力的なものである。

09.「眠れない魔物」

 ここの曲も入れ替えである。80年代のDX7やJUNOのシンセサウンドのイメージと、80年代アイドルの海で遊ぶようなイメージが強いこの曲。ラテン調のこの曲でのライティングは、海を意識させる「青色」と「赤色」が交互に入れ替わり、砂を意識させる「黄色」が所々で差し込まれていて、他の曲との印象差がよりはっきりしていた。後半は緑やピンクの光も差し込まれる。ダンスも前回PC2021で披露したものと同じくラテン系。ちなみにこの曲はイントロや間奏でハンドクラップが差し込まれることになっているのだが、同志はよく覚えていて今回もうまく対応していた。

10.恋する図形 (cubic futurismo)

 こちらは前回と同じセットリスト。すみぺのMVが非常に毛深い事でお馴染みTECHNOBOYS作品のテクノポップ。こちらも照明はピンクメインで、衣装自体がピンク色に様変わりしている。一Qさんのドラムは過去3公演と同じくシンセドラムにうまく合わせる驚きのテクニック。この曲ではスポットライトの色が赤や緑色に変わり、それがすみぺの白い服に反射し様々な表情を見せるのが毛深く、そして美しい。また、バンドメンバーが青スポットライトなのが印象的である。

MC ②

 手を振って「はいはいはいはいはーい!」とMC再開。「あー、あー、あああ、具合が良すぎてどうしよう?ありがとうございます」と盛り上げてくれた同志に感謝。…するのだが「私、声出すなって言われてるのに語り掛けるけど無視して!右の耳から左の耳に話貫通させて!」とこれに反応しようとする同志を弄ってくる。続いて「2着目になりました!」と着替えを紹介。これに対し前方の同志がサイリウムを回して「回って~」と言うアクションを取ると「じゃ、私は回るね。くるっと!」と言いつつ「なにが見たいの!今日は重武装のカボチャパンツ履いてるから見えないよ」と釘をさす。続いて「VRで見えるかな~と思ったら急に暗黒の画面んに」と言いながら撮影カメラに向け「このキャメラでVR配信するみたいですね。そして私が何か大暴れしたらこのカメラで撮ってくれているわけです…蹴っていい?あ、嫌。」とこちらも弄る。
 続いてはバンドメンバー弄り。今回のライブのチーム名は「護国寺労働組合の皆さん」。客席がすみぺと同じように「回って」の仕草をするとすみぺが「回って~!」と煽る。あまり支障がないユウタマンさんとHIROさんは回ってくれるが他の二人は流石に厳しい。まずは一Qさん弄り。「回れます?あ、固定されてて無理か」に会場は笑い。続いてキーボードの山下洋介さんに振ると、複数のシンセ、PCと配線に囲まれた中ながら回ってくれる。「配線あるのに動きを要求しやがって…、って感じですみません」と流石にすみぺも謝る。
 続いてはこの公演の意外な見どころ「お立ち台」について。このお立ち台はあくまで単なる踏み台なのだが、下にスポットライトが設置されていて光るようだ(これも映像用の効果と思われる)。毎回おかしな名前をつけてきたわけだが、今回はデジタル的に発光するお立ち台の様子から上手を「デジタル」と即座に命名。一方下手側は、「大泉洋」と言い出し会場は爆笑。実はすみぺ発言時常に諏訪さんが下手袖で「事故防止」のため待機しているのだが即座に❌印を出すとともにプロンプターに「絶対ダメ!」と表示(筆者注:当たり前)。じゃあ、「夏野菜スペシャル」で、とどうしても「水曜どうでしょう」関係のネタで行きたいようだ。こちらはOKとのこと。曰く、「久しぶりに前日の『声優と夜あそび』で刃物を持ったんですけど、なんか既視感あるなと思ったら大泉シェフだった。」とのこと。確かにどうでしょうでもかなり有名なダメ料理ネタだが、筆者含め同志の多くはそこよりもNFDの「チチキトク スグカエレ」でキャベツを叩き切るところのほうが思い浮かんだのではないだろうか…。話はどうでしょうネタが続き「藩士(水曜どうでしょうファン)の人~?」と問うが、意外にパラパラとしか手が上がらない。「おもしろいのに…」とかなり残念そうなすみぺ。少し衣装の話に戻り「この衣装はいい。平成的で」と言いながら幕間映像の感想へ。「幕間には水樹奈々さんに出ていただいた。(KAC一番の方に出ていただいた事から)だからもう今後は打ち切りですね。」とジョークで続ける。するとプロンプターに「三嶋さんへのお礼も言いなさい」と指示が出る。これに「私はキングレコードが大大大大好きでーす。キングレコードはホワイトな時間に退社する事ができ、社内は明るく立地も良い、給料も高い、レコード会社で最も優れているとてもとても素晴らしい会社です(若干棒読み)」と返し、更には三嶋さんのモノマネへ。「ほな次いくで~。」「三嶋さんって何弁だっけ?社員の皆さんは真似する時『お願いするで~』ってよくやってますよね。」と暴露。諏訪さんは舞台袖で❌印を出しながら「お願いだからどうかやめてください。映像で使えない」とプロンプターに表示。すみぺは「ウケる〜」と楽しげ。
 そして時間がまた押したのか次の曲の話へ。「ここからは綺麗に。次の曲は白いライトを点灯するのです…」と何となく先輩の明坂聡美さんや洲崎西の二人の悪い影響と思われる「綺麗きたない転換芸」を始める。慌ててライトを切り替えるも白色にならない同志には「白は押してればいつか点くから」とアドバイス。「この清らかな、映像に載せられるやつで行かなきゃ…でも『清らか』とは?」と言い泣き真似してみるがポツリと「これも違うな」と漏らして会場は笑い。「では次行きましょう。次の曲は『ドロップス』。」

11.「ドロップス」

 サイリウム色指定が唯一「」のすみぺ作詞&バンドマスターの山下洋介さん作曲の「すみぺライブにピッタリ」な曲。こちらも前回と同じセットリストである。すみぺのライブとしては非常に珍しくサイリウムで「白一色」に会場が染まる。照明自体も今までと趣が変わりランプとロウソクが灯された宮殿のようなイメージとなる。暖かい系統のスポットライトに照らされたすみぺは非常に毛深い。また山下さんのソロシンセピアノが流れるように美しいのも合わさって幻想的な雰囲気が強い。この曲は東京公演でも今までと照明が同じで、雰囲気を大切にしたい気持ちを強く感じる。

12.「ノーフューチャーバカンス」

 ゆるい雰囲気のまま次もセットリストは変わらずこの曲へ。同名のアルバムのリード曲でありNFDのテーマでもあるこの曲は発売当時「2018年の新譜として音も言葉も素晴らしい一曲」と評価されており、人気も高い。照明は前の3公演と異なり青基調(前公演はピンク基調)、かつ回るスポットライトが多くなっている。そして間奏を挟んで下手側から上手側の順で「お立ち台」に立つ。振り付けはかなり緩やか。この曲ではHIROさんはベースではなくキーボードを兼任で担当している(パートがベースなのか別なのかは不明)。ギターソロの場面では赤から青に照明が変化していく。ユウタマンさんのオーバードライブギターはここでも心地よい音色。サビではすみぺを白いスポットライトが一斉に照らす。ラストは青から白に照明が変化して終了。

13.「哀愁Fakeハネムーン」

 「ノーフューチャーバカンス」ののんびりした雰囲気から一変、前回のセトリと同じく1stアルバムでも人気の高いこの曲がここで登場。照明はまたしても過去三公演とは異なり黄色からスタート。赤→ピンク→赤と目まぐるしく変化する。さらに差し色でオレンジ光が入ってくる。赤バンドメンバーは基本的にピンクのスポットライトで照らされている。一方ですみぺを照らすスポットライトは黄色または白で、ピンクは一瞬のみ。この中で階段状を登り降りするすみぺの姿は実に美しい。ギターはゆるい雰囲気から一気にキツいディストーションの効いたサウンドに変わるが、やはりこの激しいコントラストを演奏し分けているユウタマンさんは凄い。ギターソロではユウタマンさんだけに白いスポットが当たりこの曲の主役となる。ラストはすみぺが階段を登っていき一旦退場。幕間に移る。

幕間映像②

 さて、またしてもまるで声優さん(丸メガネすみぺ)が朗読劇をやっているようなシーンに戻る。語りはももぺちゃんの話の続き。配信サイト「モモモモ生放送」で「新しい番組(モザイクがかかったおまねる)、ライブ(モザイクがかかったNFDのよっぱらっぴ練り歩き)などこなしてきたももぺちゃん。しかし彼女の本質はダメ人間、きのこ人間なのです。」と語った所で場面は転換。
 ここで「ももぺ」ちゃんが再度現れる。今回はアニメーションスタジオに来ているようだ。ここで出会ったのはまたしても「ヘッドの奈々様」。奈々様は「ももぺちゃんに『かかってこーい』と言っているのに一向に挑戦してくる様子が見られない。」「私がヘッドなの!」と不満を漏らし、「こうなったら勝負よ!」と迫る。迫られたももぺちゃんは「ヘッドにかかってこーい!」と言う安直なコーナーを始める。出てきたタイトルは今までの雑談ではなく「筋トレリベンジ」。もちろん「ヤバい〇〇」の数々の行いを知っている同志からは爆笑が起こる。
 さて、場面はどこかで見たようなフィットネスクラブへ。右側に奈々様、左側にももぺちゃん(ここからは実質すみぺ)が立つ形。すみぺ曰く「いつまでも弱き上坂さんだと思うなよ!ヤバい〇〇では全く歯が立たなかったきしめんゴールドと再戦だ!」と威勢がいいが。ペチペチ腕を叩くすみぺに奈々様は「柔らかそうだなー」と心配げ。
 と言うことで「きしめんゴールドリベンジ」の始まりである。すみぺは「今の私ならきっとできる。」とのことで同志も多少は期待する…。もすみぺが苦渋に満ちた表情できしめんゴールドを引っ張る中、奈々様は軽々と連続でこなし続けすみぺは早速折れてしまう。とは言え2017年当時の即死状態とは違い、パワーがついてきたことを実感させれられる。「新品なんで…」とか言い訳しつつもこれでは勝負にならないので両足できしめんゴールドを踏んで伸ばす形に変更。それでも10回くらいでバテるすみぺとニコニコしながら続ける奈々様。奈々様は「ゆっくりやる?」とペースを下げるが、「ゆっくりやってもキツイのは同じ」と真っ当に答えるすみぺ。そして再勝負のゴングが鳴る。しかし案の定笑顔の奈々様に必死な形相のすみぺ。それでもやり切った事から奈々様からは「もう私が教えることはない。」とのお言葉。対して「これからはこれ(きしめんゴールド)を水樹さんと思って」と返すと「チーン」と言う効果音。奈々様が「まだ死んでない!」とツッコみ舞台は朗読場面に転換。「ヘッド様はそれはそれは徳の高いお方だった…」と締め。これにて幕間映像(東京版)は終了。最後まですみぺらしい非常に癖のある内容だった。

14.「生活こんきゅーダメディネロ」

 幕間から続くのは前回と同じくテンポ200以上のヒャダインソング。衣装はパンフレットの写真に近い色合いのものにお着替え(下記インスタ参照)し、壇上から登場。何度聴いても途轍もないテンポの曲であるが、素晴らしいリズム感で難なくこなしていく。照明は青を基調に白と切り替わるような形から「ダメダメダメ…」の部分ではピンクと赤の点滅ととにかく忙しい、と同時にバンドメンバーはハンドクラップで同志を煽る。ギターソロ中にすみぺは笑顔で壇上から降りてくる。凶悪なリズムのバスドラムも一Qさんは見事な捌き。ちなみにHIROさんはここでもキーボード演奏。背景の照明がグルグル回るのが非常に印象的である。

15.「ものどもの宴」

 続いてこちらも前回と同じくおまねる主題歌。この曲はPC2021の際にすみぺから「好きなサイリウムで」と言う要望が出ており、すみぺのライブでは非常に珍しい様々な色のサイリウムが光る。そしてこの曲はすみぺが同志のサイリウム振りを煽るべく腕をガンガン振るので、それに合わせてどんどん同志も盛り上がっていく。照明もこの曲はさまざまな色が入り乱れており、所々に白フラッシュが入ってすみぺが浮かび上がる。流石に曲の終わり頃には同志もすみぺもかなりヘトヘトである。

MC③

 すみぺは「はーははーい!ちゅかれた~。」としゃがみ込む。同志に向けて「全然余裕で立っていられるとは…やるな?私は…もうダメだ。元気ですか!?」と問うと元気な反応が返ってくる。対して「『ダメディネロ』と『ものども』というあまりよくない食い合わせでお送りしました。」と言い笑いを取る。続いてプロンプターには「舞台の話をよろしく」と出たらしく「私舞台やるんですよ~!ゲゲゲの鬼太郎のネコ娘をやらせていただきますぅ〜」と同志に振ると大拍手。続けて「私は猫に縁がある。メロウ神のおかげかな。(キュア)コスモも長瀞さんも猫関係だしね。とにかくアウェイ、アウェイだからよかったら見にきてくださーい!」とお願いをする。
 さてプロンプターには「れんぽうねこも猫ですよね」と出た模様。対して「れんぽうネコでも縁が?まああいつはモブだから。でもあいつは凄い。作ったモストプランニング(注:ボイスキットの親会社、キングの関連会社)さんも凄い。但し視界が口のところにしかないから色々なところにぶつかるんですよ。」と褒めとdisを同時に入れていく。さらに「れんぽうねこよりネコ娘の話をしようよ~。」と話題を変えようとするがすかさず諏訪さんがプロンプターに「発注はキング」と表示。「あ、お疲れ」と適当に返すがこの発注が気になったのか同志に「私書いた事ないけど発注書書いたことある人?」と問うと大量の同志から手が上がる。流石に多さにびっくりして「これを超えるものはあるのか…?」と比べたくなったのか「東京の人?」と聞いてみるがあまり手は上がらず思わず「くそー!」と叫ぶ(筆者注:同志のサラリーマンの多さがわかりますね)。続けて「みんなへの感謝の気持ちは大阪に置いてきた。私は心ない天使。FFで無茶苦茶強いパーティでもHPが1にされるやつがありましたよね?」と言うが、プロンプターはそこを逃さず「感謝を伝えて」と表示する。しかしすみぺは「まーまーまーまー、そこは置いといて。まだ飲み会の中盤ですよ。中盤で真面目な話を話すほどつまらん人間はおらん。」とおっさんのような発言。続けて「私は感謝の気持ちを伝えたら臓器がキュンキュンキューンとなる。今日のノルマを全部こなした後、感謝伝えてもいいんだからね!」と言うまさに「ツンデレの教科書」のような発言。
さて次の曲の紹介へ。事前に「振り練習」が紹介されていた曲なので前回の「PC2021」と同じく全員で練習を再度行う(下記ツイート参照)。いつものことではあるが一回できっちり合わせてくる同志にすみぺは驚きつつ、数回の練習。リズムをうまく合わせる同志に自分は下手だと言いながら、「どんちき♪└(^ω^ )┐♫┌( ^ω^)┘どんちき♪どんちき♪└(^ω^ )┐♫┌( ^ω^)┘どんちき♪、あ”、へごっ”て”ぎま”じだ~」と、「てさぐれ!部活もの!」でお馴染みへご(大橋彩香さん)まねを久々に披露。筆者などてさぐれファンは大爆笑。そうこうしているうちに曲へ。

16.「夜勤の戦士のテーマ」

 さてこの曲の振り、動画を見ただけでは「結構難しいな」と思うだろうが意外にできるのでご安心を。ユーロビートなこの曲はもともと動きが激しく盛り上がるのだが、会場の振りの一体感が素晴らしく、赤のサイリウムが振られ→回され→動き→流れる動きが非常に美しい。すみぺは「カンペキー!」と同志を褒める。今回は間奏の間にすみぺ主導で手拍子が入る(過去はバンドメンバーのみが主導)。ちなみに照明は水色→青色メインと前の三会場のとほとんど同じ。サイリウムの赤との対比がなかなか見ものである。この曲でもHIROさんはキーボード演奏。本当に多才である。

17.「踊れ!きゅーきょく哲学」

 続いても前回と同じセトリ。NFDトップナンバーの人気曲ながら、前回は「ネオ東京唱歌」準備曲の扱いでインストのみとなってしまったこの曲。この曲でもすみぺは下手→中央→上手の順でお立ち台を活用して立ち回る。「ウー!ハー!」に合わせてサイリウムを振るのが非常に心地よい。照明はこれまたNFDを意識してか赤と青がメインなのだが、オレンジが差し込まれたり、各色の乱舞があったり、後半の「ウー!ハー!」の部分だけピンクだったりととにかく忙しい。サビはとにかく光の回転が物凄い。映像効果を狙っているのだろうが、配信る。是非ディレイ配信で確認して欲しい。

【メンバー紹介】

 「さあさあ、SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説もそろそろ終盤に近いところになりましたが、ここでバンド紹介でーす。」と恒例のバンド紹介を始める。前回大阪で爆弾発言を繰り返したこともあって、その発言に注目が集まるのだが…。

ドラム:一ノ瀬久(一Q)さん
 すみぺのライブではおなじみのちょいエロな「スーパードラマー」である。その実力は素晴らしいのだがちょいちょいすみぺにはイジられてしまう傾向あり。そんな一Qさんへのすみぺからの質問は、「VRでしたいことはなんですか?」と言うまたしても「にししのらじじ」級の爆弾質問。とは言え意味深に考えなければ良いのだが、一Qさんは前回の影響もあって見事にこの罠にかかり「家庭がありますからエッチなものを見たりとかは…」と落とし穴に落ちる。対してすみぺは「え?海岸歩くとかそう言うのでいいんですよ」と裏切りの返し。会場は大爆笑。

ベース:山田裕之(HIRO)さん
 HIROさんもお馴染みすみぺチーム一員。なんだかんだですみぺの変化球コメントをうまくまとめてくれていて、前回大阪のように本人が崩れると全体が崩壊するなくてはならない存在。今回は緩めにすみぺからは「どうしたら喧嘩に勝てますか?」と言う質問。HIROさんは「どんな方でしょう」と返すとすみぺは「この辺に筋肉がついていて…(奈々様かな?)」と説明していくと、「わかりました。投げキッスです」と返す。一Qさんの見事なまでの罠引っ掛かりに対してこれはさすがとしか言いようがない。

ギター:渡辺裕太(ユウタマン)さん
 前回からすみぺチームに合流した本当に素晴らしいギタリスト…なのだがすみぺとの会話が基本的に成立していないのがとても面白いハイテンションボーイ。すみぺは「こんばんは」とまともな挨拶から始めるのだが、いつも通り高い声で「コンバンワ!」と返し会場からは笑いが起こる。怪訝な顔をしながらすみぺは「どんなサプリメント飲んでますか?」とまるで怪しいサプリメントを飲んだからこうなったのかと言わんばかりの酷い質問。対して「サプリは…オンガクだ!」と叫ぶがすみぺは納得しておらずもう一度問う。すると「ウエサカサンのCDだ!」とびっくり同志発言。「どゆこと?」とすみぺが返し、会場は大拍手。「くそー!絶対なんかやってる」と悔しそうなすみぺ。またも大爆笑。

キーボード&バンドマスター:山下洋介(YOSUKE)さん
 すみぺのライブではおなじみ、筆者も尊敬する演奏も作曲も天才的、名曲がとても多いスーパーマンである。ただすみぺに対する扱いは慣れたもので適当。すみぺの質問を聞く前に「全員質問が違う感じは初めてじゃないですか?」と先制。すみぺは「前回までは面倒でしたから…」と返す。まるで大喜利である。さて質問は「最近あった嬉しいことを教えてください」と言うもの。ここで山下さん、不意を突かれたのかコンタクトが外れるトラブルがあったものの、ここは答えは一つしかない。「息子が生まれましたー!(下記参照)」と、改めて発表する。同志もメンバーも一斉に大拍手。祝福ムードが流れ先週の酷さは何処へやらである。(一Qさん除く)

Vocal:上坂すみれさん(すみぺ)
 「そしてボーカルは上坂すみれでーす。よろしくぅ!」と挨拶。すみぺへの質問はいつも通りHIROさんから。「久々のツアーの感想を575で伝えてください」と言う今度は完全にすみぺが受けに回らざるを得ない質問。対してすみぺは「やっぱりね 同志に会わなきゃ 意味がない」と最高の返し。思わず会場全員が拍手。 「そんな自意識過剰な川柳でしたー。みんな楽しんでますか?こんな感じでお送りしておりまーす。では最後はこれ。『革命的ブロードウェイ主義者同盟』!と叫ぶと一Qさんがドラムロールを始め、再度会場は暗くなる。

18.「革命的ブロードウェイ主義者同盟」

 アンコール前ラストもセトリは同じ、同志たちにとって全ての基本であるこの曲。同志たちは片手を旗に持ち替え赤いサイリウムと合わせて必死に振る。照明は慣れた赤ではなく昼光色から。サビはフラッシュと青い光の組み合わせ。今回もハイライトは口上部分。照明は赤に変わりスポットライトが回転する。階段上に上がったすみぺは用意された革ブロデザインのテーブルから「メガホン」を手に取り叫び始める。まさに初期を彷彿とさせる演出に会場は更に盛り上がる。フィナーレが近くなると革ブロ旗に丸いスポットライトが当たりマークが見事に浮かび上がる。そしてラスト「ウラー!」の叫びと共に一気に白系のライトで全体が明るくなりフィナーレ。そしてすみぺは退場。旗は再度上昇しEDが始まる。

エンディング 「last sparkle」

 再度スクリーンが下がってきてエンディング映像開始。今回は結構シンプルなスタッフロールがメインでライブ練習やメガホンで遊ぶシーン、爆笑シーン等を切り取った映像になっている。最後にすみぺから「ツアーファイナルでございます。4都市回ってきたんですけど初めて来たよって人も何回も来たよって人もいろいろ盛り上がってくれれば楽しいと思います。お水とか飲んでまだまだ盛り上がっていきましょう!イエィ!」とコメントがあり、そのままアンコールへ進む。

en1.「真・革命伝説」

 アンコール一曲目は今までと同じくライブツアー名称の元となったこの曲。もちろん衣装はアンコール用のものにお着替え。最初は階段上からの歌唱でもちろんCDを超える素晴らしい歌唱。口上部分は昼光色のスポットライトが当たり、今回も非常に「カッコ良い」。大阪ほど多くはないものの今までと同じくサビでは花吹雪が舞い、照明はピンクを基調に青→白→ピンクと目まぐるしく変わっていく。こちらも映像対応のためか昼光色のフラッシュが所々に差し込まれる。その美しさはおそらく実際に見るとより強く感じるであろう。何というか、古き良き「歌手」である。なお衣装は以下のツイートやインスタの通り。ユウタマンさんはアコギに持ち替え特徴的なギターの調べを奏でていく。

MC④(告知、独白)

 階段上から降りてきて「はいはーい!いいディナーショーだったねー!」とMCが始まる。「いつもより(紙吹雪が)多く舞ったねー(注:と言いつつ大阪と比べるとはるかに少ない。大阪はほとんど豪雪)」と言い自分に着いた紙吹雪を落とす。あまり良くないところにも入ったのか、一度後ろを向いて取ったりし、「もうありませんでした!」と言うと会場は大きな拍手。「ここで危険なものを隠していると空港通れないからね~」と少しブラックな発言をしつつ「アンコールってことはもう終わってしまう。ありがとうございました」と締めるふりをして告知へ。まずはディレイ配信について発表。「チョキチョキして適切なものにすると言うことですね。円盤になる前に」とのことだがここまでの発言の数々、結構使えないところが多いのでは?と思ったりもする。「是非とも親族に見せてください。」と言いつつも「あんた大丈夫?こんな集会に行って」「いや、もぎ取られてるかもしれないけど、それが私の喜び!」と、親子の茶番を始めて笑いをとる。内容の詳細はTwitterを、との事で以下確認いただきたい。

そして告知はもう一個あるようだ。「私のプロデュースした米が発売…」と言うが、そうではないようで、「スクリーンが降りてきます」と続けるとすでにそこにはスクリーンが。「スクリーンが刺客ならこれは死んでた」と、すみぺらしい感想が漏れる。
 さて発表は「5th Album 2022年秋発売!」である。ただ少し文句があるらしく座り込む。「ツアーの時に『この曲は…』と聞いてくるもんだから頭が爆発しそうになった。もちろんツアーではしゃべれないから菊池桃子みたいな気持ちになった」らしい。ここからは少しセンチメンタルに。「『NEO PROPAGANDA』が出たのが2020年1月。そうしたらDistinyが書き換えられてツアーができなくなっちゃった。だから私は期待しているのだ!アルバムを提げたツアーを!」と言うが、同じくセンチメンタルになっていた同志は無反応…。思い出したかのように方々から拍手が起こると「期待して!ありがと!と言うことは私契約延長?ありがとう!」と護国寺アイランドにも感謝しつつ「水樹さんも言ってたけど私もいつショート契約を切られるか、放り出されるか怖かった…」と話すが、プロンプターには無常にも「その話は控えて」と出た模様。「アルバムが出てツアーがある。来てな!」と言うと同志たちは大きな拍手で応える。「でも何か犠牲にするのは心が痛むから天秤にかけて選んで欲しい」らしい。

 さて、プロンプターには「いい加減感謝の言葉を述べよ」と表示されたらしい。すみぺは「次の歌難しいからやめてほしい」と愚痴をこぼしつつ、「でも上坂さんに久々に会う人もいる。1年ぶりか、それ以上の人?」と聞くが数は少なく「じゃいいか」と締めようとする。それでも続いて「大阪公演行った人?」と聞くとそこそこ手が上がる。「大阪では普通の女性声優みたいな感謝をペラペラペラペラ言ってたんですよ。こう言うのは鍵垢とかで一人で書いてりゃいい。そういうところに書いてたらヤバいでしょ。だからここで言う」との事。合わせて山下さんが音楽を奏でようとするが、すかさず「しまえ!楽器をしまえ!」とツッコみしまってもらう。ここからは独白。強調文字も使わないので全文じっくり読んで欲しい。自然に涙が出てくるはず。

「私はみんなのことを最初から同志と呼んでいるわけですよ。どっちかと言えば私のような苔むした苔、70日くらい放置したわらび餅みたいな…ってそれカビじゃん!(セルフツッコミ)。で、少しずつ社会性がついてきたわけですよ。でもね、そんな私に「ありがとー」とか「今日も写真ありがとー!」みたいな感謝がいろんな形で来る。私そんな器用な人間だった?って。」

ここまで話したところで堪えきれなくなったのか泣き始めるすみぺ。思わず「アイマスでも泣いたことないのに…私誰かにサイコウェーブ受けてる?」と茶化しつつ続ける。

「この人がいる。楽しみにしてくれている人がいる。だから頑張ろうと思うわけですよ。2011年くらいまでの私はゴミみたいだった。そんな持ち曲3曲しかないのにライブに来てくれた人がいる。何だろうこの人たち?と思ってたけどそしたら純粋に『楽しみにしてます』って人が多かった。いいの?私で?明日は別の現場に行ってるからそれもいいか。と思うようになった。それからSNSとかお便りしない人なんかでも気持ちは伝わってくるんですよ。それでさ、じゃああの子のために頑張るか、って…。だから、本当に…みんなのバカー!」

どんどん感情と涙が溢れ出てくる。

「おまえらだよ、おまえら、バカヤロー!会えないから寂しかったよ!君たちに物を投げつける行為も我慢してきた…。でもやっぱり寂しかったよー!」

更に続ける。

「そう、君たちはいつか声優現場を卒業してショスタコーヴィッチとかバッハとか聴いてく大人になる。いつまでも声優オタクを辞めない人はどこかに問題がある」

ちょっとだけ毒を入れて笑いをとりつつ、話はすみぺの本質的なところへ。

「私、頑張ってんの。なぜかというと覚えていて欲しいんです。『もう推せない』って言われたって覚えてて欲しいんです。私と言う人間と一緒。あ、書記の人もいいんです。覚えてさえいてくれれば。」

※おそらく前方の書記に向けた発言だと思われるが、当然25列のこちらも周りから視線を向けられる。少しだけ恥ずかしい。

「君らが110歳くらいになった頃『そういえばパッツンの女がおったのー』くらいでいいんです。そう私はいつも思っているんです。ありがとう!」

 会場は大拍手ですみぺを応援する。「話長かったなー」と言ってるとプロンプターに「すみませんそろそろ時間が」と言う表示が出たようだ。涙を拭くべくティッシュを求めて動くすみぺ。

「私感動したんですよ。涙が垂直に落ちて。」と言ってるとティッシュがやってくる。ズズズっと鼻を噛んだ後、近くにいた同志に「あげよっか?」と聞く。会場は大拍手。「でもそう言うバイオテロもできないんだよね」と言いつつ次の曲の説明へ。

「さて、次は旗が必要な曲、ネオ東京唱歌です。別に何もしなくてもいいです…って私が泣き止んでない!オギャー、バブー…首座ってない感じ…?うーん。私は赤ちゃんです。あ、大丈夫そう。じゃ次の曲。『ネオ東京唱歌』!」

en2.「ネオ東京唱歌」

 感動の後のアンコール2曲目はアルバム「NEO PROPAGANDA」のリード曲かつ最高の旗曲。先程の感情が残る中「旗を振る」事でこの曲と革ブロの良さをしみじみと感じることができるのは良いところ。ちなみにすみぺが今回持っていた旗は幻となった「PROPAGANDA CITY 2020」のものだが、実はグッズのものよりも一回り大きい。筆者もこれを使っていたがやはり一番デザイン的に使いやすいようだ。すみぺの旗の振り方はシンプルかつ真似しやすいので、次回以降もできればやってみてほしい。なんだかんだで声もぶれないすみぺは素晴らしい。上手→下手→中央と行き来して最後のロシア民謡的アレンジの部分をコサックダンス調の踊りで締める。そしていよいよ最後の曲へ。

en3.「ウエサカダイナミック」

 「ラスト!」と叫び旗を投げ捨て「ゆーるーしてー、あーげませんー!」のシャウト!おなじみビートまりおさんの「NEO PROPAGANDA」と「PROPAGANDA CITY 」をテーマにした電波曲である。先ほどのすみぺMCを聴いた後、同志の振るサイリウムの力が一気に力強くなったのはおそらく気のせいではないはず。本来は右坂と左坂は声援で戦うところが、今回はやむなく左と右のお立ち台にすみぺが移動して同志にサイリウムを振らせ「倒せ!倒せ!○坂!」と応援するようにする形がとられている。照明は前回と同じく赤、オレンジ、ピンクが入り混じる形。そして最後にドラムロールからジャンプ。「ありがとうございました!」と挨拶。全ての曲が終了し、メンバー全員で深々とお辞儀。この時のすみぺと各メンバーは本当に心がこもっているな、と感じるいいシーンである。

写真撮影&解散

 時間は「何と」1時間ほど押してしまったが、ライブ恒例の写真撮影を最後に実施。今回も最初は千葉、刈谷と同じく護国寺労働組合の皆さんが全員で土下座している。すみぺが理由を聞くと「一Qさんが悪いことをした」らしい。ピンときたすみぺは「あ、私あのお店のサイト見ましたよ!「ゆ○✖️ちゃんでしたっけ?どうでした?」※と言う余韻を全てぶち壊しかねない、そして一Qさんが家庭内で大変なことになりかねない発言。会場も感動の余韻から爆笑に変わってしまう。結局土下座は中止で写真のようなスタイルとなった。

※一Qさんとお話ししていたらご本人から下記の通り「あかーん!」とご指摘がありましたので表現を規制しています。


 いつも通り公式とボイスキット別々に写真を撮る。「ということで解散!」の一言で本日のライブは終了。ドリフのようにバンドメンバーが走って退場。すみぺはステージを回りながら「私のこと絶対に忘れないでね!またね!」と挨拶しながら退場。そして前回と同じく規制退場で順に同志たちが退場していき、「SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説」は無事、お開きを迎えた。

3.イベントデータ

「SUMIRE UESAKA LIVE TOUR 2022 超・革命伝説」東京公演

開催日 :2022年5月4日 17:00~(開場 16:00)

会場:昭和女子大学 人見記念講堂

出演者:
 Vocal:上坂すみれ
 Live Master & Keyboard :山下洋介
 Drum:一ノ瀬久
 Bass:山田裕之
 Guitar:渡辺裕太

セットリスト:

 01.Op(予感)
 02.七つの海よりキミの海
 03.我が旗の元へ集いたまえ
 04.げんし、女子は、たいようだった

  MC①

 05.EASY LOVE
 06.閻魔大王に訊いてごらん
 07.パララックス・ビュー

  幕間①

 08.ボンキュッボンは彼のモノ
 09.眠れない魔物
 10.恋する図形

  MC②

 11.ドロップス
 12.ノーフューチャーバカンス
 13.哀愁fakeハネムーン

  幕間②

 14.生活こんきゅーダメディネロ
 15.ものどもの宴

  MC③

 16.夜勤の戦士のテーマ
 17.踊れ!きゅーきょく哲学

  バンドメンバー紹介

 18.革命的ブロードウェイ主義者同盟

  ED(last sparkle)

 En.1 真・革命伝説

  MC④

 En.2 ネオ東京唱歌
 En.3 ウエサカダイナミック

【オマケ:Amazon Music プレイリスト】

※本レポートの無断転載は禁止します。尚、レポートは会場でメモした内容を適宜編集しています。従ってある程度の発言の違い、順番の変更等については、ご容赦頂ける様お願いいたします。

あとがき

 今回もお読みいただきありがとうございました。大阪公演レポートと順番が逆になってしまい大変申し訳ないですが感動の東京公演レポート、いかがだったでしょうか。段々と感極まってきて、いい話で双方を泣かせた後にすぐ笑わせてくるのはすみぺらしいと思います。それにしてもここまですみぺの心情が吐露されたのは珍しいのではないでしょうか。もちろん我々はすみぺを永遠に忘れませんし、これからも推していくでしょう。
 さて、今回のツアーは、新曲と過去の曲がうまく組み合わさっていて新旧同志が仲良くなるのにもちょうど良かったですし、同志とすみぺの堅い絆みたいなものを改めて確認する機会になったと思います。ライブに行くことができなかった方で気になった方がいれば東京公演はぜひディレイ配信やVR配信をご覧いただければよいかと思います。また感想、ご意見、間違いの指摘などあればご連絡いただければ幸いです。次回は大阪公演のレポートで締めとなります。引き続きよろしくお願いいたします。(了)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?