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長い長い魔法、それは本が旅立っていく瞬間

今日も文学フリマの余韻に浸りながらの更新。

ブースにいる間、じぶんの中のルール二つを守っていた。

・悲壮感を出さない、笑顔!
・助っ人さんへの連絡以外、スマホを触らない

このルールはあらかじめ決めていたわけではなく、わたしの可愛いブースに座ってたくさんの人が通り過ぎていくのを見た時に自然と浮かんだ。

隣は本当に売れていた。人が来ない瞬間がほとんどないくらいに。
でも、わたしは羨むことをしなかった。

堂々としていよう。
わたしはひとりで本を作り、全部ひとりで決めてきた。ここでめげてどうする。じっと待ちつつ、笑顔で挨拶をし、ペーパーだけでも、と声をかける間にも隣は売れていく。

12:40、開場してからはじめてのお客さん。
「noteを見て来ました」とエッセイを買ってくださった。「お客さんはどうですか?」と聞かれ正直に「全然です!」と言ったら驚いていた。売れていると思ってくれていたのだとしたら嬉しすぎる。

買っていただいた時間と感想を残していたメモには、ふるえる・うれしい。
1冊手元を離れた安心感か、そのあとはずっと穏やかだった。今日このあと1冊も売れなくても構わない。これだけでいい。充分だと思った。

1冊手渡すことがこんなにも嬉しくて、緊張して、今もその興奮を思い出して涙ぐむなんて思わなかった。想像以上だ。

13時に2名の方が購入してくださり、そこから15:30までは見本を手に取ってもらうチャンスに恵まれず、赤べこのようにこんにちはと頭を上下させていたが、3名の方が来てくれたことが嬉しくてずっと笑顔だった。長く長く続く魔法だ。

15:30から16:15の間で3名の方が購入してくださり、さらに笑顔が増える。
明らかにエッセイの在庫が減っているのが目に見えて、こんな幸せなことってあるんだなとしみじみした。

8冊旅立ったエッセイ(右)

16:00を過ぎた辺りで片付けをしているブースが目立ったが、わたしは粘った。
もしおおもりカレーに駆け込みで来てくれた人が片付けをしている姿を見たら、悲しくなるかもしれない。おおもりカレーはいつだってウェルカムだ。
来てくれ!来てくれ!と念じたが、蛍の光が流れたので店じまい。

笑顔でいること、スマホ利用は最小限にすることで少しは近寄りやすいブースになっただろうか。わたしから出る雰囲気はウェルカムだっただろうか。
向かいのブースの男性がずっと楽しそうにしていて、その方のようにわたしからも楽しい雰囲気が出ていればいいなと思っていた。

早く、またちいさなおおもりカレーをやりたい。
わたしは今日も幸せです。

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