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想いを伝えるコツ

在宅で介護が少しでも必要になる方、入院中から
スムーズに在宅サービスを導入して退院できる手順を書いています。

在宅で生活したいという想いは間違いなんかじゃない

在宅での生活を希望されている場合、まずは看護師に伝えてくださいね、と前回の記事でお伝えしました。

しかし、なかなか医療職に伝えることに抵抗を感じている方が多くみられるな、と感じています。その理由としては、大抵
・素人の私が考えていることは間違っている
・素人で何もわからないから、意見だなんてとても言えない
・先生におまかせします
こんなところかな?と思います。たぶんですけど、間違うことが恥ずかしいと思われていると感じます。でも間違うってそもそもなんでしょう?その前に正しいことってあるのでしょうか?何かの疾患に対してこういう治療があるというガイドラインはあるでしょう。しかし、在宅で最後まで生活したい、というこの想い・心のことについては、間違いとか正しいとかそもそもないと思います。それに、住み慣れた在宅で生活したい、これって当たり前の気持ちだと思います。誰でももっているものだと思います。そこをもし否定するような医師や看護師がいれば、その人を疑うべきだと思います。

こんな状態で帰れるはずがない

重症となられている場合ですね、癌で終末期や心臓のご病気で血圧が不安定など、さまざまあり、こんな危ない状態で帰れるはずがないということがあるとします。だからといって在宅で生活することを目標にすることはまちがってはいません。問題の切り離しが必要です。在宅で生活することと、今の病態がリスクがあることは別の問題なのです。誰しもそのご病気・状態が不安定な状態で在宅に帰りたいなどは言われないと思います。だからこそ、想いを伝えることを躊躇われている方も多いと思います。
といっても、病状説明の時など、今後どうなるのか不安ですよね。
・今の治療がうまくいくだろうか?
・現状が回復するだろうか?
・これからどうなるか予想がつかない
そんな時に、家に帰してあげたい・生活をしたい、という言葉を第1声に伝えるのは、違和感を感じる方が多いのではないでしょうか?そういう時は、

なんとなくの話の流れで「家が好きな人で、家で生活をさせてあげたいんですよね、私(家族)も一度は帰らせてあげたいんですけどね」とぽろっと言うくらいがいいように思います。

こういう会話でぽろっと言った言葉って案外印象に残っています。そこに医師や看護師が複数いた場合、例えば主治医が現在の治療のことで頭がいっぱいだったとしても、同席している看護師が覚えていたり、ちょこっと記録に書いたりすることがあります。それを他の看護師が読み、看護にあたるわけです。

度々開かれる退院カンファレンス

病院では度々カンファレンス、つまり話し合いがされています。普通に退院できたり、元々おられる施設に帰れる方はいいのですが、今までとは違う生活が必要になる場合、例えば
・介護保険を使ってなかったけど、なんらかのサービスが必要そう
・お一人で生活されているけど、ご家族のサポートがいりそう
・自宅退院なのか?施設や地域の病院へ転院なのか?
そういう普通の退院が難しい方の話し合いをしています。そういう時に、ご家族の意思を必ず確認させてもらっています。そして、ぽろっと言われた言葉って案外看護師や医師は覚えていることがあります。


NS:「あ〜そう言えば、旦那さん、奥さんを家に帰してあげたいっていってたよ」
Dr:「そうか〜、治療としてはもう点滴とれそうやし、酸素はちょっと様子みなあかんかな。」
Ns:「家族のサポートってどうなん?」
Ns:「娘さんが確か近くにいたんじゃないかな?仕事はどうだっけ」
Ns:「確か土日は休みって言ってたかな?」
Pt:「筋力的には杖で歩けそうですよ、トイレはどうかな?トイレが近くにあるなら大丈夫そうかも」

Dr:医師 Ns:看護師 Pt:理学療法士(リハビリしてくれる人)

などとカンファレンスが進んでいきます。

想いを伝えるコツ

・想いを伝えることは間違いではない
・ご本人様やご家族様のこと、思いを一番しっているのはご家族やご本人で、医療者ではない
・伝わりやすい方法は、ぽろっと会話の流れで伝えてみる

もしかしたら、家に帰るって言わないといけない!って力むもんだから、
・いやいや、素人の私にそんなこといえない
・そんなこと言える場面じゃないし
・間違ってたらどうしよう
みたいな思いがでてくるのかもしれませんね。


みんなが感じている疑問

私だけがこんな小さな疑問をもってるかもしれない?ってこと案外皆さんかんじていることだと思います。そこに医療者って気づきにくいことあるんですよね。そんなこと思ってたんですか?言ってくださればいいのに。って思うことたくさんあります。そういうこと聞きにくいのかもしれませんね。
そんな在宅での介護やお看取りついてオンラインでお話できる場を作っています。

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他人に意見を伝えるコツも今回お伝えしました。在宅介護、看取りとはコミュニケーションも大切となります。そんな心の部分で実際娘の私が癌終末期の母とどういう会話をしたり、関わりをしたのか、その心の部分をメールマガジンでお届けしています。

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