地方公務員のレンタル移籍プロジェクト2020 ~新しいスキームで再チャレンジへ~
2020年1月、会社の先輩から「お前は全然カッコよくないし、面白くもない」と言われました。そこでまずは前者を検証しようと思い、自分の顔面をスマホで自撮りした上で、今をときめく新田真剣佑君、岡田将生君のイケメン顔と比較しました。心が折れる音が聞こえたと同時に、「よし、仕事に生きよう」と覚悟が決まりました。北斗の拳でトキはケンシロウに「哀しみを怒りに変えて生きよ」と言いましたが、僕も31歳にしてようやくその意味が理解できたようです。
さて、今回も2019年から取り組んでいる「地方公務員のレンタル移籍プロジェクト」の内容です。そんなの知らん!という方はこちらから過去記事をどうぞ。
今回はレンタル移籍プロジェクトの2020年活動プランをご紹介するとともに、皆さんのご協力を仰ぎたい次第です。ぜひお付き合いください。
仲間が増えました!
まずは皆さんご存知、埼玉県三芳町の佐久間智之さん。
日本トップの自治体広報として押しも押されぬ存在です。
BLOGOSのインタビュー記事でも語っているように、佐久間さんも公務員のレンタル移籍を実現したいという思いを持っています。先日打ち合わせさせていただき、力を合わせてやっていくことを決めました。
実は佐久間さん、2月末に三芳町を退職予定で、今後はテレワーク×複業というスタイルで全国の自治体を支援しようとしています。「自治体職員として培ったスキルを、社会全体に開放する仕組み」を目指す私にとっては、佐久間さんはパートナーであるだけでなく理想の体現者でもあります。
次に、福井県福井市の西澤公太さん。
「福井市提案型勉強会」の代表で、地域づくりの経験豊富かつラジオパーソナリティもやるというマルチな地方公務員。レンタル移籍の趣旨に共感してくださり、福井市とその周辺で実現できないか一緒に企てています。北陸からもレンタル移籍を盛り上げたい。
最後に、愛知県豊橋市の三浦有喜さん。
よんなな東三河会でお会いした凄腕動画クリエイター。「レンタル移籍候補者を動画で紹介するプロジェクト」を企画していることをFacebookで発表したところ、すぐに連絡をくださった心強い存在です。
神奈川、埼玉、愛知とプロジェクトに関わるメンバーの顔触れも少しずつ広がってきました。
レンタル移籍プロジェクト2019の「急所」
2019年の1月に「レンタル移籍」の構想を発表し、すぐにレンタル移籍したい地方公務員を募集したところ、46人がエントリーシートを提出してくれました。税、林業、防災、監査、ICT...各分野のトップランナーが集まった凄い人材リストになっています。
個人が特定できないようにほとんどマスキングしていますが、様々な部署・役職の方がいることがわかると思います。
現職の首長からも複数人からお問い合わせをいただき、「これはすぐにでも事例を作れるのでは?」と考えていましたが、このプロジェクトには欠点がありました。
それは「レンタル移籍で優れた人材を借りたいが、貸したくはない」というもの。当初のレンタル移籍構想では、フルタイムで1~2年の期間派遣することを想定していたため、優秀な職員を貸し出すことによって空く穴が大きすぎたのです。
それでも何人かの市長は「やる価値がある」「やるからにはウチも優秀な職員を貸し出すことを含めて考える」と言ってくださいましたが、参加する母数が少なければ人材と自治体のマッチング率は低くならざるを得ません。人事・組織にかかる負担を極力下げた形のスキームが求められていました。
レンタル移籍プロジェクト2020
~①副業・兼業に絡めよう~
佐久間さんと進めていくレンタル移籍プロジェクト2020では、この壁を乗り越えるための新スキームを打ち出します。それが「副業・兼業&リモートワークによるレンタル移籍」です。
生駒市が2018年に職員の副業促進を始め、福山市では民間人材を兼業職員として呼び込んだりと、自治体にも副業・兼業の流れが広がりつつあります。
この発想をレンタル移籍に取り込み、勤務時間外の副業や週1~2日程度の兼業として実施すれば、職員を貸し出す自治体の負担を大きく低減できます。
また、借りる側の自治体の負担は次のようなイメージです。例えば、副業として月8時間、超過勤務手当×2くらいの時間単価(5000円)で他自治体の業務支援を行うとすると、毎月4万円の負担で優秀な職員の力を借りることが可能です。単価については当事者間の交渉次第なのであくまで一例ですが、レンタル移籍希望者リストに載っているレベルの実力者からの支援を上記の金額で受けられるとしたら破格ですね。
次に出てくるのは、「交通費と住居はどうするの?」問題です。遠くの自治体にレンタル移籍する場合、住居の確保を人事部門がやるとしたらそれも現場の負担となります。また距離が遠くなるほど、そもそも兼業・副業が難しくなるという側面もあります。
レンタル移籍プロジェクト2020
~②リモートワークに絡めよう~
距離の制約を乗り越えるための施策が、クラウドを活用してリモートワークでやってしまおう!というものです。佐久間さんご自身が、今後はリモートワークで全国の自治体の広報支援をしようとしていることから、現実的に可能なアイデアとしていただきました。
実際のところ、副業・兼業と並んでリモートワークも自治体のトレンドの1つです。私が住んでいる鎌倉市でも、職員のリモートワーク(鎌倉市では「テレワーク」)を推進しています。
リモートでのレンタル移籍にすることで自治体側は住居の確保が不要になり、移籍する職員も移動コストを払うことなく他自治体に支援が可能になります。クラウドサービス上で情報共有、コミュニケーションを図っていくイメージです。
「でも、お高いんでしょ~?」という声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。クラウドサービスはこちらで準備・提供します。
ここまでの話をまとめると、このような形になります。
もちろんリモートワークに適しない業務があることも承知していますが、まずは「とにかくハードルを下げて事例を作る!」ことに今年は注力して臨みます。
自治体が求める人材リストを作る!! ~皆さんへのお願い~
前述の通り、「レンタル移籍を希望する職員」のリストには46人もの方に登録いただきました。幅広い部署、スキルを持った方々です。
次に、自治体側はどんな人材が欲しいのか?をリスト化して公開したいと思っています。それができれば、移籍したい職員と求める人材のマッチングができるようになります。
ちなみに、以前ある市長から教えていただいたのは、「庁舎移転プロジェクトの経験者は非常にニーズがある」ということです。庁舎の移転や建て替えは1度終わってしまえばその後50年以上は行われません。しかしこれから庁舎移転を迎える自治体にとっては喉から手が出るほど欲しいスキルだと言うのです。
こういう情報をどんどん集めて公開していけば、レンタル移籍に向けた議論やマッチングを加速できそうです。ということで、募集します!
こんな人材がうちの自治体・部署に来てくれたら嬉しい!と思い当たるものがあれば、アイデアレベルでも構いません。こちらのフォームからぜひ投稿いただけたら嬉しいです。
入力フォームの中身は以下のような形になっています。「こんな項目もあった方がいいのでは?」という意見もあれば併せていただけると泣いて喜びます。
なお、条件に合致する人がレンタル移籍候補者リストにいる場合、紹介することも可能です。人材紹介の希望有無もチェックボックスで回答できるようにしていますので、首長や管理職の方などで本当にその人材を求めている場合には「希望する」にチェックした上でご回答ください。
最後に
今年は必ずレンタル移籍の事例を作ります!役所人生における「働き方の選択肢」を小さいところから一つずつ増やしていければ、公務員はもっと面白い職業になると思います。
佐久間さんも私も、このプロジェクトを当面ビジネスにしようとは考えていません。それぞれが地方公務員として感じていた「もっとこうだったら良いのに」という世界を自分たちで作り出したい一心で動いています。
共感くださる方はぜひご連絡くださいませ!
私のノートをお読みいただき、ありがとうございます!