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【本紹介】人がいない、育たない、定着しないのは明らかな理由がある!

おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。

本日は、社会保険労務士/フジモト社会保険労務士事務所代表 藤本静代さんの著書『ベテラン社労士が教える! 人に困らない会社は「◯◯」を知っている』をご紹介します。

1.感想

皆さんは社労士というご職業をご存じでしょうか?
社労士とは、社会保険労務士法に基づいた国家資格者のことを指します。
社労士にしか出来ない独占業務は以下の3つです。

①労働保険や社会保険の手続きを代行する業務
②就業規則や賃金台帳といった帳簿書類を作成する業務
③人事や労務に関するコンサルティングを行う業務

かつては①の手続きを代行する業務が中心でしたが、最近は、③のコンサルティング業務の割合が増えているそうです。
そして、著者の藤本さんが社長さんとお話しする中で、悩みや課題、今考えていることの中身は「人」である場合がほとんどとのこと。
4大経営資源といわれる「ヒト・モノ・カネ・情報」の中で、今の日本でヒトは明らかに減っていきます。それなのに、労働や職場に関する問題は後を絶ちません。
一方で、ヒトに困っていない企業があるのもまた事実かと思います。タイトルにもある通り、ヒトに困らない会社は抑えるべきところを抑えることができていると言えます。
経営者の方、部下を持つ方が自身のマネジメントはどうかを見直すための良い機会を与えてくれる一冊ではと感じました。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、各章で紹介されている9つの具体的な事例です。
従業員さんの方の状況、経営者の方の心象が事細かに書かれています。
取り扱われているテーマは下記です。

・モデル給与を明記する
・「応募者からの質問に答える」面接
・労働条件の一時的な変更も丁寧に対応
・合併した会社で従業員を育成する
・ガンに罹患した従業員が工夫しながら就労
・未払い請求で訴えられる
・社用車で事故を起こした従業員から不当解雇を訴えられる
・次々と女性を採用して成功した工場
・お客様の動きを分析し、勤務中のムダを排除する

いかがでしょうか?
経営者の方でしたら気になるような事例ばかりかと思います。
特に不当解雇と訴えられるケースについては背筋が伸びる思いでした。
裁判沙汰になった場合、客観的な証拠を出すしかなく、口頭注意だけで済ませていた会社は落ち度がなかったとしても泣き寝入りをするはめになるとのこと。
こうした事態にならないように、普段から、管理簿、連絡簿などの就業の記録、始末書等の記録をしっかり残しておくことがかかせないのですね。

3.概要

目次
第1章 あの会社は「いい人の見つけ方」を知っている!
第2章 あの会社は「有益な人の育て方」を知っている!
第3章 あの会社は「長く働く場の作り方」を知っている!
第4章 あの会社は「女性の輝かせ方」を知っている!
第5章 「人に困らない会社」と働き方改革

第1章は、従業員を確保するという視点で、リファラル採用や助成金の利用について解説されています。

第2章では、採用した「人材」をどのように「人財」へ育てるかという点にフォーカスしています。

第3章は、人が定着する会社が行っている「場づくり」を取り上げています。

第4章は、昨今の大きなテーマである女性登用について。

第5章は、2019年4月に施行された働き方改革の中身と背景にある生産性向上に関すること、外国人技能実習制度などダイバーシティへの取り組みに触れています。

本書は、経営資源の「ヒト・モノ・カネ・情報」の中で特に「ヒト」にフォーカスした内容で、経営者の方だけではなく、部下を持つマネジメント層の方、人事・採用部署の方にもに読んで欲しい一冊となっています。ぜひご一読ください!!

それでは。


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