【本紹介】アジアビジネスの極意
おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。
本日は株式会社ブレインワークス 代表取締役 近藤昇さんの著書、『だから中小企業のアジアビジネスは失敗する』をご紹介します。
1.感想
本書を読んでまず実感したのは、日本・日本人はアジアの新興国の人々にとって憧れの目で見られているのは単に幻想でしかなかったということです。
私も完全に勘違いしていました。
以前近藤さんが書かれた他の著書でも書かれていましたが、日本人は”NATO”と言われているそうです。
”No Action Talking Only”
です。
こんなにダサいことはないです。
私を含めた日本人は勘違いしていると思うんです。本書の文を引用させてもらうと、
日本人はアジアを下に見る傾向が強い。逆に欧米に対するコンプレックスが強く、アジアに対しては傲岸不遜の態度を取ることも多い。だから、日本人は現地を見て「不潔だ、不便だ、サービスが悪い」ということばかりを口にする。アジアはとんでもないところだという話をする方々にも多く接してきたが、考えてみてもらいたい。日本も40〜50年前は同じ光景だったのである。「不潔で、不便で、サービスが悪い」国だったのである。その国が大きく変わろうとしていることに気づけない、気付こうとしない方々はアジアに出てきてほしくない。
日本は綺麗で便利で発展している国であるのは間違い無いと思います。ただ、その日本もかつては今の新興国のような環境でありましたし、そこからの発展は少なくとも今の若者が作り上げたものでは無いということ。
新興国を見るときは、日本の基準で、下に見るのではなく、新興国の目線で、その環境に寄り添わなければならないと。そうじゃないと「お高くとまっている日本人」と嫌厭されるのは避けられないと。肝に銘じておきます。
2.おすすめポイント
本書のおすすめポイントはアジアの新興国の基礎データを紹介してくれている点です。
ベトナム・タイ・インドネシア・インド・ミャンマー・ラオスなど、それぞれの国が現在どのような状況であるのかを言える方はかなり少ないと思います。
少なくとも私はアジアの新興国としてほとんど同じような印象を持っていました。
ベトナム・タイ・ミャンマーが比較的発展している方で、インドは学力の高い人が多い。くらいのイメージかな?笑
本書の第2章では各国の面積・人口・首都・気候などの基礎情報から、歴史や文化、日本との関係まで紹介してくれる節があります。
ここで一旦各国の情報を頭に入れることができるので、3章以降で出てくる内容が入ってきやすくなります。
アジアの新興国の国々といっても、国によって経済や環境の違いはありますし、もちろん歴史上での日本との関わりはそれぞれ違います。
本書ではアジアの新興国を一色譚にして解説しているわけではなく、ここの国名を出しながら、具体的な事例やビジネス上の提案が解説されますので、この第2章のデータはとても重要です。
単純に基礎知識としても勉強になりました。
社会の教科書のような一面もあります、ということです。
3.概要
目次
序章 実践の中で見えてきたアジアビジネス
第1章 日本とアジアと中小企業
第2章 知ることから始める〜アジアビジネスチャンスをみつけるために〜
第3章 アジアマーケットの可能性
第4章 先進国から新興国へ〜先進国目線による落とし穴
第5章 アジアビジネス成功のポイント
第6章 アジアビジネス成功への提言
第7章 先駆者に学ぶ〜アジアで成功する発想と行動とは?〜
本書では、近藤さん自身がベトナムでビジネスを始め、これまで20年以上アジアビジネスを展開してきた経験に基づいた一連の解説がされています。
まず序章として近藤さんが経営する、株式会社ブレインワークスがアジアビジネスを展開する上で、どのような姿を目指しているのかが紹介されます。
その後、第1章ではアジアという地域において、日本の立場についてを説明してくれています。
第2章、第3章ではアジアマーケットの現状を紹介してくれます。地域としての粒度だけでなく、国ごとの経済などについても言及されています。
第4章では、アジアという地域において、日本や日本人がどう見られているのかについて、実体験に基づいて説明してくれます。
第5章、第6章では、これまでのことを踏まえて日本人がアジアビジネスで成功するために、どのような価値観を持った上でどのようにビジネスを進めていくべきかを助言してくれます。
第7章では、見事にアジアビジネスを成功させた日本人からもらったコメントや考え方を紹介してくれています。
アジアにおいて日本や日本人は、自分たちが思っているほど理解されていないし、崇められてもいません。
それを実感した上で、どのようにアジアの新興国でビジネスを展開していくべきなのかを学べる一冊です。
日本人というだけでアジアでの立場は高いと自惚れていませんか?
日本人の立ち位置を再認識し、現実と向き合うことができるようになります。
ぜひご一読ください!
それでは。
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