【本紹介】掃除を教育する意義
おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。
本日は株式会社ダスキン著 『学校に「お掃除先生」やってきた!』をご紹介します。
1.感想
誰もが小学校の頃に経験しているであろう、「掃除」をテーマにした本書を読んで、まず懐かしくなりましたね。
私が小学校の頃、なぜ掃除をしなければならないのか、考えたことはありませんでした。
なんとなく掃除をすることは良いことで、掃除はしないといけないものと捉えていました。
(多分、できる子供はなぜ掃除をしないといけないのか、掃除をするとどんな良いことがあるのかを突き詰めるんだろうなぁ、と今思いましたが。)
同時に、掃除の仕方についてきちんと教えてもらった記憶もありませんし、当時の担任の先生によって掃除に対する熱の入り方、掃除のやり方は異なっていた気がします。
本書によると、先生たちも掃除のやり方や指導法について、教員になるまでにきちんと学ぶ機会はなかったそうです。
この点に注目し、企業のCSR活動と結びつけたのがダスキンでした。
「教育は学校と家庭の役割」一昔前まではこのような考えを耳にすることもありましたが、社会の変化と共に、今では国が「次世代を担う子どもたちの育成は学校、家庭、地域社会、産業界・・・。つまり社会総がかりで担うことが必須である」と明言するまでになっています。
という近年の流れをいち早く掴み、実践まで移したとても素晴らしい例だと思いました。
今まで、私のCSR活動の認識は、環境破壊を阻止するためにゴミの廃棄方法を厳格に守る。くらいの認識でしたが、いろいろな形があるんだと理解を改めました。
ダスキンの社会貢献活動を通して、社内でも良い効果が現れたというのも着目すべきポイントだと思います。
学校教育支援活動に関わる社員から「自分が講師として先生方の前で話をするようになってから、業務のプレゼンテーションがうまく出来るようになりました」「一緒にプログラムを考えた先生方から、子どもたちに対する思いや姿勢を学びました」「この活動を推進するメンバーと一緒に活動する中で、仕事の上で目標となる存在の方と出会えました」というような声が、たくさん生まれています。
このような新しい取り組みには苦労がつきもので、大量が必要ということはみなさん同じ認識だと思いますが、だからこそ得られることも大きいと。
自分も仕事で燻っている新しい取り組みに対し、一歩踏み出してみようかなと。モチベーションを高めてもらいました。
2.おすすめポイント
本書のおすすめポイントは、学校教育支援活動という新しい取り組みを実行に移す際の「当事者の不安」がとても鮮明に描かれている点です。
本書では、大きく2つの場面で描かれていました。
1つ目は、学校に掃除の授業が必要だとわかってもらうまでの活動。
2つ目は、社内に支援活動を認めてもらうまでの活動。
です。
例えば1つ目については、学校に対して行おうとしている支援活動の目的が学校側と一致しているかどうかとても不安だったそうです。
以下のように描かれています。
でも、私たちの中には不安がありました。この教員向けセミナーのテーマを「掃除を通して子どもたちの力を伸ばす」と掲げていました。それは掃除のやり方を教えるだけのセミナーにしたくないという想いが強かったからですが、先生方がお掃除の会社に望むのは、「学校がきれいになる掃除の仕方を教えてもらうこと」なのではないか、そんな心配があったのです。
結果、ダスキンさんの提案が先生たちにとっても、目からうろこだったようでよかったです。
社会人として働いていると、新しい取り組みに対してどうしても億劫になりますよね。
その感情が正直に描かれていたので、臨場感があり、私も一社会人として共感できました。
3.概要
目次
第1章 「なぜ掃除をするのか」子どもたちに伝えられますか?
第2章 やりたくなる掃除って?
第3章 掃除の時間を学びの時間に?
第4章 掃除のプロから、ダスキン先生誕生!
第5章 地球と共に、学校と共に、ダスキン先生も成長!
第6章 特別対談 ~「キレイのタネ」は、「成長の芽」から「喜びの花」へ~
第1章では、小学校の掃除について、保護者・教員・子どもがどのような認識を持っているかの現状説明があります。
第2章、第3章では、ダスキンによる掃除の学校教育支援活動の取り組みについて、きっかけから苦労まで語られます。
第4章、第5章では、掃除の学校教育支援活動をフランチャイズ加盟店含めて全社的な取り組みにする活動について語られます。
対外的にも対内的にも、新しい取り組みを始めるためにはかなりの苦労が伴います。
それについて、ダスキンとしてCSR活動はどうあるべきかの理想の姿を実現したその過程を詳しく知ることができます。
CSR活動はどの会社も実践していく義務があります。
本書で紹介されているダスキンの活動は間違いなく、どの業界の方にとっても参考になると思います。
ぜひご一読ください!
それでは。
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