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日本のステキなレンガの建築 Vol.3 東京駅の外観はタイルだった?

皆様ご存じの、東京の玄関口であり、辰野金吾の代表作、東京駅。
2012年に復元工事が完了した丸の内側赤レンガ駅舎創建時の外観を復元したのだそうです。

東京駅のファサード

写真ではよくわからないのですが小口積みとなっています。
目地は万世橋でもみた、「覆輪目地」仕上げとなっております。縦横の目地巾が異なり目地の交差部分は蟇股(かえるまた)といわれる形状となります。

東京駅の覆輪目地仕上げ
東京駅のレンガ構造

駅内部で一部構造が見えるところがありました。
こちらはイギリス積み。。。
東京駅は構造部ではイギリス積みしていますが、外部表面では小口積みになってるんです。

化粧レンガの説明

東京駅では要所々々に解説ボードがありまして探してみたらありました

化粧レンガ
『創建時の化粧レンガはプレス成形により製造されており、きわめて平滑かつ緻密で、角が鋭利であることが特徴である。 また、15mm(5分)・45mm(1寸5分)の2種類の厚さのものがあり、『下駄歯積み』の構造レンガに対応して一段毎に交互に積まれ剥離防止を図っている 今回復元した化粧レンガは創建時と同様の表面の肌合いと色を再現できた 厚さは15mmに統一した』

この下駄歯積みというのは縦横とレンガを組み合わせつつ積み、表面は凸凹になる積み方。
当時この凸凹にあうように厚みの異なる化粧レンガを貼った。
ということです。

ちなみにこの度の復元工事で復元した化粧レンガは3階部分に使われています。
ところでこの凸凹の下駄歯積みですが、化粧レンガを貼るつもりであれば
はじめから平滑になるように詰めば良いのでは? と素朴な疑問。

ここからは想像ですが当時は要求する品質で構造レンガを作ることができず、
化粧レンガを構造体に張ることを考え、
また現在のような高品質の接着力のあるモルタルがない為に
わざと凸凹の下駄歯積みにし交互に積み張りした・・・
という推理は正しいでしょうか

私としては東京駅では構造部のレンガに化粧レンガを
『貼った』ということがわかりまして大変興味深いことでした。そうです。タイルですね。


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