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断捨離とミニマリズム②フリマアプリ

はじめに

 いらないか迷ったものは捨てないといけない、そうはいっても、なんか価値がありそうで捨てるのは勿体無い。そうやって私は数々の本と服を押し入れに突っ込んだまま過ごしてきた。

 それを解決してくれるもの、それがフリマアプリ(私の場合はYahoo!フリマ)だった。少なく見積もって、毎月平均200円ほどの利益が出ている。

 毎月ほとんど手間なくお金が入ってきて、自分の部屋がスッキリし、購入者も幸せになる。一見すばらしいことしかない。

 だが…。

準備が…

 まずは押し入れにあるいらないもの且つ売れそうなものを出品してみた。親戚からもらったスポーツウェアやフリスビー、大学時代に読んだ本や参考書など、たくさんのお宝が発掘された。これらを片っ端から売って押し入れや机周りをスッキリさせようと思った。

 1つのものを出品しきるためには出品物の名前やメーカー(あれば)、そのものの使用頻度や詳細説明、売れた場合の配送方法や値段など、数多くのことを入力しないといけない。

 自分にとっていらないものが他者にとって価値あるものに変化することは面白いと思うし、何よりお金になる。

 こんなうれしさがある半面、たくさんのことを入力する手間がとても面倒に感じた。

売れた後

 出品の準備をしてから1週間後、フリスビーが購入されており、配送することとなった。この瞬間に自分の部屋のスペースを圧迫するものが減り、お金が増える嬉しさを味わうことができるものの、手放しで喜べるほどのことでもなかった。

 まず、配送までが面倒だ。

 そもそも、出品したものに関する質問や値下げ交渉などが行われることがある。特に値下げ交渉はよく考えないといけない。値段を下げれば下げるほど売れやすくなるが、そうすると私の利益が減り、何なら配送料の方が高くなってしまうことも起こりかねない。この値段交渉も想定した絶妙な値段設定が大事だと気付いたのは後のことであった。

 次に、出品したものにある入れ物を用意し、梱包材や「購入ありがとう」と一筆書いた手紙などを入れてやった梱包準備が完了する。その後はコンビニや郵便ポストに出すことでやっと配送手続きが完了することになる。

 購入してもらうためのアプローチはほとんど必要がないことは利点であるが、アプローチができない分、下準備がとても大変なことを痛感したのであった。

儲けは?

 初めて売れた新品のフリスビーは、最初は2000円で出品していた。ただ、早く売れたという成功体験を得たかった私は、わずか数日後、なんとなく1800円に価格を変更して出品した。

 数日後にこのフリスビーが売れることになるのだが、購入者との交渉によって1500円で売却されることとなった。

 その後、配送料850円を引いた650円の利益がアプリ上に記録された。初めて出品したものが売れたため、今回に限り手数料は0円であった。

 初めて出品し、ほとんど労力をかけずに500円以上の臨時収入を得た快感があった。しかし、この「650円」には梱包材代の100円は含まれていない。本来であればここに手数料75円(売れた値段の5パーセント)が入ってくる。これらのことを考慮すると、この「650円」も、実際には500円にも満たない。

 別の日には某メーカーのスボーツジャージを600円で出品した。このとき、大きさ的に送料200円の一番安い値段を想定していたが、実際にはジャージがかさばったため、より大きな梱包材・配送料がいることになってしまった。配送料が200円から450円になったのが大きな誤算であった。

 そのため梱包材70円、送料450円、手数料30円…差し引き50円の利益となってしまった。

 適切な値段設定、売却後の手続きなど…この売上は労力に見合ったのものなのか疑うほど小さな利益が私の手元に届くのであった。

フリスビーの価値は?

 先ほどのフリスビーであるが、ネットショッピングでは定価2000円程度のものである。すべての条件をいったん置くとして、とても単純に考えれば、フリスビーと2000円の儲けを交換できるといえる。

 一方現実では、配送料や梱包代、使用した形跡等によってもらえる金額が少なくなる。今回であれば本来2000円返ってくるはずが650円しかもらえなかったため、1350円分損しているといえる。

 押し入れを圧迫するものが減るというメリットを感じる反面、押入れに保管していることで使わないものの価値を知らず知らずのうちに下げている自分がいたことに気づいた。

おわりに:フリマアプリから学ぶ物との付き合い

 出品してから金になるまでには時間と手間がかかる。この段階によって、出品によって物の価値が下がったような錯覚に陥ってしまった。

 自分が生きる上で、周囲にいらないものは思った以上に多い。逆に、生きていくうえで必要なものは意外と少ない。

 売る手間や使用済みの物の価値の低さを学ぶことで、適切な量のものと付き合おうと決意を新たにするのであった。

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