『ハウス・オブ・グッチ』と、欲望はどこにあるのか
下世話さと奥深さリドリー・スコット監督の最新作は、イタリアの高級ブランドであるグッチをテーマにした実話物。最終的には血なまぐさい殺人事件にまで発展してしまった、1990年代のグッチ家の騒動をドラマ化しています。映画は「血族同士の醜い争いを満喫したい」という観客の下世話な興味をしっかり満たしつつ、人生の諸行無常を感じさせるエンディングも味わい深いものでした。いまもなお存在する人気ブランドを題材にして、このような映画を撮れるものかという点にも驚きました。グッチに叱られないのでしょ