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最初で最後に想いを込めて

10代の頃に読んだ、成田美名子さんの漫画『CIPHER(サイファ)』。当時、クラスメートの間でも人気があった思い出の作品です。

私の中の名シーンがヘッダーの画像。

下記にお話の内容を一部抜粋。

『シヴァ』の名で、毎日交互に学校に通う双子の兄弟、シヴァとサイファの物語。

芸能人としての顔も持つ二人だが、実生活で二人一役を演じていることに気づいてしまった少女アニス。彼女は後に双子の弟サイファの彼女となる。

『二人一役』には深い訳があって…

そんな折、双子の兄シヴァは、女優の卵ディーナと出会う。素直で純粋なディーナに惹かれていくシヴァ。

その後、仕事でディーナと関わることになる弟のサイファ。

仕事とプライベートで会う『シヴァ』に違和感を感じながらも、二人の見分けがつかないディーナ。

二人を同一人物だと思いこんでいるディーナに『二人一役』をしている理由と、双子が入れ替わっている真実を告げるべきだと言う兄のシヴァ。「ドラマの仕事が終わるまで待ってほしい。あと数週間したら、晴れて二人は恋人同士だから。」と止める弟のサイファ。

そして聖夜の夜。

突然の交通事故。

真実を告げぬまま、運命の手により、シヴァとディーナに訪れる永遠の別れ。

それをきっかけに、双子の間に入る亀裂。

実らなかったシヴァの恋。

棺の中のディーナに、シヴァから最初で最後の口づけ。

時間を巻き戻せたら…と切なくなる、今読んでも重く突き刺さるシーンです。

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上記は続編『ALEXANDRITE』より。

亡きディーナの墓前で1人呑んでいるシヴァ。

セリフはなくても、ディーナへの未練と想いが、絵だけで伝わってきます。取り返しのつかない過去としっかり向き合うシヴァの誠実な姿が印象的な、私の中のもう1つの名シーンです。

バレンタインが近づき、『恋人』といえばこのシーンと思い出し、紹介させて頂きました。

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