極限の中で
アラスカの収容所から脱走した2人の囚人。
迫り来る追っ手を振り払い、やれやれと乗り込んだ貨物列車は、止めることの出来ない鉄の塊と化した暴走列車だった…
映画『暴走機関車』(原題:Runaway Train 1985年 アメリカ)
この列車内の女性乗務員と2人の囚人。
列車がどんどん加速し、もはや止める術はなく、谷に転落して死を待つのみの極限状態に置かれ、精神的に追い詰められていく3人。
喧嘩を始めた囚人2人に対し、女性が思わず叫ぶ。
「ケダモノ!」
それに対する年配の囚人のセリフ。
「もっと悪い。人間だ。」
この映画の核となっているのは、ラストに出てくる下記の文章。
人間は、時と場合によってはケダモノ以下になる。
それを、極限に追い詰められた人間の心理を通して描かれている作品。
列車内でさらけ出される人間の本性と、それを優しく包み込みかのような雪原の美しさ。
どんな悲劇も受け止めてくれるかのような真っ白な大自然の中に、まるで暴走機関車が吸い込まれていくかのようなラストシーンが印象的。
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