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TOSACOガーデンリニューアル&榧テーブル秘話

こんにちは! TOSACOの代表兼Note編集長の瀬戸口です。周年イベントも最終盤ですが、GWに入りたくさんのお客さんにお越しいただけ、とても嬉しく思っております。周年特別企画!スタンプラリーのオールコンプリートのお客様もぞくぞくとでておられます!参加賞(オリジナルマスキングテープ)もありますので最後までぜひお越しください!

今日はTOSACOガーデンにまつわるお話です。すでにご存じの方もいらっしゃるかとは思いますが、TOSACOガーデンは3月の中旬から末にかけてプチリニューアルしました。振り返るとTOSACOメンバーだけでこの大仕事はやりきれなかったこと、間違いなし。ご助力いただいたみなさんに感謝です。

お世話になりありがとうございました!

◎バークチップを増やしました!

TAP STANDのオープン前はむき出しの土と石しかなかった少々殺風景な空間だったガーデンエリアですが、バークチップで満たすことを考えたのは店長山田さんのグッドアイデアでした。このバークチップは香美市物部町の木材ストックヤードで製材時にでた木の樹皮で、普段は産業廃棄物になってしまうものとのこと。これを活用させていただくことで、視覚的には近代的な工場と、森や川などの自然が有機的に繋がる雰囲気をつくることができました。1年が経過し、ところどころにバークチップが少ない箇所が気になりだしたので、改めて妻とともにもらいに行き、つぎ足すことにしました。

一所懸命にバークチップを拾う香帆さん

この泥臭すぎる作業を一緒にやってくれる奥さんはこの人くらいだろうなと改めて感謝したものです(笑)

◎いよいよ今回の記事の本題(屋外テーブルの製作秘話)

すでに多くのお客さんにご活用いただいているかと思いますが、このテーブルは実は2人の協力者のご尽力があって完成しました。
このテーブルに使われている木は、TOSACOでも思い入れがとても強く、TAP STANDのシンボルツリーでもある「榧(かや)」の木です。TOSACOのNoteの別記事でもご紹介しているとおり榧木はとても貴重です。木の風合いや、もともとの材の形も良さとできるようなテーブルを目指しました。
*榧の木に関する記事はこちらから^^

シンボルツリーとして榧の木を植えています。

◎協力者の1人目、こうちゃん

こうちゃん(前田こういちさん)は、自宅で保管していた貴重な榧材を譲ってくれました。この方は実はTAP STANDのオープン時にも、草刈、木の間引き、元々投棄されていたごみの片付け、ガーデンエリアへのバークチップの敷設と、大活躍してくれたTOSACOの大恩人なのです!!

カントリースタイルが素敵なこうちゃん。

普段はとてもおしゃれなカントリースタイルでお店に量り売りビールを汲みに来てくれます。また、こうちゃんはただの草刈作業員ではありません!ドイツ製やアメリカ製、最新かつ選りすぐりの道具をたくさん持ち、状況に応じてささっと使いこなすスーパー草刈職人なのです!!

いつも道具を持ってきてくれては「これ、ドイツの○○。高知では僕しか持ってないと思う。」と言って見せてくれます。その様子がなんとも個性的かつチャーミングで、ついつい随分年上の方にも関わらず「こうちゃん」とフランクに話しかけたくなる雰囲気を醸し出しています。

バークチップを一緒にひいてくださいました!

モノの目利き、良いモノへのこだわりが強いこうちゃんだからこそ、榧材という大変貴重な木材をもっておられたのだと思っています。

◎協力者の2人目、岡部創太さん

岡部さんは、家具の業界では知る人ぞ知る、COMMON MFG.(家具設計製作所コモン)の代表者さんです。高知市で工房兼ショールームを運営されていたのですが、2023年1月に香美市に移転してこられました。ご自宅がTOSACOの工場もある香美市香北町で、「香北町の入口でもあるTOSACOの店舗をもっと良くしたい」と言って、ご協力をかってでてくれました。

岡部さんの工房は土佐山田町在住の方にはなじみの深い鏡野中学のすぐ近くにあります。元々家具屋さんの倉庫だったこともあるとても広い空間に、旋盤やボール盤などきちんと手入れされた工作機械が据え付けられています。

実は一番最初にテーブルのイメージ・設計図を見せていただいたときに、直感的に「良い!」と思いました。榧の材がもっている形状の特徴をそのままに活かしたテーブルになっていたためです。

◎榧のテーブルの検討段階での思惑や、想い

そのあたりの、検討段階での思惑や、想いの部分について聞いてみたところ下記のような言葉が返ってきました。

岡部さん:「今回そもそも厚みや大きさからして1つずつが大きい木材ではないというところもあったんですけど、木材の特徴を活かしたうえでブルワリーガーデンの雰囲気ともマッチしたイメージを検討していました。ピッタリ切り出したぴかぴかで表面もつるっとしたテーブルはたしかに洗練されているんですが、どこか寄せ付けない雰囲気をもつところもあります。

逆の事例で、たとえばひろめ市場みたいに、お隣同士の人が自然に打ち解けて相席しているような雰囲気はなかなか計算して作れるものではないけど、県民性だけが理由じゃなく、あそこに行くと自然にそうなっちゃうような完璧じゃない感じの心理的な余白がある。使う人が自然に引き寄せられるこの場所におけるフィット感を大事にしたいと思いました。

テーブル表面の仕上がりをラフソーン(あえて製材挽きの雰囲気を残して磨ききらない)にしたのもそのような理由です。塗装もせず、保湿のためにオイルを塗っただけなので、この色合いが榧材のそのままの色です。」

◎元々ある地域資源に別の角度から光をあてる

この言葉を聞いて、自分のビール造りのスタンスにも通じる部分を感じて勝手にシンパシーを感じていました。私は普段のビール造りにおいて、素のままの素材や、その人らしさのなかから、良いところを自分の解釈をとおしてビールのなかで表現したいというのがあります。

地域に元々あるけど、なかなか良さが理解されていないような地域資源に、別の角度から光をあてて解釈し、ビールという形でまとめ上げる。だからこそ、この場所じゃないとできない、高知ならではのフィット感も併せ持った新しいビールができると思っています。

職人さんと話をしていると自分自身が大事にしていることも一緒に整理されて良いですね。また、やはり職人の作るモノには既製品にはない裏側での想い、こだわりがあって、モノをとおしてその人そのものを感じるような魅力があるんだなと再発見しました。

◎榧の木のテーブル、完成!

最後に「普段使われている木材と比べ、今回の榧材は造っていてどんな感触ですか?」と質問したところ、「榧は初めて使いました。他の木より中がしっかり詰まってる。また、アーモンドみたいな雰囲気の油分があって、この穴を開けた後の木くずもどこかしっとりしてます。」とのこと。

この返答も、普段「榧の森ヘイジーエール」をつくっているときに、私の場合は木ではなく、実を触っていて感じていることに似ていました。油分が多いからこそアロマが強く、一方で試作を重ねていたときに一番苦戦したところでもあります。

こうちゃんと岡部さん二人の協力を得て完成したのがこちらのテーブルです。みなさんの屋外ビールライフがさらに充実すると嬉しいです。

こだわりをもってモノづくりに打ち込む人たちとの会話は楽しい!
これからもTOSACOを支えている方々をこのNOTEをとおしてご紹介していきたいと思っております。こうご期待!

💡COMMON MFG.(家具設計製作所コモン)さんのホームページ

今回も長文となりましたが、読んでいただきありがとうございました。
次週からはいよいよ周年記念企画も終わり、また違った切り口の記事もお届けしたいと考えております。まず最初は、TOSACOのNote新マガジン「TOSACOってなんだろう会議」の立ち上げ第1回目投稿にあたり、その目的や想いについて語らせていただきます。
今回も読んでいただき、ありがとさこです!!


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