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知って得するお酒の知識:ペアリング

お酒を楽しむ上で避けて通れないのがペアリングの話。お酒はもちろん単独でも楽しめますが、食事と合わせることで料理・お酒が「化けて」新しい味わいを感じられ、より一層楽しむこともできます。

しかしながら、皆さんもお酒を飲む多くの場合は食事と一緒に楽しんでいるものの、ペアリングを意識する機会は少ないのではないでしょうか?私はこの理由は、主にワインを題材にしたドラマや漫画などの影響でペアリングは難しいもの、という先入観が皆さんにあるからだと思っています。私はお酒や食に携わり様々なプロの話を聞き、唎酒師の資格も取得し、本やネットでも色々と調べましたが、ペアリングの明確なルールなどは確立されていません。つまり「間違い」はないので難しく考える必要はありません!

「お肉には赤ワイン、魚には白ワイン」というのも、分かりやすいように一般化しようとして乱暴に作られた極論なので特に意識する必要はありません。また和食というイメージ先行で、寿司には日本酒が当たり前だった時代から、外国のビールが当たり前になり、今ではワインを合わせるようになりました。食の多様化と共に、ペアリングは自由に楽しめる時代になり、むしろカレーやステーキに日本酒を合わせることがオシャレで先進的な楽しみ方と見られるようになっていますので、ぜひ色々と試してみましょう。

ということで、皆さんにもっと気軽にペアリングを楽しんでいただくために、我々の考えるペアリングを楽しむのに役立つ情報をご紹介します。

ペアリング?マルアージュ?

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明確な定義はないのですが、私は、お酒と食事を合わせること全体をペアリング、そしてペアリングの中でも違う味の要素をを合わせて新たな味わいを生み出す特別な組み合わせをマリアージュと考えています。

例としていいのかは分かりませんが、ペアリングは友達(「類は友を呼ぶ」というように同じ趣味や好み、考え方なのでケンカは少ない)、マリアージュは言葉通りの結婚(愛情がメインなので友情より深い化学反応を起こし深い関係にもなり得るが、離婚にまで至る大喧嘩になることもある)、と考えてみると少し分かりやすいかもしれません。

ペアリングタイプ

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ペアリングのタイプは、プラス、ニュートラル、マイナスの3つのパターンに分けることができます。

プラス
料理とお酒が単独より美味しくなった・相性が良い。そして、これには3つのパターンがあります。
・足し算:同じ味同士の組み合わせで風味を膨らませる
・引き算:脂っこさや苦味など強く感じられる味をやわらげ、まろやかにする
・掛け算(マリアージュ):違うタイプがバランスよくかみ合い「化ける」

ニュートラル

特に際立った変化を示さず、相性が良くも悪くもない。お酒が料理の邪魔をしない、または片方の味しか感じられないような状態。

マイナス
美味しくなくなった、相性が悪い、不快な香味を発する状態。

ペアリングの考え方

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ペアリングの方法として、もちろん味の相性は大切ですが、相性は結果ですので、その前のペアリングを楽しむための過程における考え方は以下の3つのステップに従って考えを整理してみてください。

①お酒と食事のどちらをベースにするか考える
プラスの方向性を積極的に楽しむ際にここを整理することも大切ですが、むしろ、繊細な味わいの高いお酒を買って帰ったのに晩御飯がすき焼きだったり、淡い味わいの白身のお刺身を買って帰ったのに家にウイスキーしかない、などとなってはもったいなので、ニュートラルやマイナスを避けるために考えておいた方がよいでしょう。

②条件や気分を考える
予算やどれぐらいの量を飲むかといった条件や、新しいものにチャレンジしたい、もしくは慣れ親しんだもので安心して楽しみたいといったその時の気分なども考えておきましょう。

③ペアリングの方向性を決める
味の要素や相性を考えてプラスになるペアリングを考えることは上級者向けで初級者には難しいと思います。その方法については、次に説明しますが、「味の要素」以外にもペアリングの方向性はありますので、深く考えずそのようなアプローチをして楽しんでみるのも良いかと思います
・同じ地方のものを合わせる
・似た香りのものを合わせる
・似た色のものを合わせる
・温度を合わせる
・プロにお任せ

①〜③について簡単に考えて方向性を整理できたら、あとはその条件を伝え、プロに選んでもらいましょう。自分で各商品の味わいが分かる方は別ですが、条件に合う商品を選ぶのは商品知識があるプロに任せるのが一番です。

味の要素による合わせ方

味の要素による合わせ方は以下のようなステップになります。

ステップ
1 料理と酒が持つ味わいの要素を把握する
2 味わいの強弱を見極める
3 複数ある味わいのどこに焦点を当てるかを決める
4 どのペアリング(足し算・引き算・マリアージュ)にするかを決める
5 条件に合う商品や料理を導き出す

この時に最も注意すべき点は、お酒と食事の味の濃度や強弱を合わせることでしょう。なぜなら、このバランスが合わないと一方の味わいしか感じられなくなってしまうからです。また五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の調和を考えることも重要です。

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ペアリングを意識するとより美味しく食事ができる共に、自分だけの楽しみを見つける冒険をしてるようなワクワクした楽しみもあり、より一層お酒、そして食を楽しめますので、次回からの食事の際に少し意識して自由にペアリングを楽しんでみてください!

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