さわけん

ゆるく楽しみながら続けていければと思います。

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最近の記事

笑い続ける女の話

数年前、あるファミレスに行った際の話。 僕の二つ隣の席に、 30代後半くらいの女性が1人で座っていた。 そして彼女は、なぜか、 “1人で、爆笑し続けていた”。 2.3回笑うのではなく、“爆笑し続けていた”のだ。 さすがに気になり 「あの人、面白いマンガでも読んでるのかな?」とチラリと見たが、手に本らしきものは持ってない。 「あぁそうか、スマホでテレビを見てるんだな。お笑い番組かな。テーブルの上に置いた何かを見て、爆笑しているようだし」 …しかし、どうやら違うらしい。

    • 幸せというものの姿

      夜道、目の前から男女三人組が歩いてきた。 どうやら親子らしい。 左から娘、父親、母親の順。 真ん中にいる父親は、 両側から娘と奥さんにしっかりと腕を組まれ、 上機嫌で二人と会話を交わしていた。 この光景を見た時、僕は何故か、 “人生における幸福の一つ”を見つけた気がした。 だからなのか、彼らとすれ違ってから、 つい振り返って見てしまった。

      • 災い転じて、、、

        昨日。 メガネのレンズだけがポロリと落ちた。 その後、腕時計の部品がポトンと落ちた。 それから急に、原因不明の頭痛がズキンと来た。 奇妙な日なので、もしかしたら、天からこういうメッセージが来たのかもしれない。 「今日から、見るものを変えなさい」 「今日から、時間の考え方を改めなさい」 「今日から、頭を切り替えなさい」 3月が始まった。 これから面白くなりそうです。

        • さいごのメッセージ

          以前、少しいい話を聞きました。 せっかくなのでご紹介します。 ある夫婦がいた。 毎年毎年、夫婦の結婚記念日に 旦那さんは奥さんへ 「プレゼント」と「手紙」を渡した。 夫婦へ18年間連れ添ったあと、旦那さんは 病気で他界した。 しかし、旦那さんが亡くなる直前の プレゼントにだけ、なぜかいつもは必ずある 手紙が添えられていなかった。 奥さんは「何故最後のプレゼントだけ、 手紙が無かったのだろう。。。」と思いつつ、 数年の時を過ごした。 そして月日が経ち、その奥さんは 別の

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          19巻を追い求める

          19巻だけが手元にない。 唯一、買い揃えている本なのに。 『TRANSIT』という雑誌の話だ。 一冊なんと1800円と高額ながら、 そのクオリティの高さが着実にファンを増やしている旅の雑誌。 季刊なので、年に4号分新しい巻が出る。 何故か19巻だけ買いそびれていた。 これは是が非でも揃えねばならん。 だがここからが長かった。 発売から時間が空くほど、 各地の主な大型書店はもちろん、 町の小さな本屋を覗くも、売り切れになる。 次は古本屋。 世界一の規模を誇る神保町の古書店

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          サイフを拾った話

          ある日。 ちょうど僕が横断歩道に差し掛かった時、 目の前の信号が赤に変わりかけた。 しかしその時、目の前にいた見知らぬ若者が、 その信号を渡ろうとして いきなり向こう側にダッシュした。 そして彼はなんとその際、 僕の目の前で自分の財布を落とした。 しかもそのことにまだ気づいてない。 僕は一瞬唖然とした。 アホだなーあいつ。 しかしこのままだと、彼は財布が無いまま、 夜の闇に消えてしまう。 すると後で絶対に困るだろう。 直後、僕はその財布を拾い、 赤に変わったばかりの

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          何かあったときに責任とれません

          僕は頻繁に自分の水筒を持ってカフェに行く。 コーヒーが冷めることが嫌なので、 そこにアツアツのコーヒーを入れてもらうのだ。 先日昼間にチェーンのカフェに入り、 水筒を出し、そこにコーヒーを入れてもらうようお店の人に頼んだ。 その時だ。 今日のタイトルのセリフを言われた。 「何かあったときに責任とれませんが、 よろしいですか?」 一瞬、何かあった時って、例えば何があった時? と思ったが、水筒が転倒してヤケドをおうとか、そういうことかなと判断し、「はい、大丈夫です」と応えた

          何かあったときに責任とれません

          これまでで1番売れた号

          「こんちは〜。おひとつどうですか〜。」 前から気になっていた。 街かどで、ホームレスの人たちが 声を出しながら売っている雑誌 『THE BIG ISSUE』。 売り上げの半分が彼らの収入になり、 それが自立の助けになる、 と何かで読んだことがある。 単に昼間からブラブラし、 呑んだくれているのではなく、 こうして街角で仕事をしているホームレスとは 一体どんな人なのか、 話してみたいと思っていた。 今日たまたま見かけたこの雑誌には、 表紙にあの映画『ボヘミアン・ラプソ

          これまでで1番売れた号

          縁がある見知らぬ人

          コロナ前の話。 ある日、1日に2回、同じ人を助けた。 その日の昼間、日本に到着したばかりらしい 東南アジア人4人組に道を聞かれた。 自分たちが泊まるホテルの場所が分からないとのことだった。 一緒に地図を見ながら道を教えてあげると、「Thank you!」と礼を言われたので、 僕も「See you(またね)!」と返し、 彼女たちは去っていった。 そして夜、僕が焼鳥屋で飲んでいると、 ガヤガヤとカウンターに座り出した外国人が いたので目をやると、なんと、昼間ぼくが 道を教

          縁がある見知らぬ人

          「ル」の行方

          「・・・あら、いやだわ。何だったかしら」 「どうしたの?」 「ホラあの、そこの角にある、安めのカフェの 名前よ。思い出せなくて」 先日、韓国料理店で僕が昼飯を食べていると、 左側に座っていた50代らしき女性3人が そんな会話をし始めた。 「あ~もう、急に出てこなくなっちゃった」 「あの角の店でしょ。分かるわよ。でも私も店名が・・・」 「いやねぇ~、3人もいて、3人とも思い出せないなんて」 「ノドまで出かかってんのよ。そうそう、確か、『ル』が付くの」 「うん、名前のどこかに

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          初めてのヨガ(男一匹編)

          友人の妹がヨガスタジオをオープンした。 男性も歓迎との事だったので、昨日、 1人で体験レッスンに行ってみた。 「アシュタンガヨガ」というヨガで、 先生は元ダンサーの男性だった。 体験レッスンは僕の他に女性1人だけ。 ほぼマンツーマン。 僕はなにしろヨガ自体が初めてなので、 先生に「メモ取っていいですか?」と訊くと、 不可と言われた。 なぜなら、その数秒で身体が冷めていくから。 今日やるヨガはたくさん動いて 身体を温めるものだから、だという。 なるほど。 まずは”呼吸”が

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          平和なボコボコ事件

          数年前のこと。 昼休みに、ある専門学校の前を通りかかった際、 20代の男性数人が、学校の隅のほうで、 手に棒のようなものを持ちながら大声を上げて、寄ってたかって誰かをボコボコにしている 場面に遭遇した。 いまだにリンチなんて物騒な... しかも新年早々… と思いながら、 僕は少し遠くからその様子を伺ってみた。 そして、驚いた。 数人の男たちに囲まれ、 ボコボコにされていたのは、なんと、 人間ではなかった。 動物でもない。 彼らに囲まれていたもの、 それは臼(うす

          平和なボコボコ事件

          手帳売り場にて

          ちょんちょんちょん。 急に腕をつつかれた。 東急ハンズの手帳売場にいた時だ。 振り向くと、そこには 20代半ばと思われる女性と、 その彼氏っぽい男性が立っていた。 そして、女性の方からこう訊かれた。 「すいません、営業マンって、 どういう手帳を買えばいいんでしょうか?」 ⁉︎ エッ、俺、東急ハンズの店員じゃないし。 それに、今はスーツを着てないから ”営業マン”に見えるとも思えないんだけど…。 なんで俺に聴くんだ…⁉︎ 頭の中で一瞬そう思ったが、 目の前の2人は

          手帳売り場にて

          先祖の手紙

          ひょんなことから、 曾祖父が曾祖母に宛てた手紙を見た。 先日、実家に帰った際のことだ。 その手紙には、 当時の曽祖父が曾祖母の健康を気遣う 内容の文章が書いてあった。 僕は曾祖父に会った記憶がないし、 彼らがどんな夫婦だったのか、 話を聞いたこともない。 彼らふたりの、若い頃の写真も見たこともない。 しかし、この一葉の手紙は、 何か温かなものを含んでおり、 彼ら夫婦がうまくやっていたように 僕には感じられた。 彼らの曾孫であることがなんだか嬉しく、 この受け継がれた名

          先祖の手紙

          プールへの敬意

          区営プールに泳ぎに行った。 僕と入れ違いでプールからあがった見知らぬお爺さんがいた。 彼は、更衣室に向かう前、プールに向かって深々と一礼してから、 その場をあとにした。 なんだか良いものを見た気がした。

          プールへの敬意

          時間の価値を知っている人

          お気に入りの時計屋さんに、 たまに問い合わせの電話をする。 その都度、電話を切る間際に、 店の人がこう言ってくれる。 「お時間いただき、ありがとうございました」 「時」を扱う商売だけに、 なんだかこのセリフはいつも心に響く。

          時間の価値を知っている人