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本の「使い方」ー1万冊を血肉にした方法(出口治明著)を読んで

当代きっての読書家の一人として名高い出口氏の読書術に興味を持っていたので、この本を読んでみた。以下に小生が気になった箇所を載せておく(私見です、詳細は読んでみてください。また、一部、アウトプットしやすいように、言葉を変えていますが、内容の大意に変更はありませんことをご了承ください)

・未知の分野の勉強の仕方と読み方(P80)

「まったく知らないジャンルでも、関連書籍を「7~8冊」も読めば、体系的に、総合的に学ぶことができると思っています。(中略)7~8冊借りてきたら。次は読み始めるわけですが、本を読む順番が大切です。新しい知識を学ぶときには、僕は必ず「分厚い本」から読むようにしています。厚い本が最初で、薄い本が最後です。あくまで一般論ですが、「分厚い本に、それほど不出来な本はない」と僕は考えています。なぜなら、不出来な人に分厚い本が書けるとはまず思えないからです。」

・古典を読んでわからなのは、自分がアホということ(P87)

(国際政治学者、高坂正堯氏の言葉)

古典を読んでわからなければ、自分がアホやと思いなさい。間違っても、大学に残って研究者になろうなんて思ったらあかん。さっさと就職しなさい。一方、現代の本を読んでわからなければ、書いた人間がアホやと思いなさい

・本当の保守主義とは(P91)

(保守主義の父、エドマンド・バークとフランスの政治思想家トクヴィルの著作に触れたうえで)

「バークやトクヴィルが唱えた保守主義とは、「人間社会の中で長い間生き残ってきた制度や習慣は、理屈はどうあれ、人々が受け入れてきており、その限りで正しい。そのために社会がおかしくなってきたら、おかしくなってきた部分だけを少しずつ変えていけばいい」という考え方でした。」

・思考力を磨く唯一の方法(P104~105)

「「人の話を聞く」とは、その人がある意見に「賛成か、反対か」を知ることではありません。たとえば、「野球とサッカー、どっちが好きか?」と尋ねたとき、相手が「サッカー」と答えただけでは、相手を十分に理解したことにはなりません。しかし、たとえば「人間がいちばん器用に動かせるのは、手です。その手を敢えて封印するからサッカーは面白いと思うのです」という返事を聞き出すことができれば、より具体的に相手を知ることができます。人間が人間を知るときも、思考力を磨くときも、相手の思考のプロセスをきちんと理解するしか他に方法はないのです。」

・歴史に対する解釈の仕方(P174)

(世の中の事実について考えるためのおすすめの本として『陰謀の日本中世史』呉座勇一著を紹介した中で)

「歴史は面白いので、多くの人が安易に物語化します。有名な先生が物語化すると、読者はそれを史実だと信じてしまう。でもそれは、あくまでエンターテインメントです。史実とフィクション、エンターテインメントと史実は、分けて考える必要があります。歴史には様々な解釈があってもいい。しかし解釈には数字、ファクト(事実)、ロジック(論理)という根拠が必要です」

・読了の感想・メモ

・同じ姿勢で一日中本を読んでいたため、筋肉が死後硬直の如くかちんこちんいなってしまったり、大学受験勉強を放棄して、高3の1年間で小説を300冊ほど読んだりしてきた小生だから、本の読み方に疑問なんて持ったことはなかった。

・しかし、本書の中で「いくら沢山、早く本を読んだからと言って、それを忘れてしまったのであれば、意味はない」との見解を出口氏は示されていた。小生耳が痛い。読んで満足してしまう事が小生には多々あった。

・ここ一か月ほどは、Noteのおかげでアウトプットが進んでいる。(気がする)。本を読む量は減ったが、一冊と向き合う時間は確実に増えている。この調子で、読書を楽しみつつ、小生の思考の養分にしたい。

・本の読み方については平野啓一郎の「本の読み方ースロー・リーディングの実践」も大変参考になった。いつかこちらのアウトプットもしたい。

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