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【句集紹介】ローズティー 羽村美和子句集を読んで

・紹介

今回ご紹介するのは、小生が参加する俳句同人ペガサスの代表、羽村美和子先生の第一句集『ローズティー』である。この度は小生のために、ご恵贈賜りまして、心より感謝申し上げます。

ちなみに、第二句集『堕天使の羽』は紹介済みなので、こちらをご一読いただきたい。

さて。小生が先生から「留意せよ」とご指摘いただくのが、

・季語が動かない作りになっているか。
・感情を吐露しすぎていないか。

という点である。これらは、短詩型文学としての俳句の基礎中の基礎なのだが、なかなかに難しい。

季語が動かないことを知るためには、季語を知らなければならず。

感情を何かに託すためには、その何かを知らなければならない。

要は、色々知らなければならないのである。無知無学の小生、ろくに勉強してこなかった今までの人生を悔いるばかりである。

本句集を読み解いていくと、先生がこれらのことを、とても高い水準で実践されていることが分かってくる。まさに「これしかない」という言葉の使い方なのである。

そんなこれぞ、短詩型文学としての俳句というお手本のような句の数々を、厳選10句から楽しんでいただければと思う。

また本句集、おそらく一般に流通していない。「どうしても読みたい」という方は小生までお申し出いただきたい。

・厳選10句

春めくや巻貝に似しパンを買う
大花火ライオンのたてがみが迫る
小石投げ入れ八月の深い穴
現し世の記憶を捨てし海月かな
古語辞書の中よりこぼれ実むらさき
はつ雪や母ひらがなになってゆく
星祭やっぱり逢いたい人がいる
おぼろ夜の誰も渡らぬ橋がある
ローズティー夕日の匂い別れの匂い

・作者略歴

羽村美和子先生。俳句同人ペガサス主宰。現代俳句協会会員。千葉県現代俳句協会事務局長。「花いでこ賞」等受賞歴多数。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。また、小生の記事は全て投げ銭形式になっています。お気に入り記事がありましたら、是非よろしくお願いします。サポートやスキも、とても励みになります。応援よろしくお願いいたします!