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【句集紹介】君に目があり見開かれ 佐藤文香句集を読んで

・紹介

小生は二つの句会に参加しているが、どちらの句会でもぶっちぎって最年少である。次に若い人が小生の先生で今年還暦を迎えられる。

そんな感じなので、佐藤文香女史が編・著の「天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック」は小生にとって、同世代、年の近い人たちの優れた俳句を存分に鑑賞することができる、とても刺激的な書であった。この本で佐藤文香女史のことを知ったのである。

佐藤文香女史の句は乙女である。乙女の中でも文学少女系である。綺麗系よりも可愛い系である。小動物系である。「手紙即愛の時代の燕かな」は完璧文学少女だし、「花に夕焼スパゲッティを巻いてなほ」はこんな女子とカフェテラスで食事ができたら、永遠にスパゲッティを巻く姿を見ていられる。

何が言いたいのかというと佐藤文香女史が詠む俳句。そして、その中で詠まれている女の子はとにかく可愛いのである。小生のタイプである。是非厳選10句を楽しんでいただきたい。

・厳選10句

棒が星つらぬくメリーゴーラウンド

手紙即愛の時代の燕かな

花に夕焼スパゲッティを巻いてなほ

次の波はすこし遠くの冬の海

ミンティアの氷山遠し駅あかるし

猫じゃらしその辺の光の重さ

冷えた手を載せれば摑む手であつた

月は春かつての最寄駅に降りず

おなじ布団ぬけだし花の空がちかい

去る人の振るハンケチに似て鳥は

・作者略歴

1985年生まれ。2002年、松山東高等学校在学中に第5回俳句甲子園にて団体準優勝。早稲田大学に入学、2006年、第2回芝不器男俳句新人賞にて対馬康子審査員奨励賞を受賞。第1句集『海藻標本』を出版。2009年、同句集により宗左近俳句大賞を受賞。2014年に詩集『新しい音楽をおしえて』と第2句集『君に目があり見開かれ』を刊行。(Book Bangより転記)

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