見出し画像

PENTAX17(ペンタックスイチナナ)いきなりガチ撮影してしまう・1日目

巷で話題の新型フィルムカメラPENTAX17。
「ぺんたっくす いちなな」と呼ばれています。
海外ではペンタックスセブンティーンと呼ばれているそうです…なんかフィルム時代から生息している筆者にとっては語彙が若く感じますw
フィルムカメラは今から20年以上前あたりに大手のメーカーからほぼ新品販売がなくなり、ライカとかNikonやCanonのフラッグシップ一眼レフのみ販売されてきましたがそれもライカ以外はほぼ終売して何年か過ぎました。
現在はロモグラフィーやコダックなどから比較的簡易なモデルが何種類か販売されています。…と言われれももうスマホのカメラで十分満足している人たちには何それ?知らない、まだ売ってたの?そもそもフィルムなんてまだ売ってるの?という感覚が今の一般常識です。

そんな中、10年くらい前から写真フィルムを触ったことがほぼ皆無という世代の方がフィルムで撮ってみたらエモかったwとSNSなどで呟き始め、ほんの少しずつ新しいフィルムカメラのニーズが育ってきました。
しかし市場に出ているフィルムカメラの90%以上は30年以上前に販売された中古品です。修理サービスが終了しているものも多く、メーカー以外の修理会社で対応できるものも限られていてちゃんと機能するカメラが新しいユーザーの手元に届くことが難しい状態でした。(そんなこともあり、筆者がちゃんと使えるフィルムカメラを新しい層のユーザーに届けるためにカメラのヤマヤを開店した経緯もあります:過去記事参照)
そんな中、PENTAXブランドを継承したリコーイメージングさんが新しいフィルムカメラを企画して販売まで繋げたことは、この時代で写真に新しいジャンルを再構築したと言っていいでしょう。
なにしろ筆者のように齢50代の写真を撮るにはフィルムしかなかった世代ならフィルムを使うカメラがどういうものか理解できますが、生まれた時にすでにデジタルカメラしか目にしなかったりスマホしか見てこなかった世代には、フィルムで写真が撮れるの?くらいなものです。
現在は写真がフィルムからデジタルになってフィルム写真の扱い方も変化しました。フィルム時代の写真は紙にプリントしてやっと見ることができるのが当たり前だったのが今では、フィルムをデジタルスキャンしてデータ化したものをスマホに送って見るのが一般的で、データにしてしまえばデジタルカメラやスマホで撮ったものと同じようにアプリで自由に加工も可能です。
もちろんプリントもできますし、設備があればアナログで現像処理して暗室でプリントもできます。デジタル技術が入ってフィルムの写真表現もものすごく広がりました。

で、前置きが長くなりましたが…
中古フィルムカメラ専門店を営む筆者もこんなカメラが出るならいち早く入手して撮影してみたい、今まで慣れ親しんできたクラシックカメラの写りと最新の技術を投入した新しいカメラの写りがどれだけ違うのか?興味津々でPENTAX17予約受付当日午前中に予約ボタンをポチりました。

しかしその頃筆者は、お店の売り上げの低迷やら、休業日も結局ほとんど仕事しないと商品ができなかったり片付けるものが片付かなかったりしてて、心身ともに疲弊しておりました(汗)。
疲れたら山に行く。筆者は幼少の頃から山の緑と川に親しんでいたこともあり、心の癒しは山。愛車の小さい原付バイクで八ヶ岳の麓、麦草峠まで行く計画をかなり無理やり決定して自分のお誕生日に臨時休業をいただきました。計画当初は、いつ開けるのかわからない梅雨時でしたが日頃の行いが神だったので(笑)当日は梅雨明け快晴、原付で約180km先の長野の標高2,000mを目指しました。

ツーリングは撮影目的です。写真のイメージでは大きいフォーマットで中判カメラを三脚に据えて白駒池の苔の森をマクロ撮影してA1サイズ(594x840mm)くらいにプリントして展示したい!と思っていたのですが、なにしろ当時は筆者の脳はオーバーフローしていてまとまらなかったので、タイミング良く入手た新しいフィルムカメラPENTAX17、1台で撮ってみようと博打に出ましたw
超軽量の三脚とケーブルレリーズを持って撮影に挑みました。
結果フットワーク軽く、体力を削がれることもなく撮影できました。

国道299号線沿いにある木
PENTAX17 (KODAK PORTRA160使用)
9年ぶりに再会。大きく育っていました。
PENTAX17 (KODAK PORTRA160使用)

埼玉から国道299号線を群馬(神流町、上野村)を通って長野の佐久市に抜けます。埼玉の秩父から長野の佐久まで86kmくらいです。
実は9年前に一度同じコース同じ原付で麦草峠の公共駐車場まで行って山小屋泊の軽いハイキングに行ったことがあります。その時国道299号線の道沿いに生えていた木が気になって停車して写真を撮ったのですが、その木と9年ぶりに再会してPENTAX17で撮影1枚目としました。
9年経って、木も青々と元気よく一回り大きく育ってた気がします。
なんか嬉しかったです。
しかし逆に人間の筆者は・・・?どこか成長したのだろうか?と(汗)

途中上野村のガソリンスタンドで給油(9:15)。
5:30ごろに出発して約4時間。原付は最高速度が遅く上り坂は更に遅いのでまぁ良いペースです。
9年前は、無給油で走って後半ガソリンが少なくなて十国峠を惰性で降りたり燃費を稼ぎましたが今回は安心してゴールまでいけました。

十石峠(じっこくとうげ)展望台
途中。十石峠頂上付近に公衆トイレと展望台があったので小休憩。

十石峠(じっこくとうげ)展望台
内部は鉄骨階段で階段好きには刺さるかもw
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
展望台からの眺望
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
展望景観ガイドもあってわかりやすい。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)+1.5補正
国道299号線は酷道と言われるくらい狭くて落石も多いので注意が必要。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
小さい原付に満載の荷物(実はバッグの半分くらいは使わなかった衣類とシュラフ)
これに半分空のバックパックを背負って行きました。(フロントは雨合羽と工具)
PENTAX17(KODAK PORTRA160)

11時過ぎに小海に着いたが予定していた日帰り温泉施設、八峰の湯に入るにはちょっと早い。
予定では風呂入って昼飯を食べてからメルヘン街道を登って麦草峠までいくつもりで早すぎても暇だなということで、途中にあってシャトレーゼのケーキ屋さんとカフェのある建物に寄りました。

小海の上り坂途中から見える景色
にしても梅雨明けの青空
東京よりずっと涼しい
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
YATSUDOKI TERRACE小海 シャトレーゼ
PENTAX17(KODAK PORTRA160)

しかし、温泉で昼も食べたかったので棒アイス食べる。
観光地値段とは思えない80円くらいだったw
シャトレーゼは、やさしい。そして美味しい。

シャトレーゼのアイス。
濃厚でめちゃうまい
(スマホのカメラ)

しばらく涼んで9年前にも訪れた八峰の湯。
前回は隣にあるオートキャンプ場でテン泊しました。
今回、旅程の検討時期は梅雨で天気が読めなかったので山小屋を予約しました。

八峰の湯(ヤッホーの湯)
公営の温泉施設でレストランやお土産の売店などもある
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
駐車場は広いが二輪専用駐車帯が見当たらない。
自転車のハンガーはある。
まぁ、空いてるので邪魔にならないところに駐車…暑い
PENTAX17(KODAK PORTRA160)

温泉内は撮影できないのだけど露天風呂から八ヶ岳が一望できてお気に入りの温泉。ずっと入っていたくなる。
お湯の温度も40℃未満のと37℃くらいのぬる湯があってゆっくり浸かれるのがいい。
露天風呂もあって全裸で仁王立ちしてしばらく八ヶ岳を眺めていましたw
赤岳とかの山頂からこちらの全裸を撮影するならどの程度の望遠レンズが必要だろう?とかバカな想像しながらw

山並みを眺めながら今から43年くらい前、中学生のハイキング同好会の夏にあの辺を縦走したのが信じられない。あの頃はカメラも持ってなくて記録がほとんどないのだけど、山小屋の写真を見ると確かに立ち寄った記憶が残っているのです。
今もうこの年齢で縦走しようとすると体力や時間的な問題もあって難しい。
年々できなくなることも多くなってくるので、もしこれを読んでる読者がまだ若かったら、行きたいところや身体使って動かないと叶わないことは、やりたくなったらすぐ行動しておいた方が後々後悔しないで済むかもよ。

温泉施設内 食事処 おあがりなんし
かつ丼
(スマホカメラ)
温泉施設内 食事処 おあがりなんし
おやき
(スマホカメラ)

名残惜しく温泉を出たら昼食だ。
ちょうど1時過ぎだったと思う。
温泉施設内にある
食事処 「おあがりなんし」
前回9年前は夕食を食べて当時あった自販機でホワイトエビスのロング缶を2本買ってテントで飲んで寝たのだったw
何食べようか?原チャリだからビール飲めないのが辛い。
限定のローストビーフ丼も捨てがたいが、なんとなくかつ丼食べたくなる。
たぶん前回美味かったからだろう…
実際肉厚で美味い。
あと「おやき」も一個頼んだけどこれも美味い。
近くでおじさんグループがお酒入って好い感じになっていたのが羨ましい。
まぁ、泊まる山小屋にビールあるだろうから今は我慢だ。

そこからメルヘン街道の麦草峠に向かって原付は全開で登っていく。
9年前は、原付をヤフオクで中古で買って2年目で調子は良くなってきたが特にエンジン周りには手を入れてなかったせいもあって、メルヘン街道の登りは1速で10km/h出るか出ないか?という徒歩ペースでなんとか登った。
今回は1年前くらいにお世話になっているオートバイ屋さんでキャブレターのオーバーホールをしてセッティング出してもらったおかげで2速で25km/hくらいで上り切った。まぁ遅いのだけど、思ったより早く宿に到着。
※帰宅後暫くしてオートバイ屋さんにお土産持って話に行って喜ばれました。

麦草ヒュッテ
PENTAX17(KODAK PORTRA160)

標高2,000m超えの場所は空気は薄いけれど涼しいし快適だ。

麦草ヒュッテ(標高2,127m)
国道299号線メルヘン街道沿い麦草峠にある山小屋だ。
中学生の頃、ハイキング同好会で縦走した時などにお世話になって以来、43年ぶりくらいにお世話になる。
小屋の中は改装されてきれいになっていた。現代のおしゃれなハイカー”山ガール”対応のおしゃれな山小屋という感じ。まぁ、筆者は相部屋泊だったので3階の広間に泊まったので昔の面影そのままな感じでよかった。
今、相部屋に泊まるお客さんっているのだろうか?
今回は平日だったためもあってか、相部屋は筆者と年上の男性のみだった。あと何組かのハイカーが泊まっていたが個室だった。

宿に着いたのが予定より早く14時過ぎだったので部屋に荷物を置いて徒歩で白駒池まで明日の撮影のロケハンに行く。

小さい原付なので駐車場の隅に置かせてもらう。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
草原には、ぽつぽつと高山植物の花が咲いていた。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
が、近接撮影の距離感が掴めず結構ピンボケw
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
手前に見える網の柵は鹿対策。
ここ20年、鹿も標高の高い山に登って生息域を広げた。
逆に日本カモシカ(牛科・特別天然記念物)は鹿に追われて標高の低い場所に出没している。
生息域を広げている日本猿が上がってこないことを祈るばかり。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
目測のピント設定。
1m以上の距離感は割と掴みやすい
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
唐松林で熊笹と苔生す朽木
森の空気がいい
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
苔の森には色々な苔が生ええて美しい
そこに住む小さな生き物たちも確かにいる。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
撮影距離が近距離になるほど
輝度が低くなるほど絞りが開いて被写界深度が薄くなり
目測のピントが難しくなる
つまりピンボケwの杉苔w
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
木道が新しく整備されてたりしたの見て
山道の維持管理をしている人たちには頭がさがる思いだ。
とりあえず白駒池の小屋にある募金箱に小銭を落としてきた。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
美しい杉苔だが距離感がシビアでピンボケだ(汗)
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
もうちょっと奥にピントを当てたかったのだが。
まぁいいかw
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
ぽよぽよしてるところにピント欲しかったんだが。
こういう撮影はやはり一眼レフカメラの方がいい。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
ちょっと露出アンダー気味だけど鬱蒼とした好きな雰囲気。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
池に向かう道
貸しボートもあるのよ。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
水面下に水草がたなびいていて美しい。
PLフィルターがあれば水中の様子も写るかな。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
池を周遊する木道
唐松と苔の緑の中を進む。
とても気持ちいい。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
水辺までは行けるところとロープが張ってあって入っちゃダメなところがある。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
苔は野生動物に踏み荒らされた形跡なのないのは、足が小さいからなのか。
木々も生き物も生まれては死にまた生まれて育つ輪廻が見えるようだ。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
静かな池の水面を見てるだけで落ち着く。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
白駒池の辺りにある山小屋のひとつ「白駒荘」
この辺までなら池の駐車場からそんなに歩かなくても着くので
一泊してのんびり散策してみるものいいと思う。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
ここから登れば高見石小屋方面へ行ける。
余裕があったら高見石小屋にも泊まってみたかった。
でかい石があって見晴らしがよかったような…
ちょっと高いところだから天体観測もいいな。
次回は高見石小屋に泊まりたい。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
このへんでフィルム1本72枚撮り切ってしまった。
72枚とか余るか?と思ったがいい場所に行くと一瞬でなくなる。
PENTAX17(KODAK PORTRA160)
ロケハンを終えて青苔荘まで戻ってきてやっとビール飲めた図w
(スマホカメラ)
フィルムがなくなったので16時ごろ小屋に戻る
(スマホカメラ)
お世話になった麦草ヒュッテ
三角屋根でかわいい小屋
山小屋にしては割と広い。
(スマホカメラ)
ガラホの気圧計はこんな数字だけど実際はもっと標高が高い。
筆者は標高2,000mくらいの方が体調がいい。
特に森に入ると回復するしパワーが湧く。
長い間街に居続けるとよりダメになっていく(汗w
(スマホカメラ)
経験上、山小屋の晩ごはんとしてはものすごく美味しい。
普通に飯が美味い旅館というレベル。
晩ごはんにおちょこに1杯地ワインも付いていたし、サラダのほかにスイカもついていた。
お約束の地ビールをオプションに買って堪能。
とても美味しくて実はもっと飲みたかった…w
(スマホカメラ)

麦草ヒュッテの晩ごはんの時間が18時で消灯が21時。
ネットも繋がらない。ケータイの電波も繋がらない。
小屋のWiFiはあるようだけど、たぶん山奥のここまでは光回線が来てなさそうなので開放していないようでした。
流石に19時前に寝るのも寝にくいので食堂でしばらく持ってきたコミックを読む。PENTAX17のお手入れをする。
ネットから解放されるとこんなにも暇なのか?という久しぶりの経験をした。結局、やることもなく20時過ぎに就寝w
山だし静かだし意外に寝付けるものだなぁ。
夜中の2時にトイレに行く。子供の頃なら一大イベント肝試し的なものだろうが、おっさんになると特に怖いとかもなく前日に西友で買ったLED懐中電灯持って無事用足しを済ます。
星空が見えるかな?と窓の外を覗いたけれど薄く雲がかかっていて一等星のような明るい星がちょっと見える感じだったのでまた眠る。
朝食は6時にお願いしたので5時にタイマーを合わせたが5時30秒前くらいに自動起床。

2日目 ーモノクロームフィルム撮影ー につづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?