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パソコン界の革命Windows

現在、Windowsというのは単なるOSという位置づけに過ぎないが、ふと昔を振り返ってみると、Windowsの登場がPC市場をガラリと変えた起爆剤であったことを思い出す。

ボクが大学生だった1980年代の終わり頃、ボクと級友のヤスは近所のパソコンショップに度々訪れていた。そこには様々なパソコンが置いてあり、いつまでいても飽きなかった。
NECのPC-98シリーズ、FUJITSUのFMシリーズ、SharpのX68000シリーズなどがあったが、やはり主流はNECのPC98シリーズであった。

<かつてのパソコンショップは建屋そのままで現在はドラッグストア>

当時、PC-98用のソフト(主にゲーム)が数多くあり、それらのソフトを使うためにパソコンは必然的にPC-98を選ぶこととなる。
そういうわけでパソコン界でのPC-98のシェアは圧倒的であった。

ちなみに当時のソフトはOS込みのフロッピーディスク起動で、フロッピーを入れなければパソコンはただの箱。ハードディスクはまだ一般的ではなかった。

そんな時、NHKの特番を目にした。アメリカで画期的なソフトWindows3.0(後にWindows3.1が発売)が発売されたという。そしてそれが日本にもやってくるそうだ。

<Windows3.1のカタログ表紙>

これまでパソコンごとに対応ソフトが違っていた不便さを解消するため、Windows側でパソコンの違いを吸収し、どのパソコンであってもWindowsさえ入っていれば同じソフトが動かせるようになるとのこと。

<Windows3.1起動画面>
<Windows3.1起動後画面>
<各社パソコン対応表>

これは何を意味するかというと、ソフトの種類でパソコンを選ぶ必要がなくなるということだ。そうなると、必ずしもPC-98でなくとも良いということになる。

この特番は、恐らくNEC社内では大きな騒ぎになったのではないかと想像する。いや、もしかしたら逆にそこまで脅威に感じていなかったかも知れない。何しろWindows3.1が日本でも普及しはじめてからも対応ソフトは少なく、パソコン雑誌などでも「まだまだPC-98の時代は続く」、「PC-98でなければならない理由がある」などとさかんに言われていたものだった。

だが徐々にWindows対応ソフトも増えていき、やがてPC-98も姿を消してしまった。いやそれどころか、元々メーカーごとに異なる仕様を吸収するためのWindowsが今や主役となり、各メーカーのパソコンのほうからWindows準拠に合わせて作られるようになる。

NHK特番を観た当初、すごいことになりそうだなあとは思ったのは確かだが、まさかここまで大きく変わるとは予想外だった。

<Windows3.1を搭載した各社パソコン(ヨドバシカメラカタログ1994年)>

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