I always wanna die (sometimes)
棺の前で僕は立ち尽くしていた。参列者は皆泣き崩れている。神父が何やら話をしているが、降りしきる雨の無機質な音にかき消され、聞き取ることが出来ない。仮に晴天であっても頭の中には入ってこなかっただろう。
妹と最後に話をしたのはいつだっただろうか。泣き虫だけど、どこか負けず嫌いで頑固な部分があったな。僕がゲームで打ち負かしても、何度も挑戦してきたし、自転車の手放し運転は危ないからやめろと言っても全く聞く耳を持たず、
If I Lose Myself
「本当にこの道で大丈夫なのか? サウスコルの到着予定時刻を大幅に過ぎているが」エベレスト登頂を目指す同じグループで、ベースキャンプで訓練しているときに意気投合したジョナサンが息を弾ませながら尋ねてきた。
「ガイドを信じるしかないな。以前使っていたルートが雪崩で使えなくなったから、迂回している分時間がかかっているんだろう。とはいえ、もうすぐのはずだ」私は早口で言い、ジョナサンに急ぐよう促した。
前方を見上げると、真っ白な雪で覆われた広大な斜
Don’t look back in anger
「ねぇ、アレックス。いつまでふてくされているの? 会社で起きたトラブルなんて、今家で文句を言っても何も解決しないじゃない」
仕事から帰ってすぐ、リビングのテーブルにバッグを放り投げた後、ソファで悪態をついた俺に対して、小言を言ってきたリズが、時間を置いてまた小言を言ってきた。
「別にふてくされてなんかいないよ。もうほっといてくれ」
俺はリズと同じ場所にいるのが嫌になり、タバコの箱とライターをポケットにいれ、現金を手で掴み