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『幸せの授業』を読んで


樺沢紫苑先生の新刊『精神科医が教える幸せの授業』を読んだ。

読み終えた直後に、今後の人生に少しワクワクしている自分に気づいた。

この本は、まずは身体を整えることで心が整い、思考が変わることで日々の行動に変化が生まれ、今ある幸せに気づくことで幸福を積み重ねていけることを分かりやすく教えてくれている。

今の生き方にもがき、不眠気味で身体を整えきれていない私には、改善に努めることでまだ整う余地があると分かり、希望が湧くような内容だった。

本書では、幸せとは、脳内で幸福物質が出ていること、とある。

その3大幸福物質とは、優先順位が高い順に、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンだ。

心身が健康であるからこそ感じられる「セロトニンの幸福」を基盤に置き、その上に、愛やつながりの幸せである「オキシトシンの幸福」、成功や名誉、達成の幸せである「ドーパミンの幸福」と積み上げていく。

そして、本書では、それを❨幸せの三段重❩と表現しているところが面白い。

そう、幸福には優先順位がある。

しかし、考えてみれば、私の三段重は、小さ過ぎるセロトニンのお重を礎として、その上に中位のサイズのオキシトシンのお重、肥大化したドーパミンのお重が今にも崩れ落ちそうに積み上げられている。

このバランスの悪い三段重が崩れ落ちてしまえば、せっかくのお重を美味しくいただけなくなってしまう。そんなもったいないことを私はどれだけしてきたのだろう。

さらにもっと若い頃の私は、睡眠時間を削ったり、少し身体に無理をきかせても、社会でいわゆる見た目に分かりやすい成功、例えば仕事に邁進することや、人間関係を必要以上に広げることにばかり囚われた頭でっかちだった。

その結果、身体を壊しがちだったし、体調が悪くなると心も不安定になっていた。

まさに、本末転倒だ。

背伸びしてばかりしていたが、実際の自分はどうか。

人間関係に焦点を当てると、本当は人付き合いが得意ではない。

人見知りだし、いちいち人が言ったことを悶々と気にしてしまうことも多々ある。

だから、本当に心を許せる数人以外には、そんな自分を偽って、必死で明るく振る舞い、必要以上にどっと疲れる。

オキシトシンは人付き合いをすることで出るホルモンとのことだが、必要以上に人間関係を広げることばかり考えていては、そのオキシトシンのお重を美味しく堪能できないことも多々あるだろう。

それよりも、数人であっても、心を通わせる、その場その場で人に親切にし、他者から親切にされたら感謝する。
そんな幼少期に教えられた当たり前のことを地道に繰り返してこそ、オキシトシンのお重を美味しくいただけるのだろう。

ところで、最近、幼稚園に通う娘が、「人は、自分らしくないことをしていると気分が悪くなるね。」と言っていた。

自分らしさってなんだろう。

無駄に無理してきたことを、❛自分を偽っていた❜とは言うものの、偽って明るく振る舞ってしまうようなのも結局自分だ。

ただ、ドーパミン的欲求に支配されると、この偽りが顕著になる。

本当に自分が何者なのか分からなくなる感覚。

地に足がついていないフワフワした感覚。

この正体不明のモヤモヤを解決する為にも、まずは何よりも、セロトニン的幸福を追求して強固にすることが最優先だと、『幸せの授業』には繰り返し書かれている。

耳が痛い。

でも、解決策が見えてくると肩の力が抜けたようで、心が楽になったような感覚だ。

心身が整い、それを維持することを最優先にしようと意識すると、嫌でもそれが崩れるような過剰な無理はしなくなる。

生活に緩急をつけて、リラックスする時間を持つと、心に余裕が生まれてきそうだ。

すると、きっといるものといらないものが見えてくる。自分に本当に必要なものに集中できる。

それでも、人生にはどうしようもない時、トンネルから抜け出せないような八方塞がりな瞬間は訪れるだろう。
そんな時は、セロトニン重、オキシトシン重、ドーパミン重のどのお重からでもいいから少し食べてみて、その後、足りない栄養素を補うかのように三段重をいただく配分を調整していく。

例えば、まずは、睡眠時間をしっかりとったりリラックスする時間を大切にする等して、セロトニン重を美味しく噛みしめる。

身体が整ったら、ドーパミン重をつまみ食い。
自己投資し、自分の成長のために時間やお金を使う。

そして、どんな時も自分を支えてくれる人、周囲の人達に感謝しながらオキシトシン重を有難くいただこう。

どのような状況になろうとも、今ある幸せを探せる力を養い、幸せに気づくアンテナを持てるようになれば、きっと人生は立て直せる。

失ったものや今無いものではなく、今ある幸せに気づくことで、一歩一歩0を1に、1を3に。
マイペースに、少しずつ成長していきたい。

本を読んだだけなのにも関わらず、既に幸せな気分に浸っているというのは、樺沢先生著の『幸せの授業』が初めてかもしれない。

人生色々あるが、先のことはあまり考えず、「今」の中にある楽しさを日々味わっていこう。

健康にも、周囲の人にも、今生きていることにも感謝をしながら。

その積み重ねが人生になる。







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