【名盤伝説】 "Boz Scaggs" AOR四天王のアルバムを聴くなら先ずはこれから。
お気に入りのミュージシャとその作品を紹介しています。
AOR四天王の一人Boz Scaggs。1944年アメリカ・オハイオ州出身。今年(2024年)の6月で何と80歳になります。
1960年代から活動を続けていますが、ブルース色の強い作風で、個人的には好みではありません。初めて聴く方にはベスト盤『HITS』も良いとは思いますが、お薦めアルバムは『Silk Degrees』と『Middle Man』の2枚です。
まずは『Silk Degrees』(1976)。後にTOTOを結成することになるDavid Paich(Key)とJeff Porcaro(Drs)、David Hungate(Bs)がレコーディングに参加。特にPaichは全曲アレンジを担当。その卓越した音楽センスで、アルバム全体の音作りに多大な影響を及ぼします。人気曲「Georgia」や「Harbor Lights」、匠の技なPorcaroシャッフル全開の「Lid Shuffle」、そしてBozの代表曲ともいえる「We’re All Alone」などが収録されています。ロックテイストを基調としながらも、ホーンやシンセが彩を添え、ブルージーなBozのボーカルと合わせて、様々な嗜好性のある音楽が融合した、時代のクロスオーバーサウンドの典型といえるでしょう。
※クロスオーバーって何?って、いつか詳しく語りたいと思っています。
私も含めてですが、当時、アルバムの裏ジャケットのミュージシャン・クレジットを見てその音を想像し、レコードを集めるマニアには多かったのではないかと思います。この『Silk・・』と『Middle・・』の間の『Down to then Left』(1977)については、重鎮Michael Omartian(Key)が全面参加だし、Jay Graydon(G)もいるなら…と期待したものの、楽曲は今ひとつの印象です。
そしてその次作『Middle Man』(1980)は超お薦めです。AORを代表する1枚といってもよいと思います。既にメジャーデビューを果たしたTOTOサウンド全開のバッキング・トラック。そんなTOTOからは前々作から引き続きDavid Paich(Key)、Jeff Porcaro(Drs)、David Hungate(Bs)、そして満を持してSteve Lukather(G)も参加です。アレンジャーにはDavid Fosterがほぼ全面参画。個人的にはFoster色が良い意味で感じられず、ロックテイストがきちんと織り込まれた仕上がりになっていると感じます。
アルバムトップM1の「Jojo」、イントロからいきなり細かな技満載の心地よいPorcaroリズムを聞くことができます。さらにハードなLukeのギターソロ炸裂のM2「Breakdown Dead Ahead」と、一体このアルバムはどれだけ凄いことになるのかというほどワクワクする曲が続きます。泣きのギターソロが聞きどころの名バラードM4「You Can Have Me Anytime」、リズムを刻むPorcaroの笑顔が浮かぶポップ・チューンM7「Angel You」、歌姫Rosemary Buttlerのコーラスの絡みが美しいM8「Isn’t It Time」、そしてアルバム最後を飾るハードなミドルチューンM9「You Got Some Imagination」と、アルバムの曲構成も完璧です。
Bozを聴くなら、先ずはこの2枚をおさえてほしいものです。
冒頭に触れたAOR四天王って誰か?ということについては、語る人によって微妙に異なりますが、私にはBoz Scaggs、Bobby Caldwell、Michael Franks、そしてNed Dohenyですかね。Gino Vannelliをあげる人もいます。Steely DanやChristopher Crossも大御所ですが微妙に違うかなと・・・ほんと個人の好みです。趣味の世界のお話ですから、きちんとした定義なんて必要ありません。こう思っている人がいるということでお願いします。
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