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疲れた学校現場を救うために

給特法…だけじゃないんだなぁ

中央教育審議会の特別部会が素案を示し、いわゆる残業代の代わりに支払われている「教職調整額」を月給の4%から10%に引き上げる方向とのこと。必死にがんばっている現場の教員からしたら、もちろんありがたいことだ。でも、一番望んでいることはそこではない、と私は思う。給料があがったからといってすぐに教員が増えるわけでもない。やるべきことが減るわけでもない。疲れた学校現場が元気を取り戻すためには、国にもっと別のことにも力を注いでほしいのではないかな、と。

「教員のやるべきこと」を減らすために、ここ数年「働き方改革」が進められている。その呼びかけで、確かに教員の意識も高まったし、現場でやれることはやってきた。スクールサポートスッタフの導入など、ありがたい支援もある。教育委員会もがんばってくれている。ここでさらに「残業減らせ、働き方を変えろ」と言われても、もう限界が来ている。

教員は授業だけやっていればよいのではない。もともとそうではあるが、ここ10年くらい(私的な体感だが)で、教員に期待される役割が増え過ぎた。そして、そもそもの「授業」でやるべきこと=学ばせると定められているもの、が多すぎる。学ばせると定められているもの、つまり学習指導要領の内容そのものが、量的にも質的にも、本当に今の時代に必要な内容となっているのか。学習指導要領に示された内容のどれもが、子どもたちにとって役に立つのはわかっている。しかし、「全て」が本当に今必要なのか。

「各学校でカリキュラムの工夫を」と任され、取り組んではいるが、現場でできることには限界がある。そして正直、目の前の子どもたちに全力で向き合いながら、そこに深く踏み込む余力などない。

「働き方改革」を進めるだけではなく、
これからの時代を担う子どもたちにとって本当に必要なことは何か、学習指導要領の大胆な精選や、学校制度のあり方の検討を国が行ってくれたら、と切に願う。
子どもたちのために、先生たちのために。
それは、日本の将来を創っていくことでもあるのだし。

働き方改革の呼びかけで、「スクラップ・アンド・ビルドで!子どもたちのためにといってビルド・アンド・ビルドにならないように!」とよく言われるが、そもそもの大元がビルド・アンド・ビルドのような…

元教員の、私的な意見です…


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