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仕事と家庭の両立。子あり管理職女性と子あり時短非管理職女性のちょっとした摩擦についてやるせない気持ちになったこと。

在宅勤務になって減った井戸端会議。

以前、時短勤務をしていた頃は、話が終わらない人に時間が取られることが少し憂鬱だった。
在宅勤務になってからは、なんだか雑談したい気持ちになったり、雑談のあと気がほぐれて顔が綻んでる自分に気付いたりする。

ちょっと聞きづてならない話を知人から聞く機会があった。

彼女は管理職で仕事が好き。
お金すきなんで、とちょっとコミカルに仕事欲を公言していたそうだ。
そしたら、時短勤務の非管理職の女性に「私は家庭優先ですけど」と当て付けのようなことを言われてしまったと。
配慮が足りなかったのではと反省したそうだ。

仮に、管理職の彼女をAさん、
時短勤務の女性をBさんとする。
Aさんには、「BさんはきっとAさんが羨ましかったんですよ」と言えば話は終わる。
けどBさんの気持ちを様々に想像することはできた。

例えばこんな感じに。

私だって、もっと仕事がしたいのに
夫の帰りが遅くていつもワンオペ
2人も面倒みながらでいつもクタクタ
実家の助けも借りられない
仕事を続けるだけでやっと
育休前は私だって期待されていたのに
仕事に手を抜いてはいないが評価されない
時短で仕事のチャンスが減って悲しい
なぜ時短を取るとやる気がないと思われるのか
時短でも、持ち帰り残業しているのに
子どもが病気がちで仕事を継続するのに精一杯
仕事に集中できる人が羨ましい
どっちつかずになり苦しい


考えるだけで胸が締め付けられる。
こういった葛藤は母親に偏りがちだ。
切なくて悔しくてやるせなくなってしまう。

職場にいる以上、子育て優先は自慢にはならないのは自明の理。気心知れた仲に言うのはありでも、社交の場で言う人は少なかろう。それなのにそんなセリフを吐かざるを得ない事情があったのかもしれない。

子どもがいたら、それも何人もいたら、生活をしながら仕事を続ける難易度は自然と高くなる。ワンオペならなおさら。仕事始め前にもうゴリゴリ体力精神力を削られている。

それでも仕事を続けるのは、子どもの教育資金などお金のためもあるかもしれないけれど、責任感や仕事が好きな気持ち、キャリアを諦めたくない気持ちがあるからこそではないか。

仕事より家庭を優先する人というレッテルに負けずに、例え時短でサラリーが下がっても、出世競争で不利であろうとも、仕事の質を落とさない、笑顔を絶やさない、という努力を人知れずしているのかもしれない。踏み崩される砂のお城を必死に立て直し続けるみたいに。

今は耐え時だけど必ず突破できる時が来ると励ましてくれる人が近くにいますように、などと思ってしまう。

そんな先の見えない闘いを孤独に続けていたとしたら、ふとした瞬間に、飲み込み続けてきた苦しさが溢れ出てしまうかもしれない。案外と、敵は女性側に居たりもする。

例えば、できない人はやる気がないんじゃない?というような人がいたら。でも家庭環境も、職業観も、子どもの人数や性格、体質なんかも人それぞれで比べられない。そもそも、私は、あなたは、という線引きができない世界だと思う。

と、ここまで大袈裟に人のことを勝手に妄想して、考えて。

Bさんが苦しみを背負っているのではなくて、ただのやっかみで冒頭の「家庭優先」発言をしただけならいいな、と思ってしまった。


ここからは、私の話。

先日、3年ぶりに対面式の新年の決起集会が開催されて行ってきた。私も、オフィスに2020年2月から1度しか行っていなく、3年ぶりに、または初めて会う人ばかりだった。

夫に夜子ども2人は任せられず、途中退散して帰っている間、複雑な気持ちになった。最後まで会に居られないことや、昨年の表彰で産休前まで担当した仕事が金賞を受賞した(つまり、産休育休で賞を逃した)ことが悔しくなった。誰も私を不真面目だとか責めたりしないけど、あんなに仕事が好きだったのに、オフィスのみならず、仕事からも遠のいている気がして虚しかった。

しかし、帰宅すると、長男がコロナワクチンの副反応で発熱し、次男も少し咳が出ており一気に母親モードになった。やっぱり子どもたちの健やかな成長を今はキャリアよりも守りたいと思っていた。

自分が歳をとったせいもあるかもしれないし、長男の時の苦い経験や、夫や実家の状況、子どもたちの性質に体質や持病など、様々な要因が重なり、私が家庭にコミットする度合いが強くなってきている気がする。子どもが小学校にあがれば、学校での様子がコミット度合いに直結する。

子離れするにつれまた変わるかもしれない。あるいは、子どもが1人だけで、それも手がかからない子で、仕事に邁進していたら、全く違う自分でいただろうと思う。となれば、家庭と仕事は、どちらが大事、といった黒か白でなく、グラデーションのように移りゆく色合いのバリエーションな気がしている。

あなたの色、いいね。
私の色もいいね。
今はそういう色なんだ、それもいいね。

そんな世界になれば良いのにと思う。


政府の異次元の少子化対策のうちに、育休中の学び直し支援があるらしい。育休中、学びにまで手がつけられるかは、人それぞれ事情が違い一概に言えないと思う。 

子どもに病気があったり、母親の産後の体調が良くなかったりで、学びに割ける時間がなかった人が「やる気のない人認定」されませんように。

仕事より優先せざるを得ない物がある人が一律でやる気のない人認定されませんように。

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