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子育て。シワに厳しい息子との無言の戦い。そして自分との戦い。シワと幸せな人生を歩んでいる人の知恵が知りたい!

「ママ、なんかこれやだ。」

なかなか口を大きく開けてくれない息子の口を必死に覗き込みながら仕上げ歯磨きをしていると、息子に言われた。

「やだって何が?」

口が歯ブラシで塞がっているので、
これこれ!と言いたげな息子の視線の先をふとみると。
そこはおでこ。

これとはなんぞ?
息子の手がおでこに動いた!
どうやら、おでこのシワのようだ!

「おでこにシワが寄るのがいやなの?」
と聞くと、うんうんと頷いている。
息子はまだ、シワという言葉を知らなかった。

険しく口を覗き込んでごめんね、
という思いと、
それなら口を大きくあけてくれ!
という思いと、
以前はおでこにも塗っていたシワ予防クリームをすっかりサボっていることに対する後悔がどっと押し寄せてきた。

理由を聞いても判然としなかったが、息子はシワが寄るのがいやらしい。

仕方なく、角度を変えて、なるべくおでこにシワがよらないようにして仕上げ磨きを終えた。

そんなことはすっかり忘れた別の日。

夜に絵本を読んであげていると。
「ママ、これ何?」
息子はまたも顔で何かを訴えている。
顔をくしゃっとして、口の辺りがせせこましい。一生懸命にシワを作っているみたいだ。

忘れかけていた、歯磨きのときの記憶が再来し絶望した。

「これのこと?」
ほうれい線を指さして私は聞いた。

「そう、それ」
息子はくしゃっとした顔を保ったまま、無邪気に笑っている。まだ彼は、シワという言葉を理解していない。

少し考えて、ほうれい線の説明をするのはやめた。
「これはね、残念ながら、そう簡単にはなくならないよ」潔く言い放った。

世の中には、どうしようもないこともあるさ。
芸能人のように、あの手この手で顔を膨らませる気までは起きなかった私。

シワに厳しい息子。

他のママと比べてうちのママは老けている、とか言い出すかもしれない。
焦りを感じなくもない。
シワに効くクリームを買うべきかいなか。
しかし今の日常に新たなスキンケアを取り込む余裕を感じられない。

息子は、おでこのシワのときとは違って、そうなんだ、へー。くらいのテンションでその会話を終わりにした。私からの無言の撤退要請を飲み込んでくれたようだ。

子どもって、結構細かいこともよく見てるんだな、と思う。

ほうれい線は、細かいどころか目立ってるんだけど。

基本的に、息子とのやり取りは幸せな気持ちになって終わることが多い。

しかしこの時ばかりは、後味の悪い、ジャリッとした感覚が残って終わった。

わざとくしゃっとしていないデフォルトの息子の顔には、シワどころかしみそばかすもいっさいなく、陶器のようにつるんとしていた。

彼が寝た後に、さらさらのほっぺをなでなでして、その美肌を羨ましく思った。

肌の潤いと引き換えに私は何を手にしたのか?

そんなテーマでは話が膨らまない。
不毛な記事を書く時間があれば、とっととシワに効くクリームを塗った方が良いかもしれない。

シワといい感じに生きている人、参考にさせてください!

春に新しく出会う人に疲れた人だと思われぬよう、なんとかせねば…

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