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なぜ保護者やコーチは子どものプレイに怒る必要がないのか(前フリとしての筆者情報追加とペアレントトレーニングについて)

 前回の記事で「サッカーのプレイに関して、基本、大人が子供に怒ることは、必要ないと思います。なぜなら、サッカーを含めてスポーツというのは、究極的には遊びだからです。」と書いたのですが、ちょっと、この部分について、言葉が足りてないな、もう少し補足がいるなと思ったので、追加記事を書きたいと思います。
 ただその前に、今回の記事では筆者について、少し情報を補足、追加します(ちょっと長くなって恐縮なので、読み飛ばし可能です。「怒る必要が無い理由」については、後の記事を参照ください)。

 筆者プロフィールを今回の記事を作成するにあたって、追加したのですが、実は私自身は某県の児童相談所で心理職として勤務しております。そのため、仕事の中で、子育て、特に保護者が子どもに対して、どのように接するか、どのように言葉がけしていくかについて、一応専門職として学んでいます。
 児童相談所というと、虐待のイメージが近年、特に強いと思うのですが、そもそも児童“相談所”というだけあって、本来は広く子育て相談を受け付けています。ただ、実際には、虐待対応機関のイメージがあまりに強くなってしまったため、普通の子育て相談をするには、敷居が高い、あるいは下手に児童相談所に相談に行くと、周囲から「虐待しているんじゃないの?」と疑われるのが不安という状況になってしまっていて、普通の子育て相談に来る人は、少なくなってしまった、というのが実情だったりします。
 ただ、虐待対応をする中で、色々な保護者の方に会うわけですが、ほとんどの保護者は虐待をしたくてしている訳ではないんですよね。皆さん一生懸命、子育てをされているのですが、なかなか上手くいかない、子どもが言うことを聞いてくれない、親にも知識や余裕が無い中で、結果的に虐待的な対応になってしまう、というのがほとんどです。
 児童相談所は、どちらかというと、既に虐待的な対応になってしまった後に、通告といって、周囲(学校だったり、近隣だったり様々ですが)から連絡を受けて、介入していく、いわば事後対応がメインになってしまっているのですが、これ、本当は虐待的な対応になる前、子育てに困っている段階で、事前の予防として、対応、介入できれば、結果的に虐待が起こらないで済んで、保護者も嬉しい、児童相談所も嬉しい、何より子どもにとって良いことですよね。ですので、もっと事前の予防対応に力を入れる必要があるよねという反省が、ここ10年ほど業界で強くなっています。
 そうした中で、最近、力を入れているのが「ペアレントトレーニング=親の練習」という、子育てに関するノウハウを、保護者に伝える技法の普及、啓発です。筆者はこのペアレントトレーニングを、普及啓発するために、研修講師をしていたりします。ですので、今回の「子どものプレイに怒る必要が無い」という記事にも、こうしたペアレントトレーニングの考え方、知識が背景にあります。その点を
知ってもらったうえで、記事を読んでもらうと、より何が言いたいのか、理解してもらえると思うので、事前の説明として書きました。
 ちょっと前振りが長くなってしまったので「なぜ保護者やコーチは子供のプレイに怒る必要が無いのか」の中身については、記事を分けて、書きたいと思います。
 ペアレントトレーニングについてもう少し詳しく知りたいという方向けに、一応、参考図書を貼っておきます。読んでもらえば、おおよその感じがつかめるのかなと思います。


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