歌詞の大切さ

私は音楽が好きだ。
今、某レコード屋で働いているし、家族も音楽が好きだし、日常的にもたくさん音楽に触れる機会がある。

しかしどんな好きな人や恋人でも、SEKAI NO OWARIとかNovelbrightとか聴いてたり好きだと言ってたりすると、「うわぁまじか…私と全然趣味合わないじゃん」と途端に引いてしまう。

それぞれ好きな曲を自由に聴けばいいと思うのだが、ちょっと気になっていた人から、Novelbrightをおすすめされて、新アルバムの「circus」を聴いたのだが、自分の感性と合わなさすぎて、ゾワッとした。
全てにおいて薄っぺらい。
今まで出尽くしたようなJ-POPをさらに濾して、ゲロ甘く薄めたような曲ばかり。

嫌嫌という曲も、椎名林檎の丸の内サディスティックの曲調を丸パクリしてるし、本家に比べて全然カッコよくないし、むしろダサい。
Just The Two of Us進行の無駄遣いすぎる。
小学生がイキって大人の真似をしている感じの幼稚さは拭えなかった。

awesome lifeという、よく言えばキャッチーで爽やかで、悪くいえば、地方都市の国道沿いのラーメン屋の有線でかかってそう(ラーメン屋でも食券制のタイプ)な曲があるのだが、歌詞をよく見ると

It's up to you
ハイテンションなWonderful time
訳も分からず踊っちゃいなよCome on!
少しは楽になるから
It's up to me

うわ、なんだこの偏差値低そうな日本語は。
そもそもハイテンションなワンダフルタイムて何やねん。

私はいちおう、昔から国語だけは得意で、大学では文学部に進学し、みっちり4年間それなりに極めてきた。だから、こういうアホそうな歌詞を見ると、受け付けられなくなる。
人一倍、響きや文法に厳しいのです。

今までこの歌詞はすごいなと思ったのは、

Oh ならば愛をこめて
So 手紙をしたためよう
作り話に花を咲かせ
僕は読み返しては 感動している!

(フジファブリック・桜の季節)

この歌詞を最初見たとき、頭が??となった。
作り話に花を咲かせ、、、っていや作り話かーい!
なんで??とまずなる。
しかもそれを読み返して感動する、、、
作り話なのに、、、?
あと、手紙を書くじゃなくてしたためるっていうのも古風でインパクトがある。
しかもたぶんこの主人公は、手紙も出さないと思う。
ずっと頭の中で色々考えて完結するか、悶々としているイメージ。
だけど、こういう逆説的で深い歌詞を書ける志村正彦は、改めて天才だと思う。

逆説的な歌詞といえば他に、

君は僕を忘れるから
そうすればもうすぐに君に会いに行ける
(ユニコーン・すばらしい日々)

がある。
これも、??と一瞬なるような非常に複雑で分かりにくい歌詞。
でも、大人になってこの歌詞の意味をちゃん理解できるようになって、やはり奥田民生は天才だとまたまた改めて思った。

こういうハイレベルな歌詞や音楽をふだんから聴いてしまっているせいで、前述したような文学的偏差値の低そうな(失礼)単純バカポップスを聴いている人を見ると、途端に蛙化現象を起こしてしまう。

ああ、生きにくい性格だ。

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