OldM1 NewM1から考える臨床アイディア
こんにちは。すけです!
このノートでは専門学校時代の同級生3人と日々感じたことや勉強したことを発信していくアカウントです。
本日のテーマは
「Old M1 New M1から考える臨床アイディア」
です。
なぜこの内容にしたのかというと、、、
運動をするには感覚が必要だよな?
おや?
では運動と感覚の関係はどうなんだっけ?
、、、という疑問からです。
この疑問を解消すべく話を進めていきます。
一次運動野(4野)の2つの領域
上の図を簡単にすると?
一次運動野
下降路
M1 は2つに分類
↓ ↓
Old M1 New M1
:粗大な手の運動 :プレシェープ
手指の巧緻性
それでは2つの特徴を理解していきましょう!
Old M1
Old M1の出力はCST(皮質脊髄路)からIn(介在ニューロン)を経由して運動神経へ
投射は脳幹を経由するため、より近位筋の活動を伴った手の制御が可能となります。
Old M1 には粗大な手の運動に関与する領域があると言われています。
また固有感覚の入力を豊富に受けるのです。
New M1
New M1はCM細胞(皮質運動ニューロン)から直接運動神経へ
進化の観点からみると、最近の出現であると言われ、
投射は単シナプス性で直接脊髄の前角細胞へ接続するため、細かく素早い手の制御が可能となります。
そのため高度にスキル化された運動に関与し、新しい運動パターン生成に必要となります。
New M1 は針に糸を通すことやピアノの演奏など今の人間らしい手の動きに関与します。
また皮膚感覚の入力を豊富に受けます。
まとめると、、
これで両者の特徴を理解できましたね!
ここで気になるのはどちらも固有感覚や表在感覚の入力を豊富に受けているということです。
では皮質脊髄路と感覚の関係は?
外側皮質脊髄路をおさらいすると、、
皮質脊髄路の構成要素は
なんと、外側皮質脊髄路の 1/3 が体性感覚野から起こるのです。
つまり、、
ここでは簡潔に、
随意運動の実行のために6野からの投射を4野で受け取り、
4野から体幹・上下肢の運動を制御する外側皮質脊髄路が投射されます。
この時に、3.1.2野は脊髄への投射を介して運動時における体性感覚入力の制御に関与しているのです。
つまり、固有感覚や表在感覚の触覚情報を3.1.2野で豊富に受け取ることで、運動の神経路である外側皮質脊髄路の投射がより強化なものとなるのはイメージしやすいですよね!
臨床場面では
M1の活動は Reach to Grasp を通して変化すると言われています。
Old M1 では固有感覚の刺激からパターン化や習慣化された人間本来の活動に関与しています。
New M1 では表在感覚の刺激から高度にスキル化されたピアノの演奏など細かな日常の運動に関与しているのです。
これを踏まえて臨床では、
麻痺側の手に対して、
「指を伸ばしてください!」
「ボールを強く握ってください!」と
ただ Reach to Grasp を行い、皮質の活動を強化しようとしても本来の潜在性を引き出せていない可能性があるのです。
また患者さんの
手掌面の皮膚の状態はどうかな?
指は使っていない硬さではないかな?
内在筋は萎縮していないかな?
などを確認してみましょう。
そこで
手拭きタオルで拭いてあげる時の摩擦刺激、
手掌面にボールを強く当てることで関節包に対する振動刺激、
徒手による皮膚・筋・靭帯への圧迫刺激、
どのような触覚情報を入力していくことで感覚野が発火してくるかなと考えてみましょう!
さいごに
今回のテーマは、患者さんの多くの問題点の内の一つの視点でしかありません。
しかし、この視点を持つことで、ただひたすらに動かしてもらうように指導していた手の機能アプローチから、少し変化を加えた新しい臨床アイディアになると思います。
では
「明日からの介入で患者さんに少しでもいい経験をしてもらえるように‼︎」
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