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ミスティー・ナイツ全35話(note創作大賞2024に応募)

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近未来を舞台に怪盗が活躍するサスペンス・ミステリーです。note創作大賞2024応募作品。全35話完結。全話UPしました。
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記事一覧

ミスティー・ナイツ(第35話 最終話 ラスト・スパート)

 雲村博士の研究所を襲撃するジェットヘリは、全部で5機。南美島から飛行機で飛んできた畠山…

ミスティー・ナイツ(第34話 無残な末路)

 衣舞姫は研究所の一室を借りると、早速常に所持してるノーパソでハッキングを開始した。鶴本…

ミスティー・ナイツ(第33話 猿芝居)

「明定様が、今お見えになりました」  その声は、執事のものだ。彼は有能を絵に描いたような…

ミスティー・ナイツ(第32話 葬送)

 木戸脇は丸太のように太い腕で裏切り者を押さえつけながら宣言した。そんな状況の中で今度は…

ミスティー・ナイツ(第31話 裏切り)

「番号がわからねえんだ。おれには開けられねえ」  美山は再び、靴で男の腹を踏んだ。男はま…

ミスティー・ナイツ(第30話 惨劇)

 美山は口笛を吹いた。 「ありがてえ」 「元々粒島はバブルの頃に成金が島ごと買って、プライ…

ミスティー・ナイツ(第29話 敵地潜入)

 星空がとても美しい。観てるだけで、吸いこまれそうな気がするくらい。美山はそんな夜空の下、ダイビングスーツに身を包むと、海に潜って島に向かった。   海夢と釘谷も同じ姿で一緒に泳いだ。 浜辺にたどりついた3名は暗視スコープを顔に装着した。周囲は漆黒の暗闇で、島にある建物に、わずかの明かりが見える程度だ。  聞こえるのは、浜辺に寄せる波の音だけである。どこかからひょっこり幽霊やゾンビが出てきても、おかしくないようなシチュエーションだ。  潮の臭いが鼻をくすぐる。こんな状況じゃな

ミスティー・ナイツ(第28話 ダーク・タイム)

残り7名の潜水艦乗りが衣舞姫と共に島に残る。 フォルモッサが再び襲われる可能性がある…

ミスティー・ナイツ(第27話 別れの果てに)

 美山は彼女に声をかけた。愛梨が振りむく。ジェットヘリは、機銃の狙いを彼女に定める。  …

ミスティー・ナイツ(第26話 反撃の行方)

 反射的に目を覚ました美山は本能的にベッドから床に転がりおち、その下にもぐりこむ。どこか…

ミスティー・ナイツ(第25話 意外な銃声)

「おれを人質に、身代金でも要求するのか?」 「いいや。おれ達は営利誘拐はしない主義だ。あ…

ミスティー・ナイツ(第24話 美しき島フォルモッサ)

 南洋の青い空を飛ぶスカイ・カーの眼前に、小さな島が見えてきた。フォルモッサである。ここ…

ミスティー・ナイツ(第23話 人質)

「貴様一体……」 「今からおれが、あんたの主人だ。言う通りに動いてもらう。そこにある金を…

ミスティー・ナイツ(第22話 予期せぬ障害)

王冠をまんまと盗られた花宮は、世界がガラガラと崩れるような、無残な気持ちを味わっていた。これで自分がクビになるのは間違いない。よくて左遷だ。  国立美術館の保安チーフとして、一般のサラリーマンとは比べ物にならないぐらいもらっていた高い給料ともオサラバだろう。家や車のローンは一体どうなるのか。  妻子や両親に、どう釈明すればいいだろう。花宮は眼前が真っ暗になるような思いがした。穴があったら入りたいとは、今の心境こそ、物語る言葉に違いない。            *  警備員の