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隣同士化粧と読書の話(2024.3/17の日記)
帰省をする日。朝からゴミ出しをしたり洗濯をしたり大忙しだった。使い切れなかったにんじん、タマネギ、ゆで卵を保冷バッグに詰めて電車に乗る。
乗り換えの待ち時間がほとんど無く新幹線に乗れた。自由席で前を歩く男性が空いている席を素通りしたので、なんでだろうと思ったら、隣に化粧品を広げてメイクする女性がいた。私は座れたらいいのでお隣いいですかと断って座った。
私が乗る前からだから、1時間以上かけて丁寧に丁寧にお化粧をしていた。赤の他人なのに、その丁寧で職人のようなお化粧が誇らしく、じっとは見ていないけど格好良いなとずっと思っていた。
その格好良い人の横で私はひたすら本を読んで過ごした。前回帰省したときに買った文芸誌を読み終わり、新しい本を読み始めた。買ったのは高校生の頃で、気になるところを拾い読みしていたが読み終わってはいなかった。
文豪と呼ばれる作家らが、他の作家や家族とのやりとりに使った悪口がまとめられた本。最近いわゆる文豪の本を好んで読むので、私生活や背景まで知りたいと思い、改めて読み直すことにした。
新幹線の中で文豪たちの悪口を見るたびに、笑いをこらえるのに必死だった。直球の殺意も回りくどい批難もめちゃめちゃ面白い。小説を読むだけでは知らなかった作家の交友関係や性格が明らかになるのが面白い。次に小説を読む楽しみに勢いをつけてくれた気がした。
今までに無い最短時間の乗り換えで実家の最寄りに着いた。迎えに来てくれた姉が「父さんが車を洗ったから雨が降った」と言ってドアを開けてくれた。
年末年始以降にあったことを家族に話ながら昼食を食べた。またしばらくゆっくりできる嬉しさでお腹いっぱいになった。
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