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初めて自家用車を運転する話(2024.3/20の日記)

 初めて教習車以外の車を運転した。隣に父親を乗せて。殺してしまわなくて良かった。

 午前中に姉の運転で本屋さんに行き、某ハンバーガーショップで限定のメニューを買って食べた。その後、昼寝をし損ねた父を無理に引っ張って運転に同行してもらった。

 雨が降り、風が強い中での運転、初めての車、ガードレールの無い片側一車線という悪条件をなんとかこなした。「こなした」というより、「結果的に死ななかった」という方が正しい。運転の経験が無く、危険さについて無知だからこそできた所業だと思う。父は顔が引きつっていた。

 一時間近く運転して家に帰った。ちょっと離れたコンビニに行き、そこでしか買えない商品を買うことで、姉と母に車を運転した証拠をお土産にすることにした。教習所では習わないので、バックと駐車ができないことに気がついた。エンジンをふかしては父に「初心者の音がする」と苦笑いされた。

 家に帰ってから、「運転楽しい」という気持ちと「マジでヤバい、怖すぎる」という気持ちが半々にあった。教習で初めて路上に出た時と同じような気持ちだ。だけどあのときと違うのは「怖い」という気持ちが運転に対するものではなく、「運転楽しい」と思っている自分に対するものだったことだ。

 私は無知だから「楽しい」と思って運転できていたということ、後続車や対向車がいかに良心的な運転をしてくれていたかということが分かってゾッとした。えーん、多分私は初心運転期間中にとんでもない事故を起こしてとんでもない怪我をするか最悪死亡するかのどちらかだと思う。ヤバ。もうヤバいしか言葉が出てこない。もう運転したくない気持ちが強くなってきた。いっときは自分の車を持てる可能性にウキウキしていたのにな。教習所にいやいや通っていた頃に戻ってしまった。運転したくないし、免許を持っていたくない。

 父親からは回数を乗らないとしかたがないと言われた。慣れる日が来ればいいなと思った。父に「疲れたからよく昼寝できるでしょ」と言ったら「あほう、寝られるわけなかろう」と言われた。もっともだ。こういう冗談を父に向かって言っていることも怖い。危機感がなさ過ぎて。

 夕食は車に乗った話や今日の仕事の話をしながら居酒屋さんで食べた。初めて家族みんなにお通しが出るようになった。しょっぱい料理がおいしい。

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