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発達心理を学ぶ。歴史的心理学者のメモ書き。

今学んでいる事、自分のメモとして残しています。
読みにくい等があるかもしれませんが、伝えようとしてメモをしていないのでご了承ください。

子どもと大人は違うのか。歴史的心理学者の見解

発達の起こり、始まり、どう作られるか

■子どもは小さな大人である
 昔は6、7歳頃に家を離れ仕事をしに家庭の外に出ていた。しかし、1500年頃から商業が発展し、読み書き・算数の教育が始まり、学校が出来、多くの子どもが仕事ではなく、学校教育を受けるようになった。
 この流れから、子どもの教育の最も良い方法が考えられるようになった。

■ジョン・ロック

 『教育論』(1693)で子どもの最も良い教育法を展開した。氏か育ちか問題の「氏」の考えに批判的であった。教育により人が形成されると論じていた。連合⇒反復⇒模倣⇒報酬と罰により心が発達すると考える。教育は規則や罰によるものではなく、見本を見せて導くべきという考え。彼らの発達に合わせて導く事が大切。好奇心を示している物を利用して、楽しみながら学べる教育的遊びを作り、疑問に耳を傾け答えを導き出す関わりが大切である。
 現代のペアレントトレーニングにもほぼそのまま取り入れられている。

■ジャン-ジャック・ルソー

 子どもは元気に成長する為に大人の考えを押し付ける必要はない。社会から守られ、彼らの思い通りに発達するべきとロックとは違う見解を述べている。『エミール』(1672)は発達心理学にとって重要な物となった。
 賞賛による報酬や、罰を与えるといったロックの原則は、社会に強く依存させる事を指摘している。

■ルソーの考える子どもの発達段階

①乳児(0~2歳)
 感覚を通して学習する時期
 *大人は感覚情報を沢山刺激し満足するサポートを
②児童期(3~12歳)
 探索する力が増し、独立性を獲得していく。模倣や自分自身の探索により学習。
 *大人は子どもの学習を見守り、試行錯誤のサポートを
③児童後期(12歳~15歳)
 論理的思考と合理性が生まれる。
 *大人は興味を目覚めさせ、学習する事の学習をサポート
④青年期(15歳~20歳)
 思春期のスタート。他者への依存。社会的存在における自分の激しい感情の目覚めに困惑する
 *大人は青年の自立した状態を保ちながら、感情のコントロールを出来るようにサポート。
 *激しい感情はスポーツ等の活動に力を注ぎ、感情移入を育てる。歴史と文学の学びは人間の本性について洞察を与えると考える。

ただし、ルソーは子どもの社会的能力に対しては悲観的であった。思春期の始まりが、社会的存在の始まりと位置付けられていた。ルソーは教育において、ペスタロッチに強い影響を与え、ヨーロッパの各地から彼の学校に生徒が通った。幼稚園を設立したフレーベルもペスタロッチの学校で4年間教師として勤めていた。

■ジャン・ピアジェ

 20世紀におけるもっとも重要な発達心理学者。ピアジェの認知発達論の基盤は「子どもの思考は質的に成人の思考と異なり、子どもの誤答は彼らの思考の特徴を示している」という洞察である。数多くの論文の中でも影響を与えたのは、
・乳児は反復的な活動から、知能が発達していく
・概念の形成
・想像と現実
について論じた物である。

■ピアジェの発達の考え

 思考や言語は、乳児期の反復行動、知覚、模倣を経験し、積み重ねていく事で、段階的に発達していくとしている。段階の意向は、StepUPだけではなく、物事を異なった手法で行う事も段階の移行とした。また、年齢ではなく、段階の移行は個々の子どもによって異なるとした。ただし、発達の段階は不変であり、常に同じ順序で起こるとされている。

①感覚運動期(0~2歳頃)
 感覚情報と運動能力を協応させ、周りの認識を獲得していく
②前操作的段階(2歳~7歳頃)
 言語の開始により、みたて遊びや自分の思いに気づき始める。他者視点の獲得や心的な情報の操作はまだ難しい。
③具体的操作段階(7~12歳)
 論理的ルールを問題解決に使用し始める外見に左右されないが、抽象的な問題はまだ難しい。
④形式的操作段階(12歳~)
 すべての人がこの段階に至るとは限らない。抽象的概念について考える事が出来、仮説的な状況での思考が可能となる。

ピアジェの発達段階は多くの批判を受けてきた。すべての発達領域において、当てはまらない事がある。乳児期における子どもの能力の過少評価である。

■レフ・ヴィゴツキー

 ピアジェと同じ1896年生まれ。発達は社会的交渉を基礎とし、子どもは成人や他の仲間から学習し、社会化されるという考え方。言語が中心的な役割を果たしていると考える。話し言葉+現実が統合される時が認知発達に最も重要な時期。統合されたのち、自問自答が生まれ、認知的活動を体制下し、行動の計画や方向性を示し、内面化されていく。
 言語の他には描画、読み書き、地図、図表、数のツールは言葉と同様に認知行動を体制化し、促す物である。

■ジョン・ボウルヴィ

 情動発達(感情)に焦点を当てた人物。理論の基礎は、動物行動学の原理に沿って、乳児と母親の愛着的な絆の形成を説明する事。子どもは自分の母親もしくは、それに代わる養育者と絆を形成するように導かれると考えた。

■ボウルヴィが考える社会的絆の大切な側面

①安心安全基地となる事
 子どもが外に探索に出て戻ってくる(学習)為には、安心安全基地が必要。
②成人期の安定した愛着を築く基礎
③他者との関係の基礎となる

■愛着の発達

第一段階:0~3か月
 人に興味を示す。見分ける事は難しい。
第二段階:3~6か月
 人の見わけが付き始める。馴染みのある大人2~3人に微笑みを見せるようになる。気づいて欲しくて喃語で話しかける。見知らぬ人には微笑まない。
第三段階:6か月~3歳
 馴染みのある大人が来ると微笑みや抱っこの要求が増え、愛着が強まる。同時に7か月頃から見知らぬ人への不安を感じ、泣いたりする。(人見知り)後追いが始まる。ハイハイが出来るようになると、安心安全基地(馴染みのある大人)がいる事を確認し、探索行動に出始める。
第四段階:3歳~児童期の終わり
 養育者のニーズを理解するようになる。養育者との関係がパートナーシップ的な関係に変わってくる。

 愛着は、必要な時にそこにいて、安全と慰みを与えてくれる存在として頼る事が出来、心理的に健康な発達的経路に子どもを導くとしている。

 それに対して、上手く愛着が形成されなかった場合には、神経症的なパーソナリティの形成の原因になるとしている。
 


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