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読書日記*『わたしの美しい庭』凪良ゆう

本屋大賞2020を受賞した『流浪の月』を読んで以来、すっかり小説家 凪良ゆうの虜になった。
大賞だからという安直な思考により手に取った本だが、みるみる内に引き込まれ、読み終えた頃には凪良ゆうという存在が気になって仕方なくなった。
中毒症状のようにさらに凪良ワールドに浸かりたくなり手に取った『わたしの美しい庭』。

凪良ゆうの小説に共通するテーマは「マイノリティであるが故に生き辛さを抱える人々」
同性愛者、うつ病患者、虐待を受けている子供、親を亡くした子供、未婚の女性…。
日々マジョリティから浴びせられる容赦ない"偽善"に耐えながら、それでもマジョリティの輪に混ざることなく、自らの道を進んでいく。
そんな登場人物の姿を見ていると「私は私のままでいいのだ」とそっと背中を押される。
もう一つ特徴的なのは感情表現。著者自身は経験したことがないだろう立場や感情を、綺麗な独特な分かりやすい言葉で表現している。表現の豊富さに感嘆し、一つ一つの言葉がすっと心に入ってくる。

(マジョリティにフォーカスする作品が世間で評価されているということは、多くの人に受け入れられているということで、その事実に「世の中捨てたもんじゃないな」と顔が綻んだ。)

#小説 #読書日記 #読書感想文 #凪良ゆう #私の美しい庭

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