Zoomの向こうで笑う人たち
閉じていた瞼を開けると、三脚を立てたスマホと対称の位置で、老いぼれジィジiとバァバwが声を出さず、変な動きをして踊っている。
エマの2か月目に当たる誕生日の2日前、14時の出来事です。
ママの乳を吸い終えて、いい気持ちになっていたのに、どうして老いぼれジィジiとバァバwが邪魔するのだろう?と思っていたら、わたしもだんだん気が付いてきた。
そうだった、
ママの膝の上で、結婚式の披露宴にZoomで参加していたけど、退屈だったので眠っていた。
ママの友達の結婚式を大阪からZoomで見ながら眠っていたことに、朧気ながら気がついてきた。
声を出さないで踊る老いぼれジィジiとバァバwに比べて、真ん中に位置しているスマホから流れてくる音は騒々しくて眠れない・・・
みんなお酒も飲まずに良くやるよ・・・
大阪で緊急事態宣言が発動され、ママの大阪行きがキャンセルになったので、老いぼれジィジiの家に泊まっていた。
相変われず踊り続けているので、スマホの向こうに向かって、取り合えず『ニッヤ』としたら、老いぼれジィジiとバァバwが喜んだので、少しは気が晴れたのか、と感じた。
そして、次々と思い出してきた。
昨日はパパのおばあさん家に行ったけど、疲れて眠ってばかりいたので良く憶えていない。
でも、その前の日のことは良く憶えている・・・今のところは。
その時はパパに抱かれて赤い着物を羽織り、少し苦しかったけど我慢して座っていた。
一段高い床の額縁を対称した位置で、いきなり大きな太鼓を打ち鳴らしたのでビックリした。
太鼓のおじいさんはその後も、変な言葉を発しながら踊ったと思ったら、こっちの向かって大きな色の付いた短冊の塊を振り回してきた。
抱かれていたパパがうつむきこっちを見ていたので、太鼓のおじいさんのことは無視することにした。
太鼓のおじいさんが居なくなった後は、大きな階段の下を対称とした位置で、おじさんのカメラの三脚が準備されていた。
カメラに撮られていたのは間違いないけど、風が強く寒かったので良く憶えていない。
全く大変な一日だ、と思ったがその後がもっと大変だった。
機械のようなカメラを対称にした位置で、ママとパパ、そして4人のジィジiとバァバwの笑う顔を何度も見せられた。これまでに何度も何度も笑う顔だったので気にしなかったが、その他の状況が正直大変だった。
機械のようなカメラと私の間を行ったり来たりする女性と、どっかに言っては変なモノを持ってくる女性に、笑うまで何度も何度も顔や体を触られた。
そして、何度も何度も着替えさせられた上に、二人の女性に笑うまで何度も何度も顔や体を触られた。
やっと終わったと思ったら、パソコンの画像にみんなが注目して退屈だったので、ミルクを飲んでママの膝の上で眠ることにした。
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