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データ分析会社から事業会社へ転職して一年経った

本記事は、転職してから1年の振り返りエントリです。

転職エントリ
入社一ヶ月の入社エントリ

掲題の通り、事業会社へ転職し、1年が経過したので、その振り返ります。

1年間を時系列で振り返り

1~2ヶ目(20年7月~8月)

・キャッチアップ
・基本的な集計業務と施策の効果検証など

最初の1~2週間ほどは新環境でのキャッチアップに勤しんでいました。前職と異なり、環境自体はそれなりに整っており、分析をするツールで余計なことを覚える必要がなかったのは救いでした。OJTを行いつつ、社内のドキュメントを漁り、不明な点は周囲に聞き、サービス知識やそれに付随するデータ周りの仕様を吸収していきました。

ある程度慣れてきた頃から、BizやEngと直接やり取りしながら、グロースのために分析したり効果検証をやっていました。基本的な分析に関するところでは苦労しませんでしたが、サービス機能やそれに付随するデータ周りの仕様を都度理解していきながら進めていく必要があり、課題から要件を落とし込み、適切なデータを適切に用いた分析設計に落とし込んでいくのに時間がかかった記憶があります。
(弊社のデータは結構カオスなので一定仕方ない部分はある。オンボーディングについての課題は最近取り組んでいたりする。)

3~6ヶ月目(20年9月~12月)

・KPIやセグメント定義の刷新
・BI環境の整備
・データマート整備

仕事に慣れてきて落ち着いてきたタイミングで、分析業務も行いつつ、裁量と業務領域を広げていきました。

最初に、アドホックな分析によるBIダッシュボード等の残骸が散っており、社内で真に参考すべき数値が整備されていない課題を是正しました。過去の分析などを整理しつつ、サービス上でモニタリングすべき領域を整理し、指標定義をまとめた上で、それを俯瞰かつ深堀りできるようなものを構築しました。

これにより、「荒れており使いにくいBI環境」「集計にかかるデータ加工の冗長さ」が解消され、より明瞭な分析とその活用によって施策化また効率化による費用・工数の削減に繋がりました。自身としてもプレゼンスを発揮できた取り組みかなと思います。

7~9ヶ月目(21年1月~3月)

・ユーザ行動に対する高度分析
・大規模な開発の方針決定、検証設計、関連するデータ整備

半年ほど経過したタイミングから、比較的大きめのプロジェクトを担うようになりました。

1つは、サービスKPIを上げるために、どういったUXが効いているのかを解明していくということを行いました。大規模なサービスで多様な機能とそれらを使う様々なユーザ層がいる中、各セグメントに有効な体験の関係性が不透明だったためです。
これに対して、KPIを予測するモデルを構築、局所的な説明性を活用し、セグメントごとに重要変数を特定するというアプローチを取りました。アプローチ自体はそれなりに合理的だったと今でも思いますが、事業側への期待感から求められるスピード感に対して、不確実性が高い手段をとってしまい、十分な調整もできなかったのも反省点でした。
結果的に、特徴量の選定に十分な時間を割けず、既知の分析の洗い直しになってしまった感があります。分析は基本的に仮説検証のアプローチで行っていくべきだと認識していた中で、このような結果になったのは反省点です。

2つ目の大規模開発については、既存ユーザの行動を深堀った結果から注力ポイントを明らかにし、それに基づいて方針を決定しました。対応する形で検証設計も行い、並行して整備していたBI環境に対し、件の分析を参考に、これまで可視化されていなかった領域の対応を更に行いました。
大規模な開発ということもあり、透明性の低さから要件調整に伴う影響に気づかず手戻りが発生したり、スケジュールが間延びしテストデータの連携の遅れによりリリース後の検証にスケジュールの皺寄せが発生したり、まだまだ課題は多いと感じています。忙しくなるほどPMや周囲との連携が甘くなりがちで、これは現状でも課題です。

10ヶ月目~(21年4月~)

・分析組織としての体制改革
・副業の開始

弊社は組織規模に対してアナリストが不足しており、社内の各機能組織からの分析依頼で慢性的に逼迫しています。この課題に対し、直近で業務フローの整理と人員配置の組み換えによる体制整理を進めています。僕自身も、メインミッションから外れた部分での業務領域が広く、より成果に専念するためにもやり遂げていきたいです。

また、副業に以前から興味はあったのですが、コロナ禍で時間が空いていることと、とあるスタートアップとのご縁があり始めました。やってることは同じく分析周りですが、分析しつつも環境の整備もみているので、本業とは違った経験が積めています。ただ、割く時間が少なくドメイン知識の吸収にあまり時間が充てられず、それを踏まえた提案よりも、純粋にデータ分析での周辺部分での支援が肝になっており、本業よりもバリューを出しにくいという所感です。また、稼働は平日の夜と休日に行っており、時間がカツカツになりがちなので、タイムマネジメントは本当に重要。

今後の取組み

・KPIの更なる分解
・定性調査との掛け合わせ

今使っているKPIは一定シンプルにまとめられていますが、前述の通りでユーザ体験への因果が不明瞭な部分も含んでいます。機能ごとにどのくらい影響があるのかを個別に分析していくつもりです。
また、社内では定性調査も行っているのですが、そことの連携を図り、より具体のニーズの掘り起こしとペルソナの具体化に活かしていければと考えています。

結局転職して正解だったか?

この1年で現職の良いと感じた点、悪いと感じた点をそれぞれ率直に書いてみます。

良いと感じた点
・ロールがある程度重宝されており、意見を尊重されている
・風通しはいい
・前職より広い業務領域に携われている
・裁量が大きく、必要なことを自分のやりたいようにできている
・ほぼフレックスかつフルリモートOKで、一定の働きやすさがある

前職と一番異なったところは、データに関わるところで何かと呼ばれるようになったことです。前職では、分掌がはっきりしており、基本的に自分の関わっているプロジェクトの分析やモデル構築周りしかやってなかったですが、データの設計や施策設計など関連するところで意見を求められることが多くなりました。
また、業務を進める上で不都合な部分などがあった際に、自分であるいは周囲との協力を得た上で、解決に動きやすかったのはよかったです。
そういったこともあり、現在はデータ利活用を進める上でネックになっているBIエンジニアリングやデータマネジメント周りに積極的に関わっています。

働き方についても、そこまで厳しくなく、快適に仕事できています。転職時点でリモート推奨だったこともあり、あまり出勤せずに基本リモートで働いています。職場で人と顔を合わせて話すことも少ないため、今の所SlackやZoomでのコミュニケーションが90%以上で、正直未だに顔を覚えられていない人も結構います。(これは良いことではないかもしれないが)

悪いと感じた点
・雑多な仕事も多く慢性的に忙しい
・チームプレーというよりワンマンプレーが多い
・一番やりたかった部分(プロダクト設計、UXリサーチなどや事業へのコミット)に職種的な分断があり、結局あまり関われていない
・透明性があまりなく、全体の状況が見えない

現状の良くないと思う点は、とにかく忙しい点です。振り返りには記載してませんでしたが、常に分析依頼が発生しています。やることが多いのはいいのですが、自分が進めているプロジェクトと並行して、対応に追われている状況が定常化しています。データマートの設計やBI環境の整備などで、多少負担は減っているものの、それでも続いている慢性的に時間が欠乏している状況は生産性の低下にも繋がりますし、本質的な課題に目を向けられいないと思います。
細かい案件も多く一人で色々案件をさばくことが中心になっており、チームで事業に取り組むという動き方からは遠くなっているのも問題です。関係のない部分はとにかく関われていないので、自分の興味のあるより事業側の領域にはあまり関われていないかなという印象です。

後は、組織が大きい中で、周囲の状況が見えにくく、透明性が低いために、動きにくい部分を感じています。情報自体はどこかしらにあるのですが、任意の情報へ容易にアクセスできるかというと大分厳しいです。誰かしらに聞けば分かることもあり、必要だったら周囲に確認するものの、「聞けたら聞きたい」くらいの質問のやりとりは結構敷居が高く、、、。

今後どうするか?

良い面と悪い面と双方書きましたが、当面は振り返り部分にも記載した通り、慢性的な業務過多の部分など、一部の課題に向き合おうと動いています。その部分がある程度落ち着くまでは頑張っていく所存です。
そのため、現状の転職意向はそこまでないです。

ただし一方で、今より良い環境があったら転職するつもりです。
大きな組織的での課題はやはり一社員で向き合うのには限界がありますし、事業へあまりコミットできていない状態は良いとは言えません。

将来的には、よりマネジメント方面にいき、データの文脈で組織やチームをエンハンスあるいはプロダクトをグロースするような役割を目指しています。
そんな中で、現状の職場が理想かと言われると、正直そうではないとは思います。
多分成長率の高い事業会社系スタートアップのフィーチャーチームで密に働けるのが良いのかなとは考えています。まだまだ悩み中。。。

ありがたいことに、SNS等経由でちょくちょくお声がけ頂いており、お話する中で、事業や組織への興味のある企業もいくつかでてきています。
そのうち、いい出会いがあるといいな。

そういう訳で、蛇足ではありますが、これを読んで私に興味のある企業の方いらっしゃったら連絡ください!

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