39歳のハローワーク① 初期投資は必要か?
さて3年かけて40歳までに自分のやりたいことで経済的な自立を、という目標のもと始まった39歳のハローワークなのです。
今日は若干引かれる内容かも知れないけれど、これが私です。
だからこそ生きづらいんだろうとはおもう。
まず真っ先にお金を稼ぎたかった
まずはほんの少しでもいいからお金を稼ぐことを始めたたかった私。何かできることはないかと考えてまず思い浮かんだのが美術モデルの仕事だった。
私は結婚して間もない頃、一年間だけ美術モデルのアルバイトをしていたのだ。
美術モデルは、美大や芸大、絵画教室やデッサンサークルなどで作品のモチーフ(モデル)になる仕事だ。これはとてつもなく自分に合っていた。てきぱき動かなくても良いし(むしろひたすらじっとしている。それは得意。)、もともと美術が好きなのでイーゼルや絵の具や美術書に囲まれた現場にいられることも嬉しかった。
自分の仕事が誰かの役に立っている実感もあったし、自分が作品の一部になることも歓びだった。
ただ、夫からの理解が得られず、結局一年で辞めてしまったのだった。
美術モデルの仕事は、一般的なアルバイトと比べて時給が2〜3倍くらいある。これを仕事内容に対して高いと思うか安いと思うかは個人の判断だが、私にとっては2時間働いて飲食店のアルバイト一日分のお給料をもらえるのはとても魅力的だった。
ただ、当時の私には美術モデルに復帰できない大きな問題が一つあった。それは、『おっぱい』なのだった、、、!
そういうわけで、豊胸をした
私は授乳によっておっぱいが萎んでしまっていてそれはもうあまりにひどかった。垂れているどころの話ではなかった。完全に萎んだ風船状態で、えぐれているくらいに凹んでいた。
私は毎日自分の胸を見るのも悲しく、とても人前には出られなかったし、もし、もし出られたとしても仕事は少ないだろうと思った。
美術モデルはたとえばカルチャーセンターのような、趣味で絵を描きに来る人が多い場所では、ある程度の見た目の美しさが求められる場合が多々ある。
いえ、でもその前にやっぱり、まずこの胸ではぜったい人前に出たくなかった。自分の気持ちがまず無理だった。でも、今の自分にできる仕事はもう本当にこれしかないという確信しかなかった。
というわけで、実母から「子供たちのために使って」と貰ったお金70万円と、当時の自分の全貯金10万円を使って『豊胸』をした。
仕事に初期投資は必要か?
仕事をするのに初期投資という言葉があるけれど、これは危険だと思っていた。私は今まで、それを回収できたことが一度もなかった。
ましてや豊胸だなんて、リスクも大きすぎるし我ながら狂っていると思った、それくらいは自分でもわかっていた。
でも、私はもう切羽詰まっていた。自殺した人のことや、死ぬ方法を調べ始めていたし(同時にそんなことやらないだろうとも自分でわかっていたけれど)、そうでなくとも、子供を置いて家出するとか色々考えて、考えて、考えていたけれど、今の苦しみから抜け出せる方法がみつからなかった。
今でもやっぱり、初期投資がなければできないような仕事は始めるべきでないと思っているけれど、それでも、当時の一か八かの自分の選択は幸い良い方向へ向かったと思っている。(ちなみに投資金額は無事回収できたが、貯金はまだ80万円に戻っていない、、、)
とにかく始めよう、でなきゃ死ぬと思って。
豊胸は局所麻酔の日帰り手術で済み、うまくいった。家族にもバレなかった。豊胸というと巨乳になるイメージだが私は予算の関係でヒアルロン酸をたくさん入れられなかったこともあり、ごく普通の控えめな胸に戻ったくらいだが、それでもまず自分の気持ちがあかるくなった。
そんなこんなで昔お世話になっていた美術モデル事務所に復帰したい旨を伝えると二つ返事でOKがでて、仕事はするすると軌道に乗り、あっという間に指名を何件ももらえるようになった。
やっぱり復帰してよかった、と心から思った。
美術モデルは私にとって、自分がもともと持っていたものをそのまま出せば評価してもらえるという天国みたいな仕事だった。
もちろんポーズの研究や維持する努力はしているけれど、それは前向きに取り組める課題として当たり前にすることで、こうして普通に自分らしく仕事をするだけで「すごく良かった、また来て欲しい」と言ってもらえる世界。こんな世界はここしかないと、幸せを噛み締める毎日だった。
ところで豊胸をするとき、執刀医から「胸に入れるヒアルロン酸は自然と身体に吸収されていくから、胸の膨らみが保てるのは短くて3年、もって5年かな」と言われた。
39ハロワが3年間という期限付きなのは、40歳までちょうど3年というタイミングだったのと同時に、今の胸で美術モデルができるのも3年くらいかなと思ったからでもある。
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