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39歳のハローワーク②継続には鍵があった話

 さて、ここまで触れずにきたけれど、私が最終的にやりたいことというのは児童文学作家としてお金を稼げるようになることなのでした。お話を書いて、それでちゃんと食べていけるだけのお金を稼ぐのが私の目標。
 実はずいぶん大きな目標があったのです、、、。

 作家になるなんていう大きな目標を掲げておいて何ですが、私は文章を書くのが下手なのでした。
 それに気づいたのがここ数年なのだけど、自認できるようになっただけまず良かったと思う。
 下手な文章と上手な文章の見分けはついたし、好きな文章と嫌いな文章が自分の中にあることもわかる。
 見分けがつくならきっと自分にも少しは可能性が残っているはず。そう思って、その可能性にかけてみたいと思ったのです。40歳までの3年間だけ、、、。

1年目に始めたこと、上達するためのシンプルな方法

 それでまず最初の一年目に始めたことは、本を読み、日記とブログを書くことだった。めちゃくちゃシンプルだけど当時の自分にとってはこれが一番の近道だと思ったし、今でも思っている。
 下手な人が上手な人に近づくための唯一の方法が、『差』を縮めていく作業に尽きると思うから。上手な人と自分とではどこがどう違うのか、それを見極められるようになって、少しでもお手本に近づくこと。でも、上手いと下手の違いを見極められないと意味がないことと、実際どこまで近づけるかは才能次第だとも思うので、ちょっと不安定な方法でもある。

継続のための3つの要素

 日記とブログを書くことは実際に文章力をつけるためにやってみた。正確にいうと、自分らしい表現を探るため。いろんな文体で、いろんなものについて毎日少しずつ書いてみた。
 そして、そういうことをするなかで、私は『継続する力』というものを知らず知らずに身につけていったのだった。これは完全に棚からぼたもちだった。
 私は継続というものがどうしてもできない人間で、どんなに心に強く決めたことでも3日坊主で終わることばかりだと自認していたのだが、今回はわりとちゃんと続いた。
 そしてこの3年で、私は『継続』に関して3つの要素を発見したので書いてみる。

継続の要素①心地良さを最優先

 当時、勝間和代さんのYouTubeをよく見ていたのだけどそこで「物事を継続するには、心地良さとセットにすること」とおっしゃっていた。
 人間というものは案外繊細にいろんなことを感じ取っているもので、意識していないくらいのほんの小さな不快感でも、それがあると自然とやらなくなるし、逆になんとなく心地よいものは自然と続けてゆく。
 簡単にいうと、大きすぎる目標を掲げるのはまずアウト。1日3分でいいから本を読むとか、そういう簡単なことから始めるべし

 私は文章を書く時間はおいしいコーヒーを淹れて、おいしいおやつを食べながら書く、というのをしていた。それだけでまず文章を書く時間が義務ではなくご褒美時間になったのだった。それだけで、この時間が楽しみになる。
 それでもモチベーションが下がった時にはすごく好きな作品を読む。するとまた自分も書きたくなるのだった。
 こんなシンプルなことだけれど、これだけでちゃんと続いた

 反面、日記はサボってしまう時期がわりとよくあって、続けられなかったのだ。その理由も単純で、家庭での大変なエピソードを書くことが多かったから
 日記なのでどうしても子供がぐずって大変だったとか、頭痛が続いてしんどいとか、そういうことばかり書くことになる。いかんせん我が家の生活は本当にひどいものだったので、事実を並べるとしんどいエピソードばかりになってしまう。
 それで書くのも嫌だし読み返すのも嫌になってしまって、自然と書くことすら忘れてしまうことが増えた。
 たまに思い出して、家のことを書くのはやめようと思い、庭の花が咲いたとかそういうことを書くように努め、休みながらも何とかどうにか3年続けた(休み休みで日記帳の1/3くらいは埋まった...)

継続の要素②熟成期間

 継続というものについて私が発見したもう一つのこと。
 私の場合、好きになったことにめちゃくちゃのめり込むという特性があって、熱しやすく冷めやすいというか、『好き』を平坦に均して長期間続ける、ということが難しい
 しかし、少し休むとまたやる気が出てくるという面もある。しかも久しぶりに再開するとなぜか実力が上がっていたりする。この休んでいる期間を、私は『熟成期間』と呼んでいる。
 熟成しているうちにそのものに対する理解力が自分の中で上がっているのだ、なぜだかわからないけれど、、、。
 刺繍とか、お菓子作りとか、服作りとかなんでもそうだし、仕事でもそう。少し休業期間を経て復帰するとなぜかコツが掴めて、心の余裕もでき、レベルが上がっているということがよくある。

 それに、趣味でも仕事でも、長いブランクがあったとしてもそれを繰り返す間に知識や経験は間違いなく蓄積されてゆくわけで、それを20年とか繰り返すと結構な経験値を得ていることになる。

継続の要素③ひとつだけでなく、同時に色々やる

 最後のひとつは、やることを意識的に分散させるということ。私が仕事を続けられない理由のひとつに『飽き』があるのだけれど、この30歳のハローワークの中で私は全く違う職種のアルバイトを2つ掛け持ちすることになった。
 すると不思議なことに、いつもの『飽き』をあまり感じなかったのだ。それどころか相乗効果でいつも新鮮な気持ちで仕事をすることができて、自分の中ではすごく大きな発見だった。
 岡田斗司夫さんもおっしゃっていたのを聞いて後ですごく納得したが、月に3万円稼ぐ仕事を10個やれば月収は30万円になる、そういう働き方が私にはきっと合っているんだろうと、目から鱗の発見だった。

 そうして一年目が過ぎようとした頃に、この39歳のハローワーク中で最大とも言える転機がおとずれるのだった。

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