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「施設の悪い点を教えてくれ」―カイスケを使って時間に追われる現場が変わった理由

都内3か所に開所する地域密着型通所介護事業所『わたしんち』。介護度の高い利用者と向き合い、常に利用者の視点に立ったサービスを心がける『わたしんち』ですが、少数精鋭による手厚いサービスには人手不足の課題がありました。

『わたしんち』を経営する株式会社アプリソワンの代表取締役である町田 美彦さんに、その課題を解決するまでの経緯と、カイスケを利用してみて感じたことを聞きました。

レスポンスが早い、スキルがある―夜勤に適したカイスケの即戦力

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――『わたしんち』では、人材面でどのような課題を感じていましたか?

町田 美彦さん(以下、敬称略)「まず、人材不足です。さらに人件費の課題から余剰人員を抱えられないこと、新規人材の経験値不足にも悩んでいました。
人材不足解消のために派遣に頼っても、スキルが育たないまま数ヵ月で人材が入れ替わってしまいます。業務内容を教える時間や手間を考えると、コストパフォーマンスが悪いと感じていました。」


――カイスケを利用しようと思った理由は?

町田 「特に悩みの種だった夜勤の人材不足解決に適していたからです。カイスケ登録者の中にはコロナ禍をきっかけにダブルワークを始め、夜勤を希望する方が多いと聞きました。
加えてカイテクのCEO武藤さんとも見知った仲だったので、カイスケを使ってみようと思いました。」


――派遣サービスと比べて、カイスケ利用にはどのようなメリットを感じましたか?

町田 「マッチングから出勤までの流れがスムーズであることと、スキルが高いことですね。急な夜勤の頼みやすさという点で、他にはないスピード感は強みだと思います。また、私たちのような少数精鋭で運営する施設は、個人のスキルがサービスの要です。カイスケの登録者はある程度レクチャーすれば仕事を任せられる人材が多いので、助かっています。

それに加えて、サービスそのものの成長も早い。ここまでのアップデートはユーザー視点でやってくれていて、私が提案した改善点もずいぶんと取り入れてくれました。介護専門のプラットフォームだからこそできることだと思います。」

手つかずだったマニュアルが完成して業務がスムーズに

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――実際に働いているカイスケの登録者にはどんな印象を持ちましたか?

町田 「他派遣等と比べてモチベーションが高いです。介護業界は働く場所として閉鎖的な傾向があります。ダブルワーク禁止、他施設に働きに行っちゃいけない……そういう縛りのようなものが業界内で浸透しているのですが、カイスケの登録者は『他の環境でも働いてみたい』、『新しい経験をしてみたい』という意欲を感じます。だからこそ、働いてもらう施設側にもいい効果があるんですよ。」

――具体的にどんな効果がありましたか?

町田 「マニュアル作成を進めることができました。以前から『新しい人材に業務を教えるのが大変』という声があったのですが、日々の仕事に追われる現場では業務のマニュアル化はなかなか進まない状況で……。私自身が数日間夜勤シフトに入ってみて、これはルーティン化しなければと痛感しました。

そんな折にカイスケで来てくれたSさんという方に、マニュアル化を進めるために協力していただきました。Sさんと共に時間帯ごとの業務内容を洗い出し、作業工程も確認したうえでチェック項目を作ったんです。他スタッフとも確認してそのマニュアルを活用し始めてからは、現場の動きがとてもスムーズになりました。新しい人が来たときも、マニュアルを見せて基本事項を理解してもらえるので、人材教育時間の大幅な削減ができています。」


――カイスケの人材が加わることで『わたしんち』の業務効率化が進んだのですね。

町田 「はい、モチベーションの高い“外の人”がやってくるということは、とても効果があります。日々当たり前になってしまっている業務から無駄な作業を見つけたり、より良い方法を模索したりすることで、環境そのものを改善するきっかけが生まれるんです。」

“外の視点”が経営課題を現場から変えるきっかけに

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――『わたしんち』の利用ケースでは、人材不足の解消と人材教育の効率化が同時に行われているように感じます。

町田 「そうですね。介護関連施設の人手不足解消のためには、とにかく早急に人材を探すための施策と、経営体制や運営サイドで見直すべき根本的な改善、どちらも必要だと思います。前者はあらゆる人材紹介サービスを利用すればある程度解決できますが、後者については他者の視点が入り、かつその視点がフィードバックされないと難しいんです。

カイスケを利用して一番よかった点は、弊社の社員やパートが決めた業務内容を、スキルやモチベーションの高い視点で再評価してもらえることです。現場のメンバーは時間に追われていることもあって、新しい試みに対して消極的になってしまいがちですから。」


――人材不足問題の根底には、現場と経営者の間での視点の違いもあるのかも?

町田 「経営陣からすれば、働き手にストレスを与えながら残業代を払い続けるより、そのぶん業務効率化に投資して、より良い労働環境を目指したいと思います。一方現場では指示をもとに働く意識が強いので、指示そのものが変わることはあまり望んでいないという……。介護経過記録を紙からタブレットに変えたときも、ちょっとしたアレルギー反応が起きていました。」


――そうした現場を変えることの難しさに、“外の視点”が効くわけですね。

町田 「はい。カイスケを通じて来てくださったリピーターの方には、私はあえて『施設の改善点をフィードバックしてくれ』って伝えているんです。こういう意見は、派遣で来た方にはなかなか聞けないですから。

人手不足を解消するためには働いているメンバーが欠けないよう、人員配置や業務効率化を通じ、働きやすい環境を目指す努力が重要です。経営者として、カイスケから得られるフィードバックを真摯に受けとめつつ、施設全体の改善に向き合っていきたいです。」

しっかり見守りたいからこそ挑戦したいIT化と新規事業

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――今後取り入れたい改善について、具体的なポイントがあれば教えてください。

町田 「興味があるのは、テクノロジーによる業務効率化や自動化です。介護業界にはエビデンスを残すためのさまざまな書類作成があります。それらを自動化できれば、見守りに充てられる時間が大幅に増えるでしょう。本来、介護の仕事で一番大切なのはコミュニケーションのはずです。それをできないほどの事務作業に追われてしまうのは、本末転倒ですよね。」


――利用者の視点に立った改善でもありますね。

町田 「もともと『わたしんち』は“利用者ファースト”を徹底しています。『わたしんち』の利用者の平均介護度は3~4。車いすユーザーの方が利用者の半数以上ということも珍しくない施設です。認知症でコミュニケーションが難しい方も多い中で、いかに余生を楽しく過ごしていただくか。その一点を意識して、運営しています。その軸をぶらさず、経営と運営双方の視点から、より良い環境を作っていきたいです。」


――最後に、経営者の視点から今後の介護業界の展望について教えてください。

町田 「これからの時代、介護を必要とする方が『安全に暮らす』ということがそもそも難しいと考えています。一方で行政は在宅を基本とした訪問を勧めている。こうした現状を鑑みて、ネクストステップとして要介護者の住まいそのものを提供する事業も検討しています。

高齢者の中には、家族のサポートが望めない方や困難な条件がそろっている方……つまり通所だけでは生きていけない方もいます。けれど現状は宿泊日数にも上限があるし、施設数にも限りがある。こうした中でしっかり見守りをしていくためには、賃貸事業を軸にして、そこにサービスを取り入れていくというスタイルのほうが適切かな、と。今後さらに加速する住宅過剰社会の空き家を有効活用することにもつながるでしょう。」

働き手のモチベーションと利用者の満足、どちらも持続可能な価値に

“利用者ファースト”を軸に据え、新しい意見を取り入れることで施設の環境改善を進める町田さん。ITを取り入れる業務効率化のほか、時代に応じた新規事業のビジョンにも触れてくれました。持続可能な介護サービスに向き合い続ける町田さんがカイスケを選ぶ理由は、現場から経営サイドに通る意見や、現場のモチベーションをボトムアップする人材が得られるから。利用者に寄り添うサービスの提供を目指して、『わたしんち』の挑戦は続きます。

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