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再び、高野山へ

私には歴史上の人物で会いたい人が数人おり、その中の一人に弘法大師空海がいます。

ここ数年、弘法大師に関係するところを歩いてまわっています。
観世音寺(福岡)、東長寺(福岡)、鎮国寺(福岡)、東大寺(奈良)、興福寺(奈良)、元興寺(奈良)、久米寺(奈良)、善通寺(香川)、天河大辨財天社(奈良)、そして東寺(京都)と高野山金剛峯寺(和歌山)など。
まだまだ行きたいところが色々あります。

長安(西安)で弘法大師が修行した場所「青龍寺」にも行きましたが、こちらは17年前で記憶が曖昧なので再び行きたい西安。



真言宗の開祖として習いますが、日本のダヴィンチと言われるほど、多方面で活躍した人ですね。
書も巧みで、三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢)のひとりに数えられます。

今年は弘法大師空海御誕生1250年にあたるため、学生時代の友人Aさんと先日高野山へ行ってきました。


実は2年前にも高野山を訪れています。
この時はまだ外国人観光客がおらず、日本人観光客も少ない時でした。

本当は麓の九度山(真田父子が蟄居を命じられたところ)から町石道を通って徒歩で参拝したかったのです。片道約22km。

大体6〜7時間のコースらしいのですが、夏ではないし、そんなに水も持って行く必要もないから徒歩で参拝したいなぁ。と色々調べながら、そう本気で考えていた時、見つけた「クマに注意」の文字。
九州人の私にとってクマはくまモンしか知らない。

(流石に一人でクマとは戦えない。。)

そう判断し、徒歩での参拝を断念した2021年でした。

2021年 参拝時
奥之院 入口




今年もまた大門からスタート。
錦秋染まる高野山。見事な秋晴れ。

立派な山門

大門から壇上伽藍、金剛峯寺、奥之院へ。
今年もまた無事に参拝できたことに感謝です。

西行法師もまた、歴史上の人物で会いたい人の一人です。30年ほど、高野山で過ごしていました。
西行法師の歌はしみじみと、心に響いてきます。あぁ、その気持ちわかるわかる!と思えるようになったのは、歳を重ねたからだと思います。そういう意味では老いることも悪くないかな。
大好きな歌人であり、その人物にも惹かれますね。

お大師様にご挨拶を終え、この日は宿坊に一泊。
そこになんと顔真卿の拓本が掛けてあるではないですか!

下のリンクに写真があります。


「逍遥楼」とあります。落款は大暦五年正月一日顔真卿書。

楷書の大作です。
顔真卿62歳ごろの作でしょうか。

非常に力強い筆致ではあるけれど、いわゆる顔法といわれるような顔真卿っぽさはないなぁ。というのが正直な感想。

弘法大師が唐に渡った時、顔真卿の字がはやっていたと言われます。
色々縁を感じるものです。


朝は本堂でお勤めがありました。
3人の僧侶の方が読経しています。

ただ、3人とも同じように読経しているわけではないようです。ある部分は中心に座っている僧侶の方しか読まないし、また所々誰かの声が途切れ(息継ぎ?)、また重なって、それが非常に心地よい。

リズムや音階にも変化があります。
「声明」ってこんな感じなのかな?


自分の足で見て回ると、色々な「問い」が生まれるのがいいところ。


家に帰って顔真卿に関する本を読んでいるとあの拓本が載っていました。
しかし、私が目にしたものとはちょっと違う拓本です。こちらの方が顔真卿の雰囲気がありますね。この本によると偽刻との説もあるとのこと。

いろいろと面白い発見もあった日でした。

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